前回大会に出場した選手たちは、レギュラーシーズンどんな成績だったか?
「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」は、レギュラーシーズン開幕の直前にあたる時期に開催される。それに伴う調整の前倒しや、WBCによる疲労の影響によって、出場した選手たちのシーズン開幕後の成績に懸念が投げかけられることも少なくはない。
今回は、前回大会である2023年のWBCに日本代表として出場した、当時パ・リーグ球団に所属していた13名の選手たちが、同年のシーズンで残した成績を紹介。それに加えて、各選手の翌年以降の活躍も確認し、WBCによる影響についてあらためて考察していきたい。
投手陣は7名全員が好投。そのうち5名が前年よりも防御率を改善
2023年のWBCに出場した、当時パ・リーグ球団所属の投手たちの顔ぶれは下記の通り。

松井裕樹投手、佐々木朗希投手、山本由伸投手、宮城大弥投手、山崎颯一郎投手の5名は、いずれも前年に比べて防御率を向上させている。調整の難しいシーズンでありながら、多くの投手が前年以上の好投を披露していたことがうかがえる。
宇田川優希投手も前年に比べて防御率こそ高くなったものの、登板数を19試合から46試合へと大きく増加させ、防御率1.77、奪三振率10.25と優れた投球内容を示した。20ホールド2セーブを記録してリーグ優勝にも貢献しており、充実のシーズンを送ったと形容できる。
また、伊藤大海投手は前年に比べて勝利数と防御率は悪化していたが、奪三振率は2022年の6.48から2023年は7.87に改善。翌年以降も奪三振率が向上を続け、2025年の最多奪三振獲得につなげていることを鑑みれば、少なからず意義のあるシーズンだったという見方もできそうだ。
野手では近藤健介選手が2冠王。大半の選手がチームの主力として活躍
続いて、2023年のWBCに出場した、当時パ・リーグ球団所属の野手について見ていこう。

野手陣の中では、近藤健介選手の活躍がひときわ目を引くところだ。自身初の全試合出場を果たすとともに、26本塁打、87打点、出塁率.431で3つの打撃タイトルを獲得。OPS.959という数字が示す通り、移籍初年度から圧倒的な打棒を披露して実力を存分に証明した。
甲斐拓也選手は2022年に打率.180、1本塁打、OPS.498と極度の打撃不振に陥っていたが、2023年は打率.202、10本塁打、OPS.602と復調を垣間見せた。周東佑京選手も出場試合数を80試合から114試合に伸ばし、36盗塁を記録して3年ぶり2度目の盗塁王に輝いた。
源田壮亮選手はWBC期間中に負傷した影響もあって出場試合は100試合にとどまったものの、打率.257と一定の数字を記録。牧原大成選手は打率を前年の.301から.259に低下させ、山川穂高選手は故障などの影響もあって年間0本塁打に終わったものの、多くの選手がシーズン開幕後もチームの主力として活躍を見せた点は注目に値しよう。
山本投手、松井投手、佐々木投手の3名は海を渡り、MLBでも存在感を発揮
ここからは、各選手の2024年以降のキャリアに目を向けていきたい。山本投手は2023年にそれぞれ3年連続となる投手4冠と沢村賞獲得という離れ業を演じ、翌年からはドジャースに活躍の場を移した。松井投手も2年連続の最多セーブに輝いた2023年オフにパドレスに移籍し、ともにMLBの舞台でも主力投手として活躍を続けている。
佐々木投手も自身初の2桁勝利を記録した2024年のオフにドジャースへ移籍し、昨季はポストシーズンでリリーフとして好投。ワールドシリーズMVPに輝いた山本投手とともに、チームの世界一に貢献している。後のメジャーリーガーを3名輩出したという点も、前回の代表を語るうえで興味深い要素といえよう。
伊藤投手は2024年から2年連続で最多勝に輝いただけでなく、2024年には最高勝率、2025年には最多奪三振と沢村賞も受賞し、球界を代表する先発右腕の一人に成長。宮城投手も2024年に防御率1.91と最優秀防御率まであと一歩に迫り、2025年も防御率2.39、奪三振率9.88と好投。山本投手が移籍した後のオリックスをエースとして支えている。
宇田川投手と山崎投手は故障に苦しんでいるものの、2023年時点でパ・リーグに在籍していた7名の投手のうち、5名が躍進を遂げている点は特筆すべき要素といえよう。
2024年以降の2年間でタイトルを獲得した選手も多く、今なお活躍は続いている
野手では山川選手が2024年に34本塁打、99打点で本塁打王と打点王の2冠を獲得し、2025年には日本シリーズMVPを受賞。近藤選手も2024年に打率.314、出塁率.439、OPS.960と抜群の成績を残し、自身初の首位打者と4度目の最高出塁率に加えて、リーグMVPにも輝く大活躍を見せた。
周東選手は2024年に41盗塁、2025年に35盗塁と3年連続で盗塁王を獲得し、外野手部門のベストナインとゴールデングラブ賞にも2年連続で輝いている。牧原選手も2024年は打率.283、2025年は打率.304と再び成績を向上させ、2025年には首位打者に輝く飛躍のシーズンを過ごしてみせた。
甲斐選手は2024年に打率.256、OPS.690と打撃面で存在感を発揮し、2年ぶり7度目のゴールデングラブ賞も受賞。源田選手も2024年は全143試合に出場して打率.264を記録し、7年連続で遊撃手部門のゴールデングラブ賞に輝くなど攻守にわたって活躍を見せた。
山川選手、近藤選手、源田選手、甲斐選手の4名は2025年に故障や不振もあって出場試合数が減少したが、いずれもチームの主力として存在感を示し続けている。直近2年間でタイトルを獲得した選手の多さを鑑みても、各選手は十二分に活躍を続けていると言えそうだ。
今大会で代表に選出された選手たちも、レギュラーシーズンで好成績を残せるか
2023年にWBCに選出されたパ・リーグ戦士の大半は、同年のシーズンでも前年と同等かそれ以上の活躍を見せていた。2024年以降の2年間においてMLBの舞台で飛躍を果たしたり、パ・リーグでタイトルを獲得した選手の多さも特徴的であり、直近の大会においてはWBCへの参加がシーズンに悪影響を及ぼしたケースは少なかったと結論づけられる。
今年のWBCに参加する選手たちも、前回大会と同様にレギュラーシーズンでも引き続き好成績を残してくれるだろうか。WBC本大会における日本代表の躍進を願うとともに、各選手のその後の活躍にも大きな期待を寄せたいところだ。
文・望月遼太
