角中勝也の衝撃2ランに「幕張の奇跡」! 2023シーズン後半戦、サヨナラゲームを振り返り

パ・リーグ インサイト

2023.12.27(水) 18:00

千葉ロッテマリーンズ・角中勝也選手(C)PLM
千葉ロッテマリーンズ・角中勝也選手(C)PLM

 パーソル パ・リーグTV公式YouTubeチャンネルにて「2023年後半戦 歓喜のサヨナラ勝ち特集【Supported by 三和シヤッター】」と題し、2023年後半戦のサヨナラゲームを特集した動画が公開された。この中から印象的なシーンをいくつかご紹介しよう。

今季ブレイクの若手が見せたサヨナラ打

 2023シーズンもパ・リーグ6球団で若手選手が台頭したが、そんなフレッシュな面々の劇打に注目したい。

 まずは6月下旬からショートに定着した東北楽天・村林一輝選手。7月30日、東北楽天は終盤に埼玉西武に追いつかれてしまい、試合は延長戦へ。すると10回裏、無死2、3塁の場面で村林選手が高めに浮いたスライダーをとらえると、打球は左中間を真っ二つ。プロ初のサヨナラ打を大興奮のチームメイトと喜んだ。

 育成4位で入団し開幕直前に支配下登録され、安打を量産していたオリックス・茶野篤政選手。8月2日、2対2で迎えた9回裏、2死満塁。高めのストレートをセンター前へ弾き返し、これがうれしい初サヨナラタイムリーとなった。

 キャリアハイの25本塁打を放った北海道日本ハム・万波中正選手は、9月16日福岡ソフトバンク戦で1回裏に先制の先頭打者ホームランを放つと、1対1の9回裏にサヨナラホームラン。万波選手で始まり、万波選手で終わる珍しい形で勝利を収めた。

必見! ZOZOマリンサヨナラ劇場

 各地で劇的な展開の試合はあったが、特にZOZOマリンスタジアムでは刺激的な試合が多かった。

 後半戦最初のカードとなった福岡ソフトバンクとの3連戦。初戦を制した千葉ロッテだが、カード2戦目の7月23日は3対3で延長戦に突入。10回裏、2死満塁で打席には、前半戦で2度のサヨナラ打を放っている安田尚憲選手。鋭い打球が一二塁間を破っていき、安田選手はベンチへ向かって拳を突き上げる。バケツの水でずぶ濡れになったが、その表情は充実感でいっぱいだ。

 その翌日はベテランが見せた衝撃の一振りで決着。0対1で迎えた9回裏、2死1塁で代打・角中勝也選手が相手の守護神・オスナ投手から逆転サヨナラ2ランを放った。ストレートをばっちりと捉えた瞬間、打った角中選手はもちろん、客席の千葉ロッテファンも勝利を確信。ライナー性の打球がライトスタンドに吸い込まれ、場内はお祭り騒ぎとなった。

 そして最後は10月16日、パーソル CS パ ファーストステージ第3戦。両チーム無得点のまま9回を終える緊迫の展開だったが、延長10回表に福岡ソフトバンクがついに3点を挙げて均衡を破る。万事休すと思われた千葉ロッテだが、なんと10回裏に藤岡裕大選手が土壇場で同点3ラン。

 なおも2死1塁、ここで安田選手が右中間へ長打を放つと、一塁走者の岡選手が激走でホームイン。今季「サヨナラ男」へ成長を遂げた安田選手が「幕張の奇跡」を鮮やかに締めくくり、ファイナルステージ進出を勝ち取ったのだった。

 インパクト十分のサヨナラの名場面が生まれた2023シーズン。来季も真剣勝負から生まれる劇的なゲームに期待しよう。

文・菊地綾子

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