相性の良さがものを言うか。それとも短期決戦のどんでん返しか?「パーソル cs パ」ファイナルステージ

パ・リーグ インサイト 成田康史

2018.10.16(火) 18:30

浅村栄斗選手(C)PLM
浅村栄斗選手(C)PLM

17日から始まる「パーソル CS パ」ファイナルステージでは、ファーストステージを勝ち上がった2位・福岡ソフトバンクを、10年ぶりのリーグ優勝に輝いた埼玉西武が迎え撃つ。予想される両チームの先発投手、さらには注目の野手を紹介しながら、日本シリーズの出場を懸けた戦いを展望していく。

【今季対戦成績】
埼玉西武→13勝12敗、福岡ソフトバンク→12勝13敗
【メットライフドームでの対戦成績】
埼玉西武→9勝3敗、福岡ソフトバンク→3勝9敗

シーズンを通して勝ち越した埼玉西武だが、ホームではさらに6つの貯金を作るなど相性の良さが光った。中でも優勝を争った9月は5勝1敗と圧倒しており、福岡ソフトバンクにとってメットライフドームは鬼門となっている。迎えるファイナルステージでは、相性の通りの試合展開になるか、福岡ソフトバンクがこれを跳ね返すか、まずはそこに注目だ。

福岡ソフトバンク投打の主力の相性

【先発が予想される投手の成績】
・バンデンハーク投手
今季:23試合10勝7敗138回127奪三振、防御率4.30
対埼玉西武:3試合0勝2敗16.1回13奪三振、防御率8.82
・東浜投手
今季:17試合7勝5敗103回83奪三振、防御率3.32

対埼玉西武:1試合0勝1敗7回8奪三振、防御率7.71
・千賀投手
今季:22試合13勝7敗141回163奪三振、防御率3.51
対埼玉西武:6試合3勝3敗37.2回50奪三振、防御率5.73
・ミランダ投手
今季:8試合6勝1敗47.2回40奪三振、防御率1.89
対埼玉西武:3試合2勝1敗19.1回15奪三振、防御率2.79

埼玉西武と相性が良いのはミランダ投手。8月25日の対戦では、8回まで無安打無得点の快投を見せると、9月29日には7回1失点で目の前での胴上げを防いだ。北海道日本ハムとのファーストステージ初戦では、突如制球が乱れて4回途中での降板となっただけに、好相性の埼玉西武を相手に挽回を狙う。

また、ファーストステージではブルペンに入った石川投手にも注目したい。シーズンでは、埼玉西武戦11試合に登板して3勝2敗、防御率2.70と好成績を残した。どのような役割を任されるとしても、埼玉西武にとっては強敵となることは間違いない。

【野手成績】
・松田宣選手
今季:143試合128安打32本塁打82打点、打率.248
対埼玉西武:25試合23安打10本塁打19打点、打率.261
・中村晃選手
今季:136試合148安打14本塁打57打点、打率.292
対埼玉西武:23試合28安打 4本塁打 9打点、打率.311

打線では松田宣選手に注目。埼玉西武・十亀投手との相性がクローズアップされるが、今季はチーム別最多の10本塁打を放った。2戦目まで無安打と苦しんだファーストステージでは、最終戦で2安打、1本塁打。下剋上へ向けた大舞台でも「熱男」は飛び出すか。中村晃選手は、初戦で猛打賞を記録すると、2戦目、3戦目に2試合連続弾を放って存在感を発揮。経験豊富な打撃職人は絶好調のまま、メットライフドームへ乗り込む。

2011年、同じクライマックスシリーズの同じファイナルステージ、同じく埼玉西武と福岡ソフトバンクの対戦では、本拠地の応援を背に福岡ソフトバンクが3連勝で日本シリーズ進出を決めている。

舞台を埼玉西武の本拠地に変え、再び顔を合わせる両チーム。1位・埼玉西武が10年ぶりの進出を果たすか、あるいは2位・福岡ソフトバンクが下剋上を果たすか。一戦一戦、目が離せない戦いが幕を開ける。

埼玉西武投打の主力の相性

【先発が予想される投手の成績】
・菊池投手
今季:23試合14勝4敗163.2回153奪三振、防御率3.08
対福岡ソフトバンク:2試合1勝1敗15回16奪三振、防御率2.40
・多和田投手
今季:26試合、16勝5敗172.2回102奪三振、防御率3.81
対福岡ソフトバンク:2試合1勝1敗12.1回6奪三振、防御率10.95
・榎田投手
今季:23試合11勝4敗132.2回98奪三振、防御率3.32
対福岡ソフトバンク:1試合0勝0敗 2回4奪三振、防御率0.00
・今井投手
今季:15試合5勝5敗78.2回65奪三振、防御率4.81
対福岡ソフトバンク:4試合2勝1敗19.2回17奪三振、防御率3.20
・郭投手
今季:3試合1勝0敗15.2回10奪三振、防御率6.32
対福岡ソフトバンク:3試合1勝0敗15.2回10奪三振、防御率6.32

9月28日、プロ入り初の福岡ソフトバンク戦白星を飾った菊池投手。今季は2試合の対戦のみだが、防御率は2.40と試合を作っていることが分かる。昨年もファーストステージの初戦で勝ち投手となるなど、大舞台で結果を残した経験は貴重なものだ。

注目は今井投手、郭投手の若手右腕コンビ。今井投手はマジックを1として迎えた9月29日の試合で6回2失点と好投するなど、高卒2年目ながらマウンド度胸と安定感が光る。また、郭投手は今季の登板試合すべてが福岡ソフトバンク戦。直近2度の登板では大崩れしない投球を見せており、一発勝負の舞台でも相性の良さを生かしたい。

【野手成績】
・秋山選手
今季:143試合195安打24本塁打82打点、打率.323
対福岡ソフトバンク:25試合31安打5本塁打11打点、打率.304
・浅村選手
今季:143試合175安打32本塁打127打点、打率.310
対福岡ソフトバンク:25試合30安打3本塁打25打点、打率.306
・山川選手
今季:143試合152安打47本塁打124打点、打率.281
対福岡ソフトバンク:25試合22安打11本塁打29打点、打率.244

埼玉西武は福岡ソフトバンクを苦手としている打者が少なくないが、上記3人のタイトルホルダーはさすがの成績。ただ浅村選手は、優勝が目前に迫った9月最後の3連戦で、11打数無安打と振るわず。反対に山川選手は、シーズンの対戦打率こそ3割に満たないが、9月の直接対決6試合で5本のアーチを描いた。

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パ・リーグ インサイト 成田康史

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