上沢直之、加藤貴之、伊藤大海の3本柱が奮闘。リリーフの顔ぶれもそろう【北海道日本ハムファイターズ2023:投手編】

パ・リーグ インサイト

2023.12.22(金) 17:00

北海道日本ハムファイターズ・上沢直之投手(左)加藤貴之投手(中央)伊藤大海投手(右)【写真:球団提供】
北海道日本ハムファイターズ・上沢直之投手(左)加藤貴之投手(中央)伊藤大海投手(右)【写真:球団提供】

 エスコンフィールド初年度、優勝を目指して挑んだ2023シーズン。北海道日本ハムファイターズは60勝82敗1分、勝率.423で2年連続の6位に終わった。本記事では投手編、野手編に分け、北海道日本ハムの2023シーズンを振り返っていく。

12球団最多タイの3投手が規定投球回に到達

 今季はパ・リーグ最多、中日と並んで12球団最多タイの3投手が規定投球回に到達。昨季運用に苦戦したリリーフは、50試合登板した3投手がブルペンを支えると、福岡ソフトバンクから移籍してきた田中正義投手が守護神に定着した。

 結果的には、リーグ3位のチーム防御率3.08と、昨季の防御率3.46(同5位)から大きく改善。106被本塁打(同2位)、942奪三振(同5位)と課題もみられたが、リーグ最少の363与四球(2位と42個差)と健闘した。

先発陣を支えた左右のエース

 今季は上沢直之投手、加藤貴之投手、伊藤大海投手が規定投球回に到達。なかでも上沢投手、加藤貴投手の活躍が光った。

 上沢投手は4月5試合の登板で防御率4.50と、苦しいスタートとなったが、5月17日に9回120球4安打2四球9奪三振で自身5年ぶりの完封勝利をマーク。9月1日には、9回3安打2四死球7奪三振で2度目の完封勝利を挙げた。

 最終的には、リーグトップの170回を投げ、同2位の2完封。同7位の防御率2.96と好成績を残した。特にオリックス戦は5試合の登板で3勝1敗、防御率1.38と好投。3年連続で規定到達と、右のエースとして今季もチームを支えた。今オフにはポスティングシステムでのMLB移籍を表明。今後の動向に注目だ。

 昨季、11与四球でシーズン最少与四球数のプロ野球記録を72年ぶりに更新した加藤貴投手。今季は自身初の開幕投手に抜てき、2試合連続で7回3失点も敗戦投手となったが、4月14日に9回2失点完投で今季初勝利をマークした。

 5月には4先発30イニングで3勝0敗、防御率0.30で自身初の月間MVPを受賞。最終的にはリーグ3位の163.1回を投げ、同6位の防御率2.87の成績を残した。白星は7勝と伸び悩んだものの、与四球数は規定到達者の中で最も少ない「16」、K/BB5.19と制球力は健在。今オフには、国内FA権を行使せずに残留を決めた。3年連続規定到達、2年連続防御率2点台をマークした左のエース。来季も変わらぬ活躍が見られそうだ。

第5回WBCではリリーフとして、シーズンは先発として活躍した伊藤大海

 伊藤投手は、シーズン開幕前のWBCに出場。イタリアとの準々決勝、5回表2死1、3塁で大谷翔平選手の後を受け、見事な火消しを見せるなど、侍ジャパンの世界一にリリーフとして貢献した。

 帰国後は二軍での調整登板を経て、開幕5試合目に一軍で先発登板。5回無失点の投球を見せたが、以降3試合で崩れ、4月は防御率5.82と苦しんだ。しかし、5月2日に7回1失点の好投から状態を上げると、8月から9月にかけて3試合連続完投(うち1完封)を記録。

 最終的には、ルーキーイヤーから3年連続の規定投球回に到達。3年連続の2桁勝利はならずも、防御率3.46、リーグ2位タイの3完投と今季も先発として結果を残した。すでに2024シーズンの開幕投手に内定している伊藤投手。来季も多彩な投球術で、安定した成績が期待できそうだ。

キャリアハイの18試合に先発。2015年のドラフト1位が躍動

 上記3投手に次ぐ先発投手として、存在感を示したのが上原健太投手。今季は開幕ローテーション入りも、4月は3試合で防御率5.40とふるわず、登録抹消された。二軍での登板を経て5月30日、交流戦の開幕戦に先発。6回5安打4四球7奪三振1失点で今季初勝利を挙げた。

