那覇でパ・リーグ開催中! 東浜巨、山川穂高ら沖縄出身「ウチナーンチュ」に熱い応援を

パ・リーグ インサイト

2022.5.18(水) 00:00

埼玉西武ライオンズ・山川穂高選手、福岡ソフトバンクホークス・又吉克樹投手(C)パーソル パ・リーグTV
埼玉西武ライオンズ・山川穂高選手、福岡ソフトバンクホークス・又吉克樹投手(C)パーソル パ・リーグTV

 5月17日から沖縄セルラースタジアム那覇で埼玉西武対福岡ソフトバンクのパ・リーグ公式戦が開催されている。初戦は11日にノーヒットノーランを達成したばかりの沖縄出身・東浜巨投手と、埼玉西武の與座海人投手が凱旋登板。結果は福岡ソフトバンクの勝利となったが、両投手は無失点の好投を見せた。

 ところで沖縄出身のプロ野球選手は現在26名(セ・リーグ9名、パ・リーグ17名、育成選手含む)今回はその中から9名のパ・リーグ選手をピックアップ。チバリヨー!(沖縄の方言でがんばれ! の意味)の応援を送ってみてはいかがだろうか。

(2020年7月22日に公開した記事を2022年5月16日に再編集)

驚愕の守備範囲を魅せるあの選手や「どすこい」のパフォーマンスでおなじみのあの選手も。パ・リーグで奮闘するウチナーンチュたち!

大城滉二選手(オリックス・バファローズ 興南高校出身 28歳7年目)

 大城滉二選手は、県内屈指の強豪校・興南高校で、2年時から遊撃手のレギュラーに。甲子園では、唯一の2年生レギュラーとして1学年上のエース・島袋洋奨投手(元福岡ソフトバンク)をバックで支え、史上6校目の甲子園春夏連覇に貢献した。その後立教大学を経て、15年のドラフト3位でオリックスに入団。2019年までは本職の遊撃手に加え、二塁・三塁・さらには外野手をもこなすユーティリティプレーヤーとして役割を全うしていたが、2020年は開幕から二塁手に専念。すると、深めに守る大胆なポジショニングで、衝撃のプレーを連発している。

 動画を見ると、ライトやセンターの守備範囲をもカバーしているといえる大城選手。これだけ深いポジショニングを取れるのは、強肩とスピードを兼ね備えているゆえである。また、どの方向の打球にも反応が良く、これはさまざまなポジションを経験した成果といえるかもしれない。2021年はシーズン後半に右膝の大ケガを負った。2022年は復活のシーズンにしたい。

宮城大弥投手(オリックス・バファローズ 興南高校出身 20歳3年目)

 そんな大城選手とチームメイトで、興南高校の後輩にあたる宮城投手は、19年のドラフト1位左腕だ。興南高校では、1年時、2年時に甲子園経験があり、スリークォーターから繰り出されるストレートとスライダー、チェンジアップを軸に、内角を強く攻め込む投球スタイルが持ち味だ。ウエスタン・リーグでは、1年目から早速その大器の片りんを見せつけており、デビュー戦で自己最速を更新する最速153km/hをマーク。2年目の2021年は13勝4敗、防御率2.51で新人王を獲得し、3年目の2022年も頼もしい存在だ。

平良海馬投手(埼玉西武ライオンズ 八重山商工高校出身 22歳5年目)

 平良海馬投手は、高卒2年目の2019年後半にブレイク。26試合に登板するなど主に夏場以降のブルペンを支え、リーグ連覇に大きく貢献した。過去の動画を振り返ると、2020年は開幕から絶好調で150km/h台後半のストレートと140km/h台後半のカットボールが冴えわたり、なんと開幕から10試合連続パーフェクト投球。7月19日の楽天戦では、自己最速となる160km/hを記録するなど、進化が止まらず沖縄県出身者としては初の新人王獲得。2021年は39試合連続無失点のNPB新記録を樹立した。

與座海人投手(埼玉西武ライオンズ 沖縄尚学高校出身 26歳5年目)

 沖縄尚学高校から岐阜経済大学を経て、17年のドラフト5位指名でプロの世界に飛び込んだ與座海人投手は、「絶滅危惧種」ともいわれるアンダースローの投手として注目を集めた。しかし、右肘の炎症の影響で18年にトミー・ジョン手術を受けるなど、わずか1年で育成選手契約に。それでもリハビリを続けた與座投手は、19年9月に実戦復帰。11月には支配下での再契約を勝ち取った。2022年は緊急登板となった4月28日に今季初勝利、今季2度目の先発となった5月5日は6回無失点で2勝目を挙げている。17日はセルラースタジアム那覇で東浜投手との投げ合い。地元ファンならずとも見逃した方は必見だ。

山川穂高選手(埼玉西武ライオンズ 中部商業高校出身 30歳9年目)

 主砲・山川穂高選手も、沖縄出身のウチナーンチュだ。打席に入る際の登場曲『オジー自慢のオリオンビール』も、もうファンにとってはおなじみ。今季は14本塁打31打点、安打の約半数はホームランという好調ぶり。3年ぶりのタイトルに向け、より一層の本塁打量産に期待が高まっている。

福岡だけじゃない! オール九州の思いを背負ったあのチームでは、やはり沖縄勢の活躍が光る

東浜巨投手(福岡ソフトバンクホークス 沖縄尚学高校出身 31歳10年目)

 東浜巨投手は2020年、前年の故障から復活し、8年目にして自身初の開幕投手に。5回2安打5奪三振無失点と、白星こそつかなかったものの自身初の大役を務めあげた。そしてプロ10年目を迎えた2022年。今季6試合目の先発となった5月11日、好調の山川選手を擁する埼玉西武に対し好投。打者27人を無安打に抑え、史上84人目のノーヒットノーランを達成した。5月17日に那覇で見せた好投&ヒーローインタビューは必見。

嘉弥真新也投手(福岡ソフトバンクホークス 八重山農林高校出身 32歳11年目)

 開幕からここまで14試合投げて防御率0.00と奮闘し続けているのが嘉弥真新也投手だ。球界屈指の「左キラー」として2017年から5年連続50登板以上を記録。172cmの小柄な体から、どんなときでも落ち着いた投球を披露する嘉弥真投手。これまでも、そしてこれからも、チームの危機を何度も救ってくれるであろう。

リチャード選手(福岡ソフトバンクホークス 沖縄尚学高校出身 22歳5年目)

 沖縄出身野手のネクストブレイク枠として期待されているのが、リチャード選手だ。2019年から山川選手らと自主トレを行うなど、その潜在能力は折り紙付き。2019年オフ、アジア・ウインターリーグで3本塁打を放つと、2020年の練習試合、オープン戦で持ち前の長打力を猛アピール。すると、3月16日に支配下登録され、背番号は「127」から「52」に変更された。188cm、117kgの体格ながら、守備では俊敏な動きを見せる一面も。沖縄が生んだ心優しきスラッガーは、福岡の地で大きな花を咲かせられるだろうか。

又吉克樹投手(福岡ソフトバンクホークス 県立西原高校出身 31歳9年目)

 2021年オフ、中日ドラゴンズからFA移籍。Twitterの更新速度からファンに「又吉広報」と呼ばれる。福岡ソフトバンク加入1年目となる2022年は開幕から現在まで17試合連続無失点中。17日からの那覇の試合でも好リリーフとなるか。嘉弥真投手との沖縄出身者リレーも楽しみなところ。

文・岩井惇

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