歴代最多の350ホールドに到達した北の鉄腕。宮西尚生の“すごさ”に迫る

2020.8.21(金) 09:00 パ・リーグ インサイト 望月遼太
ファイターズ・宮西尚生 NPB史上初となるプロ通算350ホールド達成!! 2020/8/12 M-F(C)パーソル パ・リーグTV

通算350ホールドの大台に到達した投手は現在に至るまでただ一人

 通算350ホールドの大台に到達した投手は球史を見渡しても唯一無二。北海道日本ハムの宮西尚生投手は、中継ぎ投手として傑出した数字を残し続けている稀有な存在といえる。もちろん、実力無くしてこれらの大記録が成し遂げられたわけではない。長年にわたって活躍を続けられていることには、それ相応の理由がある。
 今回は、宮西投手が残してきた数字や過去の投球データ(2019年シーズン終了時点)、実際の配球といった要素から、どのような点において優れているのか分析。その足跡や特長を探っていくとともに、宮西投手が持つ「すごさ」に迫っていく。

プロ入りから12年連続で50試合以上に登板

 宮西投手は大卒1年目の2008年から50試合に登板してブルペンの一角に定着すると、その後は左のリリーフとしてチームに欠かせない存在へと成長し、現在に至るまで毎年フル回転を続けている。その貢献度と安定性は数字にも表れており、プロ入り以来12年連続で50試合以上に登板というパ・リーグ記録を継続中だ。この記録は岩瀬仁紀氏(元中日)の15年連続に続く、史上2番目の長さとなっている。

与四球の少なさ

 1人の走者が局面を大きく変える試合終盤を託されることが多いリリーフ投手にとって、「制球力」の優劣も重要な評価対象の一つとなりうる。もちろん、左の中継ぎの代表格である宮西投手も、優れたコントロールを持ち合わせた投手のうちの一人だ。
 宮西投手は、9イニングを投げた際に与えると仮定される四球の数を示す「与四球率」の現役通算の値が2.795(2019シーズン終了時点)と、単純計算で3イニングに1個未満という数字を維持している。複数の四球で走者をためて大崩れする可能性が低いという点も、宮西投手が安定した投球を続けられる理...

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