 7月・8月は6試合の登板で防御率1点台。なかでも8月20日は、完投・完封は記録されなかったが、9回4安打1四球5奪三振無失点の快投を披露。シーズン最後まで先発ローテーションの一角として活躍し、自己最多の18先発、101.1回を投げ、防御率2.75の成績。2015年のドラフト1位左腕が、プロ8年目に躍動した。

高校・大学で7年間同級生の田中正義、池田隆英が再び同じチームで存在感を示す

 創価高校、創価大学で7年間同級生だった田中正義投手と池田隆英投手。北の大地で7年ぶりにチームメイトとなり、ブルペンを支えた。

 田中正投手は、海外FA権を行使して福岡ソフトバンクへ移籍した近藤健介選手の人的補償として北海道日本ハムに入団。リリーフとして開幕一軍入りを果たすと、4月半ばに守護神・石川直也投手の離脱を受け、その代役に抜てきされる。

 4月26日にプロ初セーブをマークすると、5月7日にはプロ初勝利。その後もクローザーとして活躍を続け、監督推薦により、自身初のオールスター出場も果たした。後半戦は失点する場面が目立ったが、一軍でシーズンを完走。47試合登板で2勝3敗8ホールド25セーブ、防御率3.50と、潜在能力を開花させた。

 池田投手は開幕を二軍で迎えたが、4月5日に一軍登録。火消し、回またぎ、セットアッパーなど、さまざまな起用に応え、前半戦で防御率3.13と一定の成績を残した。8月・9月は17試合登板で防御率1点台と、8回の男に定着。最終的には自己最多51試合の登板で、リーグ4位タイの25ホールド、防御率2.86と、飛躍の1年を送った。

玉井大翔、河野竜生が50試合登板。鈴木健矢、北山亘基は前半戦で健闘

 リリーフ陣はほかにも、玉井大翔投手が3年連続50試合登板で防御率2.63、河野竜生投手が自己最多の50試合登板、防御率1.70の好成績をマーク。また、プロ5年目の福田俊投手が29試合の登板で失点「0」、シーズン途中にトレードで加入した山本拓実投手が26試合で防御率1.50と活躍を見せた。

 北山亘基投手はリリーフで開幕を迎えたが、先発が手薄なチーム事情もあり、5月4日にシーズン初先発。5月・6月は7先発で4勝2敗、防御率1点台と圧巻の投球を続けた。しかし、7月に打ち込まれると、8月3日がシーズン最終登板となった。

 また、鈴木健矢投手が6月までに16試合に登板(うち10先発)で6勝2敗、防御率1.89の好成績。7月に防御率27.00と打ち込まれ、登録を抹消されたが、9月にリリーフで復帰すると、6試合連続無失点でシーズンを終えている。

新球場でのミスが目立った2023シーズン。ミスを減らして上位進出なるか

 投手陣は一定の成績を残したが、両リーグトップの94失策と、守備の乱れが多く見られ、接戦を落とすことが多かった2023シーズン。秋季キャンプでは、現役時代は守備の名手で鳴らした元中日の荒木雅博氏を臨時コーチに迎え、エスコンフィールドで守備力の強化に取り組んだ。

 まだ上沢投手の去就は決まっていないが、今オフにFAした山崎福也投手(前・オリックス)、吉田輝星投手とのトレードで黒木優太投手(前・オリックス)を獲得。新助っ人では、MAX162km/hのアニュラス・ザバラ投手、MLB通算35試合登板のパトリック・マーフィー投手を補強した。

 さらに、後半戦で3勝を挙げ、カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023日本代表にも選出された根本悠楓投手や、1年目はケガに泣くも、抜群の制球力で存在感を示した金村尚真投手など、若手の有望株も多い北海道日本ハム。投手層に厚みが出てきたなかで迎える2024シーズンが楽しみだ。

文・東海林諒平

関連リンク

シーズンレビュー2023【北海道日本ハム:野手編】
投げる精密機械。加藤貴之の制球力の進化に迫る
2023年WBC組のシーズン成績はどうだった?
2023年ルーキーの活躍【北海道日本ハム編】
山本拓実と郡司裕也が飛躍を果たした理由にデータで迫る

記事提供:

パ・リーグ インサイト

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE
  • パ・リーグ.com トップ
  • ニュース
  • 上沢直之、加藤貴之、伊藤大海の3本柱が奮闘。リリーフの顔ぶれもそろう【北海道日本ハムファイターズ2023:投手編】