3月18日、ベネズエラの悲願の初優勝で幕を下ろした「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」。今年も勝敗にかかわらず、屈指のスラッガーたちによるホームランが大会を彩った。今大会で生まれた106本のうち、最も飛距離が出た本塁打トップ5を紹介していく。
※日時はいずれも日本時間。
MLBを代表するアーチスト&韓国の25歳主砲がランクイン
昨季、ナ・リーグの本塁打王争いを繰り広げた大谷翔平選手(日本)とカイル・シュワーバー選手(アメリカ)の2名が、427フィート(約130.2メートル)で5位タイに入った。
大谷選手が今大会放った3本塁打のうち、最長は15日・ベネズエラ戦での「先頭打者弾返し」だった。1回表、ベネズエラの1番ロナルド・アクーニャJr.選手が試合早々に先制弾を打ち、迎えたその裏の打席。相手先発のレンジャー・スアレス投手が投じた4球目を完ぺきに捉えると、打球は右中間スタンドへと吸い込まれていった。
ベンチを振り返りながらダイヤモンドを駆け出した大谷選手。球場の雰囲気を一気に変えてみせた。
なお、両チームの先頭打者弾が生まれたのはWBC史上初のこと。しかも、両者ともに2018年のMLB新人王と2023年のリーグMVPを獲得しており、歴史的なアーチ競演となっている。
シュワーバー選手は8日・イギリス戦、1対1で迎えた5回裏1死3塁から今大会初ホームランを放った。カウント2-1から内角のストレートを振り抜いた打球は、高々と舞い上がり、ダイキン・パークのライトスタンド上段へ。滞空時間の長い一発で、チームに勝ち越し点をもたらした。
同日は唯一、1番打者として出場し、2安打2打点を記録。ほか6試合では4番を務め、通算打率.320(25打数8安打)、OPS. 909と打線をけん引。昨季、本塁打と打点の二冠を獲得した強打者がその実力を見せつけた。
4位は、韓国のムン・ボギョン選手が5日・チェコ戦で打った一発だ。1回裏、イ・ジョンフ選手の安打と2四球で1死満塁といきなりチャンスをつくった韓国打線は、この絶好機で若き主砲に打席が回る。甘く入ったスライダーを見逃さずに強振すると、打球はあっという間に東京ドームのバックスクリーン横へ着弾。今大会初の満塁弾が428フィート(約130.5メートル)を記録した。
その後、7回裏の第4打席でもタイムリーを放ち、2安打5打点と初戦から躍動した。
3位にもムン選手の豪快弾がランクイン。それは、9日・オーストラリアとの1次ラウンド突破をかけた一戦で生まれた。
2回表、無死1塁からムン選手が放った打球は、右中間スタンドの最深部に飛び込んだ。この430フィート(約131.1メートル)の一発で勢いづいた韓国は7対2で勝利。2勝2敗で並んだチャイニーズ・タイペイ、オーストラリアを失点率で上回り、2009年以来となる準々決勝進出を果たした。
立役者となったムン選手は、5試合で2本の「ムーンショット」を含む11打点をマーク。フェルナンド・タティスJr.(ドミニカ共和国)と並ぶ大会トップの数字をたたき出している。
決勝戦では、MVP2度・オールスター8度のMLBを代表するスーパースターが、432フィート(約131.7メートル)の特大同点2ランを放った。
0対2で迎えた終盤の8回裏、2死1塁の場面。ブライス・ハーパー選手(アメリカ)は、ここまでの5試合で無失点リリーフを続けていたアンドレス・マチャド投手(ベネズエラ)の2球目を完ぺきに捉え、バックスクリーンへとたたき込んだ。
試合前時点では打率.167と不振に陥っていたハーパー選手だったが、決勝の舞台で待望の初本塁打。直後に再び勝ち越しを許し、ベネズエラに優勝を飾る形となったものの、多くの野球ファンの記憶に残る一発となったはずだ。
そして、今大会最も大きなホームランを放ったのは、オニール・クルーズ選手(ドミニカ共和国)だった。

450フィート(約137.2メートル)の本塁打が生まれたのは7日・ニカラグア戦。代打として登場した8回裏、1死2、3塁の場面で打った打球は、116.8マイル(約188キロメートル)という驚異的な速度でライトスタンド上段へ一直線。2024年から2年連続でMLBトップの打球速度を記録しているクルーズ選手らしいアーチとなった。
今大会では、クルーズ選手が2本塁打を放つなど、ドミニカ共和国がチーム計15本塁打をマーク。2009年にメキシコが記録した14本塁打を上回り、WBC史上最多を更新した。
世界の強打者が集う戦いならではの豪華なアーチ競演。2028年ロサンゼルスオリンピックなど次回以降の国際大会でも、“野球の華”がたくさん見られるか、早くも楽しみにしたい。
文・高橋優奈
