今季もパ・リーグでは投手の活躍が目立った。特に先発投手の力投が多く見られ、2度ノーヒットノーランが達成されるなど、完封試合の数は17。第1弾に続き、今季球場を沸かせた先発投手の完封勝利を振り返っていく。
高橋光成 エースが見せた魂の2試合連続完封
◇埼玉西武対北海道日本ハム 第13回戦(7月16日・ベルーナドーム)
この日の高橋光成投手は決め球のフォークとスライダーが冴え、3回まで1人の走者も許さない。4回表に二塁打と四球で1死1、3塁のピンチを背負ったが、4番・マルティネス選手を空振り三振、5番・清宮幸太郎選手を中飛に打ち取り無失点に抑える。6回以降も3本の長打を浴びながらも要所を締め、中村剛也選手の2ランで挙げた2点を守り切った。9回120球4安打1四球6奪三振で3年ぶりの完封勝利を収めた。
◇埼玉西武対千葉ロッテ 第13回戦(7月25日・ベルーナドーム)
チーム連勝が「7」で止まった直後の大事な一戦に先発した高橋光成投手。初回から2点の援護をもらい、テンポ良く凡打の山を築いていく。6回表は、2死から岡大海選手と藤岡裕大選手に連打を浴びるも、続く中村奨吾選手をスライダーで右飛に仕留めて無失点。9回にも1死2、3塁のピンチを招いたが、2者連続三振でねじ伏せ、9回129球5安打1四球7奪三振。2試合連続の完投勝利を成し遂げた。
有原航平 大型連敗を止めた渾身の115球
◇オリックス対福岡ソフトバンク 第16回戦(7月25日・京セラドーム大阪)
12連敗中のチームを救うべく先発した有原航平投手は、序盤に走者を許しながらも3併殺でピンチの芽を摘む。5回裏には頓宮裕真選手、宗佑磨選手、杉本裕太郎選手を3者連続三振。8回、9回に味方がそれぞれ2点を挙げ、5点リードとなった後も集中力を切らさず、9回115球6安打2四球11奪三振。チームを連敗脱出に導く救世主となった。
與座海人 無四死球で飾った2年連続完封
◇埼玉西武対福岡ソフトバンク 第15回戦(8月2日・ベルーナドーム)
開幕をファームで迎え、一軍昇格後も白星が遠かった與座海人投手だが、この日は5回までパーフェクトピッチングを披露する。6回表に先頭・リチャード選手に安打を浴び、初めて走者を背負ったものの、続く周東佑京選手を併殺に仕留めてピンチを未然に防ぐ。7回以降は相手打線をまったく寄せ付けず、わずか104球で2年連続完封勝利。2安打無四死球という圧巻の内容だった。
隅田知一郎 苦難の末につかんだプロ初完投・初完封
◇北海道日本ハム対埼玉西武 第16回戦(8月9日・エスコンフィールド)
エスコンフィールド初登板となった隅田知一郎投手は初回、3者連続三振の完璧な立ち上がりを見せる。3回裏に2安打で招いた1死1、3塁のピンチを無失点でしのぐと、以降は相手打線に的を絞らせず。7回裏には清宮選手、マルティネス選手、万波中正選手から3者連続三振を奪うなど、終盤になっても球威は衰えなかった。
6点リードの9回表、味方の失策をきっかけに2死満塁の大ピンチを背負ったが、最後は松本剛選手を1球で打ち取る。9回132球5安打2四球11奪三振の熱投で、自身初完投・初完封を達成した。
岸孝之 試合開始が約2時間遅延も…… 17年目のベテランが2年ぶり完封
◇東北楽天対オリックス 第17回戦(8月11日・楽天モバイルパーク宮城)
高速道路の事故渋滞により用具車到着が遅れ、試合開始が約2時間遅れた一戦。東北楽天の先発・岸孝之投手はそのアクシデントにも動じなかった。初回2死1、2塁を三振で切り抜けると、その後は簡単にアウトを取っていく。3球三振を3度奪うなど、安定した投球でオリックス打線を封じ込めた岸投手は、9回108球5安打1死球6奪三振で2021年3月30日以来の完封勝利を手にした。
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