2023年シーズン途中、セ・リーグとパ・リーグ間で計4回、5選手のトレードが成立した。セ・リーグから加入した5選手の紹介と、新天地での活躍を振り返る。
廣岡大志選手は巨人からオリックスに加入した高卒8年目。2021年3月にもトレードで東京ヤクルトから巨人へ移籍しており、今回で2回目となる。内外野を守るユーティリティプレーヤーで、プロ初打席が初本塁打という鮮烈なデビューを飾るなど、パンチ力が魅力の選手だ。
5月24日の東北楽天戦で移籍後初安打を記録すると、28日の埼玉西武戦では平良海馬投手から移籍後初本塁打を放った。シーズン中は一軍定着とまではいかなかったが、内外野で好プレー、高い走塁技術を生かして代走で活躍。そして、10月29日に行われた「SMBC日本シリーズ2023」第2戦では9番・左翼でスタメンに抜てきされ、2安打1打点と結果を残した。
2023年成績:44試合 90打数 18安打 1本塁打 9打点 打率.200
北海道日本ハムに加入した郡司裕也選手は捕手登録ながら、中日在籍時は持ち味のバッティングを買われ、一塁手や外野手としても出場していた。北海道日本ハムでは主に指名打者として出場。新天地で打撃を開花させた。
北海道日本ハム移籍後は初めてづくしだった。6月30日のオリックス戦で移籍後初安打、7月2日のオリックス戦では、プロ初の猛打賞でお立ち台デビュー。初々しさ満点のヒーローインタビューは印象的だろう。さらに、7月4日の福岡ソフトバンク戦でプロ初本塁打を記録。シーズン終盤には二塁手に初挑戦するなど、濃いシーズンを送った。
2023年成績:55試合 169打数 43安打 3本塁打 19打点 打率.254
郡司選手と共に中日から北海道日本ハムに加入した山本拓実投手。身長は167cmと小柄だが、直球を武器とする力強い投球が持ち味だ。
6月30日のオリックス戦で移籍後初登板し、最速152km/h、1回1安打無失点に抑える。7月9日には郡司選手とバッテリーを組み、移籍後初先発で2回をパーフェクトに抑えた。以降は中継ぎとしてブルペンを支え、キャリアハイを更新する40試合に登板した。
2023成績:26試合 3ホールド 防御率1.50
石川慎吾選手は巨人から千葉ロッテに移籍し、7年ぶりにパ・リーグへ。7月6日の埼玉西武戦で移籍後初出場。代打起用に応えて安打を放った。そして、29日の福岡ソフトバンク戦では移籍後初アーチと、強いインパクトを残してきた。
特に、パーソル CS パ出場へ負けられない試合が続いた終盤戦、サヨナラ打を放った9月30日の埼玉西武戦は記憶に新しい。勝負強さと左キラーの本領を十分に発揮し、千葉ロッテに欠かせない戦力となった。
2023年成績:44試合 112打数 39安打 2本塁打 10打点 打率.348
中日から埼玉西武に加入した高松渡選手は俊足が自慢の内野手だ。2021年に自己最多の78試合に出場し、チーム2位の15盗塁を記録した。
埼玉西武の今季のチームスローガンは「走魂」。自身の持ち味にぴったりのチームへ加入した高松選手は、10月1日の千葉ロッテ戦で移籍後初盗塁を決めたが、今季の一軍出場は2試合にとどまった。来季はチャンスをつかみ取りたい。
2023年一軍成績:2試合 1打数 0安打 1盗塁
2023年二軍成績:28試合 30打数 6安打 4盗塁 打率.200
関連リンク
・2023年にユーティリティとして活躍した選手の顔ぶれ
・山本拓実と郡司裕也が飛躍を果たした理由
・トレード移籍の石川慎吾が期待される役割とは
記事提供: