高橋光成~師と同じく“ノーノー未遂”も。栄光の背番号を受け継いだ大器~(埼玉西武ライオンズ)【インサイト的選手名鑑】
パ・リーグ インサイト 望月遼太
2019.6.7(金) 16:45
高橋光成(たかはし・こうな)/投手
#13/1997年2月3日生まれ
190cm・105kg/右投右打
群馬・前橋育英高校から、2014年のドラフト1位で埼玉西武に入団。長身から繰り出される角度のある速球に加え、フォーク、縦・横のスライダーといった球種を持つ本格派だ。2018年のシーズン終了後、師と仰ぐ西口文也投手コーチの現役時代の背番号「13」を受け継ぎ、埼玉西武の次期エース候補として大きな期待を背負っている。
高校時代は甲子園のスターだった。2013年夏、2年生エースとして母校を甲子園初出場・初優勝に導き、全国にその名をとどろかせた。そして高卒でプロ入りすると、1年目の2015年の8月2日にプロ初登板、同9日のオリックス戦で初勝利。そこから破竹の5連勝を飾る。同23日の千葉ロッテ戦では完封勝利も記録するなど、18歳の若者とは思えない圧巻のピッチングを見せた。デビューから1カ月時点で4勝1敗、防御率2.96という成績で、パ・リーグ高卒新人史上3人目&両リーグ史上最年少(18才6カ月)となる月間MVPに輝く。
その後数年はケガに悩まされたが、背番号「13」となった2019年は開幕ローテーション入りを果たし、5月には5連勝するなど前半戦で7勝を挙げた。初選出となったオールスターではまさかの大炎上を喫したものの、その後の後半戦で3勝を挙げ自身初の2桁勝利を達成した。しかし9月にケガのため離脱、1年を通してローテーションを守りきれなかった。
2020年は主に火曜日のカード頭を任され、夏場にかけて調子を崩しながらも1年を通して20試合に先発。自身初の規定投球回に到達しチームトップの8勝を挙げ、防御率3.74と充実したシーズンとなった。特に9月には1日の千葉ロッテ戦で7回途中まで、8日のオリックス戦では9回途中までノーノー投球を披露。8日は大記録こそ目前で逃したものの、4年ぶりの完封勝利を収めた。オフには球速アップをテーマにトレーニング。2021年は開幕投手の最有力候補でもあり、次期エースとしてさらに成長した姿に注目したい。
【2020年一軍成績】
20試合8勝8敗 120.1回 100奪三振、防御率3.74 WHIP1.20
(2021/1/12追記)
文・望月遼太
高橋光成投手をもっとよく知るために。パ・リーグインサイトの過去の記事
・「もがきながらも、着実に歩みを進める未来のエース」~埼玉西武・高橋光成投手インタビュー
高卒2年目のシーズンを目前に控えて、ルーキーイヤーのエピソードや直面した課題を明かしながら目標を語っている。
・埼玉西武高橋光が300万円減もエース番号継承「恥じないようにやっていきたい」
西口コーチ本人からも「ぜひ着けて欲しい」ということで背番号を受け継いだが、その期待の大きさを感じる記事。
・埼玉西武高橋光、肉体改造で7キロ増の体重105キロに!雄星との自主トレも「自信に」
2018年のオフには菊池雄星投手(現シアトル・マリナーズ)と自主トレに励んだ。ウェイト中心のトレーニングで体重も増加。その成果が2019年、そして2020年シーズンに表れていると言っていいだろう。
・埼玉西武・高橋光、2週連続でノーノー逃し苦笑い「イケるんじゃないかと…」
9月8日、9回無死で大記録を逃した高橋投手。その直前には同じく背番号「13」を背負い、2度にわたり9回2死までノーヒット投球をした経験がある西口コーチに「ツーアウトまでいけ!」と声をかけられたという。ヒットこそ許したが、4年ぶりの完封勝利を飾った。
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