【Monday パ】「本塁打を打たれにくい」2投手と攻略したパの打者 〜Sep. 4th week〜

パ・リーグ インサイト

2022.9.26(月) 19:00

左から山本由伸投手、山川穂高選手、伊藤大海投手(C)パーソル パ・リーグTV
左から山本由伸投手、山川穂高選手、伊藤大海投手(C)パーソル パ・リーグTV

「Monday パ」では、一軍公式戦が行われないことの多い月曜日でも、皆さまにパ・リーグを楽しんでもらえるよう、パ・リーグの旬な情報を配信しています。毎月第○月曜日の数字にちなんでピックアップした情報をお届けします。各週毎のテーマは以下の通り。

第1月曜日・・・「初」記録特集
第2月曜日・・・「二」軍のネクストブレイク選手を特集
第3月曜日・・・気分爽快! 奪「三」振特集
第4月曜日・・・豪快な一撃! ホームラン特集
第5月曜日・・・ 5、8、10月限定の番外編! 内容はお楽しみに

 9月第4月曜日の今日は、本塁打に関するトピックを特集。「投高打低」と言われる今季ですが、その影響と思われる数字は“被本塁打率”にも現れています。そこで今回は被本塁打率が低い投手を比較するとともに、彼らから本塁打を放っている打者にも焦点を当てていきましょう。

被本塁打率の低さは昨季の山本由伸超え。「投高打低」も影響か

 まずは投手側サイドから“被本塁打率”をまとめていく。被本塁打率とは、投手が9イニングを投げた際の被本塁打数を表したもので、計算式は「(被本塁打数)÷(投球回)×9」となる。

 今回は先発投手にフォーカスし、規定投球回に到達している投手を対象とする。すると、ここまで被本塁打率が低いトップ3の投手は、山本由伸投手(0.290)、伊藤大海投手(0.293)、高橋光成投手(0.426)。やはり注目すべきは“0.3”を下回る山本投手と伊藤投手だろう。

 被本塁打率が“0.3”を下回る、ということは10試合完投(90イニング投球)したとしても、浴びる本塁打の数は「3本以下」ということだ。18勝を挙げ、沢村賞を獲得した山本投手の昨季の被本塁打率が“0.325”だったことからしても「被本塁打率が0.3以下」であることの凄さが伝わるだろう。

 山本投手の被本塁打は6本、伊藤投手の被本塁打は5本となれば、一体その“レア”なホームランは誰が打ったというのだろうか。

パの本塁打キングが逃さなかった、パのエースの“失投”

 まずは8月26日に行われたオリックス対埼玉西武の一戦で、山川選手が山本投手から放った一発を振り返りたい。

 オリックスが1点リードで迎えた7回表、この回先頭の山川選手は直近で本塁打が生まれておらず、この試合も2打席連続で三振を喫していた。1点差で回の先頭、山本投手からすれば「本塁打だけが許されない場面」。低めの投球を徹底し、3球でカウントを1-2と整える。

 しかし、ここで山川選手の実力が光る。丁寧に投じられる低めのボール球には反応せず、カウントを3-2まで持っていく。山本投手が投じた7球目の真っすぐはわずかに浮き、パの本塁打キングは見逃すはずもない。打球はレフトスタンドへ突き刺さる、同点弾となった。

積極性が勝った “若手対決”

 次は伊藤大海投手が東北楽天・小郷裕哉選手から浴びた一発を振り返る。

 9月2日の東北楽天対北海道日本ハムの一戦。0対0で迎えた3回裏、打席には今季4度目のスタメン出場となった小郷選手には、“勢い”があった。初球から積極的にスイングしファール。その後カウントが3-1となってから迎えた5球目にも、“見逃す”という選択肢はなし。豪快に引っ張った打球は、そのままライトポール際へ消えていった。

 シーズンもいよいよ大詰めだが、この「本塁打を打たれにくい」投手たちが抑える姿、そしてその投手を攻略していく打者の姿も楽しみにしながら、試合を見ていきたい。

今週のパ・リーグ見どころ

 日程消化が順調に行けば、今週でパ・リーグ公式戦、ペナントレースの全日程が終了する。まず初めに、優勝争いの模様を振り返る。現在、優勝の可能性が残っているのは福岡ソフトバンク、オリックス、東北楽天の3チーム。首位・福岡ソフトバンクは優勝へのマジックを「5」にしているが、オリックスもゲーム差「0.5」で追いかけており、逆転の可能性も十分ある。

 一方、東北楽天は優勝のために全勝が必須条件だが、それは他2チームの敗戦も前提となってくるため、可能性は低くなってきたか。また、4位・埼玉西武とのゲーム差は「0」であり、プレーオフ進出をかけた熱い戦いも見ものだ。10月2日の日曜日、リーグ最終戦まで順位の変動はあり得るだけに、最後まで死力を尽くす選手の姿を目に焼き付けたい。

文・小野寺穂高

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