2023年のパ・リーグでは、埼玉西武・中村剛也選手の通算3500塁打や、福岡ソフトバンク・柳田悠岐選手の通算250本塁打など、球界を代表する選手たちが節目の記録を達成した。長きにわたって活躍し続けている証拠ともいえる、栄誉ある記録が今年も生まれそうだ。今回は、今季達成が見込まれる大記録をピックアップして紹介する。
東北楽天・浅村栄斗 通算2000安打まであと155
東北楽天の主砲・浅村栄斗選手は平成生まれのプロ野球選手として初、大阪桐蔭高OBとしても初の達成となる通算2000安打まであと155としている。
昨季自身2度目の本塁打王に輝くなど長距離砲のイメージが強い浅村選手だが、コンスタントに安打を量産できるところも持ち味だ。卓越した打力と強靭な体で着々と安打数を積み重ねてきた浅村選手。万全な状態で実力が発揮されれば、今季中の2000安打は十分に達成が期待できそうだ。
埼玉西武・栗山巧 通算400二塁打まであと1
続いては、“ミスターレオ”栗山巧選手の通算400二塁打。過去にNPBで達成したのはわずか14名で、通算400本塁打達成者よりも少ない記録だ。2008年に最多安打を獲得して以来、アベレージヒッターとして活躍し続け、安定して二塁打もマークしてきた。
昨季は出場機会の減少から、二塁打の数は17年ぶりに1桁にとどまったが、大記録まであと1本とリーチをかけている。チームの精神的支柱でもあるレジェンドは、シーズン序盤に記録を打ち立てるか。
福岡ソフトバンク・今宮健太 通算400犠打まであと30
今季はバントでも大記録が生まれそうだ。福岡ソフトバンク・今宮健太選手が通算400犠打まで残り30に迫っている。今宮選手は2013年、2014年と2年連続でパ・リーグ記録の62犠打をマーク。2020年には史上最年少で通算300犠打達成と、驚異的なペースで犠打を積み重ねてきた。
NPB史上3名しか達成していない大台の400犠打も、今宮選手にとっては通過点。近年は役割の変化とともに犠打数が減少しているが、今後どこまで記録を伸ばしていくだろうか。
千葉ロッテ・益田直也 通算250セーブまであと32
千葉ロッテの守護神・益田直也投手は、ルーキーイヤーの2012年に登板数(72)・ホールド数(41)で新人最多記録を樹立し、新人王を受賞。以来マリーンズのブルペンを支え続けている鉄腕だ。
2019年からクローザーに定着すると、2021年には38セーブを挙げて最多セーブのタイトルを獲得。今季もリーグ2位の36セーブを記録し、通算250セーブを射程圏内に捉えている。金字塔を打ち立てるため万全のコンディションで臨みたい。
東北楽天・岸孝之 通算2500投球回まであと72.1
大ベテランながら、一線級の活躍を続ける東北楽天の岸孝之投手が、通算2500投球回到達へ残り72.1回としている。ここまで17年間のキャリアで平均143投球回をマークしており、パ・リーグを代表する本格派右腕として安定した成績を残してきた。
東北楽天に移籍して2年目の2018年には、自身初となる最優秀防御率に輝き、39歳を迎えた昨季も防御率3.07、チームトップの9勝と衰え知らずの好成績を残した。今季も調子を維持すれば、通算2500投球回は十分到達可能だ。残り「12」と迫っている通算170勝にも期待したい。
東北楽天・田中将大 日米通算200勝まであと3
最後は、史上3人目の日米通算200勝へ残り3勝としている東北楽天・田中将大投手だ。2度の沢村賞を獲得し、2013年には24勝0敗の大記録で球団初の日本一に貢献。MLBでも名門・ヤンキースに所属し、7年間で計78勝を挙げた。
2021年にNPBへ復帰してからは勝ち星に恵まれず、昨年は自己ワーストの成績に落ち込んでしまったが、まだまだ老け込む年齢ではない。本来のピッチングを取り戻し、現役投手では達成者不在の日米通算200勝を成し遂げてほしい。
そのほか、オリックス・平野佳寿投手がNPB通算250セーブまであと8、北海道日本ハム・宮西尚生投手は通算400ホールドまであと7に迫っている。どの大記録が今年中に見られるのか。早くも開幕が楽しみだ。
文・村井幸太郎
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