ブルペンを支えた顔ぶれは? 2025年のパ・リーグ6球団リリーフ陣

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2025.10.25(土) 10:00

福岡ソフトバンクホークス・杉山一樹投手(左上)北海道日本ハムファイターズ・田中正義投手(中央上)オリックス・バファローズ マチャド投手(右上)東北楽天ゴールデンイーグルス・西垣雅矢投手(左下)埼玉西武ライオンズ・平良海馬投手(中央下)千葉ロッテマリーンズ・横山陸人投手(右下)【写真:球団提供】
福岡ソフトバンクホークス・杉山一樹投手(左上)北海道日本ハムファイターズ・田中正義投手(中央上)オリックス・バファローズ マチャド投手(右上)東北楽天ゴールデンイーグルス・西垣雅矢投手(左下)埼玉西武ライオンズ・平良海馬投手(中央下)千葉ロッテマリーンズ・横山陸人投手(右下)【写真:球団提供】

投高打低の傾向が強まる中で、リリーフ投手の価値はこれまで以上に高まっている

 投高打低の傾向が強まる中で、試合終盤において僅差のリードを守り抜くことを可能とするリリーフ投手の存在価値は、これまで以上に高まりつつある。すなわち、シーズンを通じて多くの試合に登板した投手たちは、チームにとって欠かせない存在だったと形容できる。

 今回は、2025年のパ・リーグにおいて20試合以上に登板したリリーフ投手の顔ぶれを、各球団ごとに分けて紹介。文字通りにチームの屋台骨を支える役割を担った投手たちの活躍ぶりをあらためて振り返るとともに、今後のさらなる奮闘にも期待を寄せたい。

北海道日本ハムファイターズ

2025年 北海道日本ハムの主なリリーフ陣 ©PLM
2025年 北海道日本ハムの主なリリーフ陣 ©PLM

 田中正義投手がチーム最多の49試合に登板して12ホールド13セーブを挙げ、防御率1.32、奪三振率9.06、K/BB3.69とキャリア最高の投球内容を展開。齋藤友貴哉投手も自己最多の47試合に登板して14ホールド3セーブ、防御率1.35と抜群の安定感を示した。

 玉井大翔投手は40試合で17ホールド1セーブ、防御率2.25と一軍登板なしに終わった前年から鮮やかな復活を遂げる。上原健太投手も27試合で13ホールド1セーブ、防御率1.11と見事な投球を見せ、通算900試合登板の偉業を達成した宮西尚生投手とともに、左のリリーフとしてブルペンを支えた。

 柳川大晟投手は故障で離脱するまで37試合に登板して7ホールド11セーブを挙げ、防御率1.02、奪三振率10.95と圧倒的な投球を披露。昨季の最優秀中継ぎ投手である河野竜生投手は不振に陥ったが、山本拓実投手、生田目翼投手、池田隆英投手といった実力者の存在に加えて、シーズン途中に中継ぎへ転向した金村尚真投手もブルペンに厚みをもたらした。

東北楽天ゴールデンイーグルス

2025年 東北楽天の主なリリーフ陣 ©PLM
2025年 東北楽天の主なリリーフ陣 ©PLM

 西垣雅矢投手はリーグ2位の63試合に登板してチームトップタイの7勝を挙げ、防御率1.96、奪三振率9.65と出色の投球を披露。藤平尚真投手も62試合の登板で防御率2.11、奪三振率9.96と優秀な成績を残し、21ホールド12セーブと勝ちパターンの一角としてフル回転した。

 西口直人投手は故障を乗り越えて今季開幕前に支配下復帰を果たし、52試合で31ホールド、防御率1.07、奪三振率12.43と支配的な投球を展開。それに加えて、ともに移籍1年目の加治屋蓮投手が54試合、今野龍太投手が42試合に登板していずれも防御率3点台を記録するなど、復活を果たした投手の多さも特徴的だ。

 鈴木翔天投手は46試合で19ホールド5セーブ、防御率2.36、奪三振率11.14と今季も持ち味を発揮。則本昂大投手はシーズン途中に抑えから外れたが、56試合に登板して10ホールド16セーブ、防御率3.05と奮闘を見せた。新人の江原雅裕投手も30試合で防御率3.45と一定の成績を残し、渡辺翔太投手や先発兼任の内星龍投手と共に存在感を示している。

埼玉西武ライオンズ

2025年 埼玉西武の主なリリーフ陣 ©PLM
2025年 埼玉西武の主なリリーフ陣 ©PLM

 今季はクローザーを務めた平良海馬投手が防御率1.71、奪三振率9.06とさすがの投球を見せ、リーグトップタイの31セーブを挙げて自身初となる最多セーブを受賞。ウィンゲンター投手も49試合で31ホールド、防御率1.74、奪三振率13.31と圧巻の投球を披露し、来日1年目からブルペンの柱としてチームを支えた。

