打率ランキングに名前が無くても...... 規定打席未到達ながら好成績を残した選手たち

パ・リーグ インサイト

2023.1.17(火) 08:00

牧原大成選手(左)と安田尚憲選手(右)(C)パーソル パ・リーグTV
牧原大成選手(左)と安田尚憲選手(右)(C)パーソル パ・リーグTV

 規定打席数。「試合数×3.1」で算出されるこの数字は、レギュラー定着の証として扱われることも多い。2022年のパ・リーグで、規定である443打席に到達した野手は21人のみだが、規定打席に未到達でも、レギュラー選手に匹敵する存在感を見せた選手も。そこで今回は、300打席〜442打席の範囲で好成績を残した7選手をピックアップした。

規定打席まであと一桁打席。牧原大成は3割越えの高打率をマーク

 まず紹介するのは、わずかに規定未満の打席数に終わるも、多くの項目でキャリアハイを更新した2選手だ。福岡ソフトバンク・牧原大成選手は443打席まであと「2」、千葉ロッテ・安田尚憲選手はあと「3」届かなかった。

 内外野を問わず華麗な守備が魅力の牧原大選手。2022年も一塁手以外の内野と外野の両方を守りつつ、打撃でもアピールを続けた。5月には月間打率.453と驚異的な数字も記録している。7月に一度調子を落としたが、翌月には復調して快音を連発し、自身初となる100安打に到達。リーグ3位に相当する.301という高打率も残すなど、大きく飛躍するシーズンとなった。引退した明石健志選手が背負った「8」に背番号を替えて挑む本年は、どのような活躍を見せてくれるだろうか。

 一方の安田選手は開幕一軍を逃すなど、シーズン序盤は苦しい時期もあった。しかし、8月以降は打率.289と好調で、シーズン通しても.263という打率を記録。守備面では三塁手として115試合を守り、攻守両面からチームを支えた。昨季は8本塁打、今季は9本塁打ときているため、プロ入り後初となる2桁本塁打にも期待したいところだ。

リーグ上位の長打力で魅せた山口航輝・万波中正

 続いては、ともに2桁本塁打を記録した山口航輝選手と万波中正選手。打撃の確実性にやや課題を残しているが、長距離砲として今後が楽しみになる成績を残している。

 山口選手は、一軍デビューを果たした2021年から着実に数字を伸ばした。中でも、16本塁打はチーム1位、リーグ6位の数字。57打点も中村奨吾選手に次ぐチーム2位と、主軸として活躍した。今シーズンは2年ぶりの開幕スタメン、さらには不動のレギュラーの座をつかみ取りたい。

 前年の49試合のおよそ2倍となる100試合に出場した万波選手は、こちらもチーム2位タイとなる14本塁打を放った。一方、打率は.203にとどまり、シーズン終盤は二軍で過ごすこととに。得点圏打率.288を記録した勝負強さも武器に打撃に磨きをかけ、新球場の幕開けとともに飛躍の一年となるか。

ルーキー・上川畑大悟らも300打席越え

 埼玉西武・愛斗選手は、自身初の開幕スタメンを勝ち取るなど121試合に出場。主に右翼手、中堅手のポジションに就いた。打率も前年の.219から大きく向上させており、確かな成長が感じられる。また、9盗塁と走塁面でも存在感を示した。今季も着実にレベルアップし、さらにキャリアハイ更新といきたい。

 愛斗選手と同級生である福岡ソフトバンク・柳町達選手も、主力選手にケガが相次いだこともあり、左翼手のレギュラーとして活躍した。2023年の外野陣は、故障から復帰する上林誠知選手と栗原陵矢選手、新加入の近藤健介選手らを加えた激しい争いが予想される。持ち前の打撃力を生かして勝ち残れるか。

 北海道日本ハムの2021年ドラフト9位・上川畑大悟選手は、5月に一軍昇格を果たすと、プロ初出場の試合でいきなり初安打&初盗塁を記録。9月にはサヨナラ打も放つなど、印象的な場面での活躍が光った。さらに遊撃手として71試合で.993という高い守備率が示すように、安定感のある守備も魅力だ。プロ2年目となる2023年も、チームを救う活躍を見せたい。

 どの選手も、規定打席に到達すれば自身初の快挙となる。キャンプインが迫る2023年シーズンでは、昨季からさらにレベルアップし、規定打席数の壁を破ることに期待したい。

文・吉村穂乃香

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