宮西尚生~前人未到の350ホールドを達成。少ない球種で打者を打ち取る鉄腕サウスポー~(北海道日本ハムファイターズ)【インサイト的選手名鑑】
パ・リーグ インサイト 望月遼太
2020.2.27(木) 20:00
宮西尚生(みやにし・なおき)/投手
#25/1985年6月2日生まれ
180cm・81kg/左投左打
兵庫・市立尼崎高校から関西学院大学を経て、2007年の大学生・社会人ドラフト3巡目で入団した。スリークォーターから投じるキレのあるストレートとスライダーは、左打者だけでなく右打者に対しても威力を発揮。左封じから1イニングを投げ切るセットアッパーまで、試合展開によって幅広い役割に柔軟に対応しながらチームを支え続ける鉄腕だ。
入団1年目の2008年から50試合に登板して早くも一軍に定着し、その後も貴重な左腕として北海道日本ハムのブルペンを支え続ける存在に。2020年終了時点でプロ入り以来13年連続で50試合以上に登板というパ・リーグ記録を持ち、通算防御率も2.32。チームにとっては毎年安定した数字が計算できる貴重な左腕として、決して欠かすことのできない存在となっている。
2016年、2018年そして2019年と3度の最優秀中継ぎにも輝き、3度のリーグ優勝と1度の日本一にも主力として大きく貢献。2018年には山口鉄也氏(元巨人)が保持していた通算273ホールドの日本記録を塗り替え、2019年4月13日には前人未到の通算300ホールドを達成した。球史にその名を残した宮西投手のことを「中継ぎ左腕として史上最も成功した投手のひとり」と形容しても、決して大袈裟な表現とはならないはずだ。
2020年も50試合に登板し、防御率2.05と安定した投球でチーム最多タイの21ホールドを記録。シーズン終盤に最終回を任される機会もあり、8セーブを挙げた。7月29日に史上17人目の700試合登板を達成すると、8月19日には通算350ホールドに到達。2021年も救援の中心的存在として、自身の持つ記録を塗り替え続ける。
【2020年一軍成績】
50試合2勝1敗21H8S 48.1回 53奪三振、防御率2.05 WHIP1.16
(2021/1/17追記)
文・望月遼太
宮西投手をもっと知るために。パ・リーグインサイトの過去の記事
・北海道日本ハム・宮西、11年連続50試合登板達成で感じる中日岩瀬の凄さ「大きな存在」
日本球界史上初の通算1000登板という偉業を達成して、惜しまれながら現役を引退した岩瀬仁紀氏は、プロ入りから15年連続50試合登板というNPB記録も保持している。パ・リーグ記録となる12年連続50試合登板を成し遂げた宮西投手だからこそ、岩瀬投手の記録がどれだけ偉大なのかを肌で感じる部分もあるようだ。
・「純粋のセットアッパー」 北海道日本ハム宮西が築いた300ホールドの金字塔
プロ生活を通じて先発としての登板は1度もなく、セーブ数もわずかに3。通算300ホールドという史上初の快挙を達成した宮西投手は、まさに「中継ぎのスペシャリスト」という呼び名がふさわしい存在と言えるだろう。
・「貴重な左腕」と評される左腕投手の割合は? 重要度、貢献度を今一度考える
2016年6月当時の記事ではあるが、チームにとって頼れる左腕投手の存在が重要であることは2019年現在においても変わらない。長年にわたって安定した成績を残し続けている宮西投手が北海道日本ハムにとってどれだけ貴重な存在であるかは、積み上げてきた登板数とホールド数を見れば一目瞭然だろう。
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