 山田陽翔投手が49試合で17ホールドを挙げて防御率2.08とブレイクを果たし、羽田慎之介投手も24試合で防御率2.95、奪三振率10.55と存在感を発揮。昨季は故障に泣いた甲斐野央投手も47試合で33ホールドを記録し、防御率2.47と勝ちパターンとして活躍を見せた。

 今季から加入した黒木優太投手は29試合に登板して防御率3.38と一定の投球を見せ、移籍2年目の中村祐太投手と共に夏場以降のブルペンを支えた。同じく新加入のラミレス投手も27試合で防御率1.01、奪三振率9.45と好成績を残し、さらなる活躍に期待を持たせた。

千葉ロッテマリーンズ

2025年 千葉ロッテの主なリリーフ陣 ©PLM
2025年 千葉ロッテの主なリリーフ陣 ©PLM

 中森俊介投手が25試合で防御率1.23と抜群の安定感で前半戦のブルペンを支えたが、故障の影響でオールスター以降は登板を果たせず。それに加えて、前年に飛躍を果たした鈴木昭汰投手と菊地吏玖投手、さらには長年ブルペンを支えた益田直也投手も揃って調子を崩し、後半戦は苦しい台所事情での戦いを強いられた。

 そんな中で、横山陸人投手がチームトップの50試合に登板して防御率2.08と好投し、20ホールド12セーブを挙げる大車輪の活躍を披露。ロングリリーフを務めていた高野脩汰投手もセットアッパーに抜擢されて15ホールドを挙げ、37試合で53.2イニングを消化して防御率1.84、奪三振率10.23と抜群の成績を残した。

 小野郁投手も故障を乗り越えて47試合に登板して10ホールドを記録し、防御率2.59、奪三振率8.86と復活を果たした。木村優人投手は6月8日の時点で防御率2.75と序盤戦はリリーフとして好投を見せていたが、6月以降は先発に転向して新たな持ち場で奮闘している。

オリックス・バファローズ

2025年 オリックスの主なリリーフ陣 ©PLM
2025年 オリックスの主なリリーフ陣 ©PLM

 マチャド投手は前年同様にクローザーを務めてチーム最多の58試合に登板し、9ホールド28セーブ、防御率2.28、奪三振率11.06、K/BB4.25と優秀な指標を記録。ペルドモ投手も50試合に登板して33ホールドを挙げ、セットアッパーとして幾度となくチームを勝利に導いた。

 シーズン途中にトレードで入団した岩嵜翔投手は37試合で16ホールドを挙げ、防御率2.12、奪三振率9.00と新天地でセットアッパーとして復活を遂げている。才木海翔投手も38試合で11ホールド4セーブ、防御率1.87、奪三振率9.62とブレイクを果たし、勝ちパターンの一角として大いに存在感を放った。

 山岡泰輔投手は自己最多の41試合に登板して13ホールドを挙げ、防御率こそ4.25ながら奪三振率8.00、K/BB4.00と優秀な指標を記録。川瀬堅斗投手、高島泰都投手、片山楽生投手といった若手が一定の成績を残している点も、来季以降に向けて楽しみな要素となっている。

福岡ソフトバンクホークス

2025年 福岡ソフトバンクの主なリリーフ陣 ©PLM
2025年 福岡ソフトバンクの主なリリーフ陣 ©PLM

 杉山一樹投手がリーグトップの65試合に登板し、防御率1.82、奪三振率11.89と圧倒的な投球を展開。オスナ投手の不調に伴いシーズン途中からは抑えを務め、リーグトップタイの31セーブを記録して自身初タイトルとなる最多セーブに輝く大活躍を見せた。

 松本裕樹投手も51試合で防御率1.07、奪三振率9.95、K/BB4.31と抜群の安定感を発揮し、44ホールドポイントで自身初の最優秀中継ぎ投手賞を獲得。そして、藤井皓哉投手は51試合で防御率1.44、奪三振率13.50、K/BB5.36と指標面では先述した2名を凌ぐ素晴らしい数字を残し、鉄壁の勝ちパターンを形成してチームを勝利に導いた。

 津森宥紀投手とヘルナンデス投手は前年に比べてやや成績を落としたものの、それでも防御率3点台と一定の数字を記録。松本晴投手も先発に転向するまでは開幕から12試合連続無失点とリリーフとして好投を見せ、大山凌投手も26試合で防御率2.35と成長を示している。

各投手は来季以降も登板を重ね、勝利に導く投球を続けられるか

 シーズンを通じて多くの試合に登板し、疲労や消耗との戦いを続けたリリーフ投手が、翌年以降も好成績を残すことは決して容易ではない。それだけに、今回取り上げた選手たちには今後も好投を展開し、チームの勝利に直結する働きを披露し続けてほしいところだ。

文・望月遼太

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ブルペンを支えた顔ぶれは? 2025年のパ・リーグ6球団リリーフ陣