米殿堂入りにWBC蘭代表監督で再注目。アンドリュー・ジョーンズ氏がパで残した3つの名場面

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2013年のアンドリュー・ジョーンズ氏 ©パーソル パ・リーグTV
2013年のアンドリュー・ジョーンズ氏 ©パーソル パ・リーグTV

東北楽天の初優勝に貢献。日本のファンにもなじみ深い存在に

 2026年の米国野球殿堂入りのメンバーが発表され、アンドリュー・ジョーンズ氏が同年に殿堂入りすることが決まった。2013年から2年間にわたって東北楽天でプレーし、球団史上初の日本一に貢献したジョーンズ氏は、日本のファンにとってもなじみ深い存在だ。

 今回は、ジョーンズ氏のキャリアをあらためて紹介するとともに、東北楽天時代に見せてくれた数々のプレーの中から、特に印象に残る3つのシーンをピックアップ。MLBで抜群の存在感を示した名選手が日本球界において残した足跡を、映像とともに振り返っていきたい。

MLB時代は強打・好守の外野手として活躍し、NPBではパ・リーグ新記録を樹立

 ジョーンズ氏がMLBとNPBで記録した、個人成績はそれぞれ下記の通り。

アンドリュー・ジョーンズ氏 MLB時代の年度別成績 ©PLM
アンドリュー・ジョーンズ氏 MLB時代の年度別成績 ©PLM
アンドリュー・ジョーンズ氏 NPB時代の年度別成績 ©PLM
アンドリュー・ジョーンズ氏 NPB時代の年度別成績 ©PLM

 ジョーンズ氏は1996年にブレーブスでMLBデビューを飾り、2007年まで12シーズンにわたって同球団でプレー。1998年から10年連続でシーズン26本塁打以上を放ち、2005年には51本塁打、128打点でナショナルリーグの本塁打王と打点王の2冠に輝く大活躍を見せた。

 1998年から2007年まで10年連続でゴールドグラブ賞を獲得したセンターの守備も球界屈指で、攻守にわたってブレーブスの黄金時代を支えた。MLBでの17シーズンで2196試合に出場して1933安打、434本塁打、1289打点と抜群の実績を残し、2013年からNPBへと活躍の場を移した。

 東北楽天では入団1年目の2013年から4番打者を務め、打率.243、26本塁打、94打点、OPS.845に加えてリーグ最多の105四球と中軸の役割を全う。躍進を見せるチームを精神的支柱として支え、球団創設以来初となるリーグ優勝と日本一にも大きく貢献してみせた。

 翌2014年も24本塁打、71打点、OPS.820と強打を見せただけでなく、パ・リーグ史上最多となるシーズン118四球を記録し、2年連続で出塁率は.390台と卓越した選球眼を発揮。36歳とベテランの域に差し掛かってからの来日ながら、見事に日本球界へと適応して豊富な経験をチームに還元した真摯な姿勢によって、杜の都のファンに愛される存在となった。

 ここからは、ジョーンズ氏が東北楽天に在籍した2シーズンにおいて残した3つの名場面を、映像とともに振り返っていきたい。

ホームランテラス設置前の福岡で放った、圧巻のグランドスラム(2013年7月7日)

 東北楽天が2点を先制して迎えた8回表、なおも1死満塁と追加点の絶好機が続いていた。この場面で打席に立ったジョーンズ氏は、甘く入った球を逃さずに豪快なスイングで捉える。打った瞬間に本人も確信を見せた完ぺきな打球は、チームの勝利を決定づける満塁本塁打となってレフトスタンドに飛び込んだ。

 2013年の福岡ヤフオク!ドーム(当時)はホームランテラス設置前であり、現在よりも本塁打を放つのが難しい球場だった。そんな球場の特性をものともせずに放った圧巻のグランドスラムは、ジョーンズ氏がキャリアを通じて示してきた長距離砲としての資質を、日本のファンに対しても余すところなく示すものとなった。

リーグ優勝を決めた試合で放った、逆転の3点タイムリー(2013年9月26日)

 優勝に向けたマジックを2として迎えた重要な一戦で、東北楽天は2点ビハインドの状況のまま7回表を迎えていた。しかし、優勝に向けて意気上がる東北楽天打線は2死満塁と一打逆転のチャンスを築き、最高のおぜん立てをして打席に4番のジョーンズ氏を迎えるかたちを作った。

 ここでジョーンズ氏は外角低めに投じられたボールに逆らうことなく鮮やかに右中間へと弾き返し、満塁の走者を一掃する逆転の3点適時三塁打を放った。MLBで打点王に輝いた経験に裏打ちされた勝負強さをここ一番の場面で発揮し、球団創設以来初の優勝を決めた試合の決勝打という、まさに値千金の一打によってチームを栄冠へと導いてみせた。

緊迫した投手戦に終止符を打つ、交流戦で放ったサヨナラ3ラン(2014年5月31日)

 東北楽天が広島をホームに迎えたこの試合では、両チームの投手陣が互いに譲らぬ投手戦を展開。0対0のまま迎えた9回裏、東北楽天は1死1,2塁と一打サヨナラの場面を作る。試合を決め得る局面で打席に入ったのは、この試合でも4番を務めていたジョーンズ氏だった。
 
 百戦錬磨のリリーバー・永川勝浩氏がフルカウントから投じた変化球を力強く引っ張った打球は、ファンが待つレフトスタンドに飛び込むサヨナラ3ランとなった。これぞ主砲の仕事と形容できる一打で熱戦に終止符を打ち、息詰まる投手戦を見守ったファンに特大の歓喜をもたらした。

指導者として挑む新たな舞台にも要注目

 さすがMLBの本塁打王と見る者を唸らせた圧巻のアーチに、優勝を決める試合で放った値千金の決勝打。現在も残るシーズン118四球というパ・リーグ記録に加えて、東北楽天に所属した2シーズンにおいて多くの印象的なシーンも生み出したジョーンズ氏は、まさに記録にも、記憶にも残る名選手だった。

 ジョーンズ氏は現役時代にオランダ代表としても活躍を見せてきたが、3月に開幕する「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC」ではオランダ代表の監督を務める。米国野球殿堂入りの吉報を受け取った名手が指導者として挑む新たな舞台でのさらなる活躍と、日本の野球ファンとの“再会”にも期待を寄せたいところだ。

文・望月遼太

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米殿堂入りにWBC蘭代表監督で再注目。アンドリュー・ジョーンズ氏がパで残した3つの名場面