「いい思い出しかない」マイアミへ決戦の舞台を移す
2026WBCの東京プール最終戦、日本対チェコ戦は9対0で日本が勝利。日本は4戦全勝で東京プールを終え、熱戦の舞台をアメリカ・マイアミへ移す。
とりわけ7番センターで東京プール初のスタメン出場を果たした周東佑京選手の活躍が光った。7回、俊足を生かした内野安打で出塁すると、続く場面では二盗に成功。「データ的にいけるタイムだった」「“行かない”という選択肢は自分のなかで消している」と話し大舞台でも迷いのなさを発揮した。
圧巻は8回の打席。均衡を破るタイムリーエラーの後、二死1、2塁で周東選手に打席が回ると「とにかくランナーを返したいと思った結果」と振り返る打球は、そのままスタンドへ。
「(球種は)たぶん真っ直ぐ。打った瞬間入ると思いました。でも、自分でも何が起こったのかわからなかったので、嬉しいというよりびっくりしながら一周回っていました。ホームラン打ったときの(“お茶点てポーズ”の)やり方もわからなくて。ベンチが喜んでいるのが見えたので、早く帰りたいなと思いながら走っていました」
そう振り返る一打は、打撃の進化を証明するものとなった。
足のスペシャリストとして名を馳せる周東選手だが葛藤もある。
「スタート切るのはやっぱり怖いですし、自分のアウト1つが負けゲームになるということもあると思うので、代表での経験を重ねるほど恐怖心は増しています」
そのプレッシャーを払拭できるのは日々の積み重ねだけだ。「この3年間の取り組みは間違っていなかった」と語る言葉には、走塁だけでなく打撃や守備でも貢献できる選手へと成長を遂げた自信が滲む。
チームはいよいよ準々決勝の地、マイアミへと移動する。前回大会の準決勝で周東選手がサヨナラのホームを踏んだあの場所だ。
「自分自身の成績はどうでもいい。チームが世界一になるために、その場その場で精一杯を出し切るだけです。アメリカはいい思い出しかない場所。今回もまた、最高の思い出を作れるようにやっていきたいです」
取材・文 海老原悠
