上沢直之、加藤貴之、伊藤大海ら先発陣が奮闘。中継ぎに新たな星も【北海道日本ハム2022シーズンレビュー:投手編】

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FIGHTERS Season Review 2022(C)PLM
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 北海道日本ハムは、BIGBOSSの新体制のもと、若手中心のチームづくりでチームの再構築を図ってきた。既存の常識にとらわれない選手起用で、球界からは大注目。6位という成績に終わったが、そのインパクトは強いものとなった。

 本記事では投手編、野手編に分け、北海道日本ハムの2022シーズンを振り返っていく。

球界が驚いた“開幕投手・北山亘基”

 BIGBOSS初陣を迎えるにあたり、開幕投手には注目が集まった。そしてBIGBOSSの口から発せられた名前は、ドラフト8位ルーキー・北山亘基投手。迎えた3月25日、勝利にこそ結びつかなかったが、北山投手は2回無失点の好投を披露。以降はクローザーやリリーフに徹し、終わってみればチームトップの55登板を果たして見せた。北海道日本ハムに入団したからこその活躍。チームの次世代を背負って立つ投手となれるか。

伊藤大海は入団から2年連続2桁白星。来季の起用法に注目

 ルーキーイヤーの昨季は2桁勝利で新人特別賞に輝くなど、一躍チームを代表する投手となった伊藤大海投手。今季は開幕から2度の先発登板で連敗を喫してしまうも、その後は自身3連勝と立て直す。シーズン終盤には勝ち星に恵まれず、最多勝争いからは脱落してしまったが、球団では34年ぶり(87〜88年・西崎幸広氏)の新人から2年連続2桁勝利を達成した。

 新球場で迎える来季、北海道日本ハムの投手陣の中核となることは間違いないが、その起用法は不確定だ。BIGBOSSは今季の終盤にかけて、伊藤投手を「クローザー」として起用することを示唆。実際9月26日の東北楽天戦では、9回のマウンドに上がりセーブも挙げている。今季はクローザーが定まらなかった課題もあり、上位進出へ“エース”に白羽の矢が立つか。

若手中心のチームを支える左右の先発

 若手の積極起用を掲げるチームを、プレーでも精神的にも支えているのは加藤貴之投手と上沢直之投手だろう。両投手はともに規定投球回をクリアした。

 加藤投手は2度の完封勝利(完投は3度)をマークするなど安定感が光り、防御率もリーグ3位の2.01といずれもキャリアハイの成績。与四球も「11」と、規定投球回をクリアした投手の最少与四球記録を更新してみせた。“新庄剛志監督”からは来季の開幕投手も任命されており、新球場の新たな扉を開ける投手となるだろう。

 上沢直之投手もチームをけん引する役割を果たした。5月には自身4連勝(4登板全てで7回2失点以下)を飾り、自身初となる「大樹生命月間MVP賞」も獲得。白星は8勝にとどまったが、「来季は1位を目指す」と宣言した新庄監督のもとで、絶対に欠かせないピースであることは間違いない。実績十分の両先発投手には、今季以上の活躍が課されることだろう。

ノーノー達成も。助っ人陣の活躍を振り返る

 8月27日、ポンセ投手がノーヒットノーランを達成。チームでは27年ぶり(95年西崎氏)の快挙で、来日1年目にして日本球界への適応能力の高さを示した。しかしこの勝利が今季最終白星に。ノーノーの快挙を達成した投手に3勝は物足りない。来季は調子の波を小さくし、規定投球回到達を目指す。他にも今季15試合に登板し、防御率1.08という安定感を示した左腕のメネズ投手にも注目。シーズン終盤には先発で白星も挙げており、スターターの可能性も示している。

吉田輝星が大きく飛躍。堀瑞輝は4年連続40試合登板

 投手陣の中で大きく成長した若手として挙げられるのは、吉田輝星投手だろう。吉田投手は4年目の今季、チーム2位の51試合に登板し2勝3敗、防御率4.26の成績を残した。これまでの最多登板が20年の5試合だったことからして、BIGBOSS流の起用に応えた選手の筆頭と言える。堀瑞輝投手は防御率こそ落としたものの、4年連続で40試合以上登板。左右のタイプが異なる若手リリーフ陣が、来季のブルペンを支えていくことになりそうだ。

二刀流再び? 新球場で迎える来季に注目

 いよいよ来年の3月30日、「ES CON FIELD HOKKAIDO」にて戦いの幕が開ける。ドラフト会議では、1位で “二刀流” を目指す矢澤宏太投手を獲得。BIGBOSSが就任時に語った「投手3人のタレント」を育てるべく、続々と役者が集まってきている。若手の台頭やポテンシャルは高いだけに、上位を狙うには各投手が今季以上の成績を残していくことが必須となるだろう。新生・北海道日本ハムが見せる来季の戦いに要注目だ。

文・小野寺穂高

北海道日本ハム2022シーズンレビュー:野手編
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