新庄剛志監督の続投4年目。昨季大躍進を遂げ、大きな期待がかかっていた北海道日本ハムファイターズは、83勝57敗3分、勝率.593と2年連続の2位で2025シーズンを終えた。本記事では、北海道日本ハム投手陣の2025シーズンを振り返っていく。
エース伊藤大海が今季も活躍。リーグ最多の6完投で5年連続規定到達
プロ5年目の伊藤大海投手は、ともにリーグ最多の27試合先発登板、22試合でQSを記録し、5年連続で規定投球回に到達。4月8日の東北楽天戦で今季初完投を果たすと、5月13日のオリックス戦まで5連勝をマークし、序盤から好投を続けた。
7月19日の東北楽天戦で両リーグ最速の10勝目に到達するなど、シーズン後中盤になっても勢いは衰えず。「2025 パーソル CS パ」ファイナルステージ第3戦では8回116球5安打1四球111奪三振無失点の快投で、崖っぷちのチームを救った。結果的には14勝8敗、防御率2.52、6完投1完封、195奪三振で最多勝利投手賞（2年連続2度目）と最多三振奪取投手賞（初受賞）を獲得。また、沢村栄治賞と三井ゴールデン・グラブ賞も初受賞し、エースの名にふさわしい投球を披露した。
北山亘基はシーズン途中に背番号変更
北山亘基投手は、先発としてキャリアハイの22試合に登板し、9勝5敗、防御率1.63、4完投を記録。8月4日には背番号「57」から「15」に変更されると、6日の登板では8回2安打無失点と好投した。
以降も好調を維持し、「2025 パーソル CS パ」ファイナルステージ第4戦では、7回106球8安打3失点の力投でCS初白星を挙げた。11月に行われた「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025」にも選出され、2回1安打無失点とアピール。さらなる活躍に期待したい。
達孝太や福島蓮も先発ローテーションとして奮闘
今季ブレイクを果たしたのは、達孝太投手だ。5月4日・埼玉西武戦で6回4安打1失点をマークし、今季初登板初勝利を果たすと、以降も好投を続け、デビューから無傷の7連勝。オールスターにも初選出され、初セーブも記録した。結果的に16試合に登板し、8勝2敗、防御率2.09、3完投1完封と大躍進の1年となった。
開幕を二軍スタートで迎えた福島蓮投手は、7月13日のオリックス戦で一軍今季初登板初勝利。今季2登板目となった8月14日の千葉ロッテ戦で7回7安打2失点の好投を見せると、以降はローテーションの一角を担い、8試合で5勝0敗、防御率2.25の成績を残した。「2025 パーソル CS パ」ファイナルステージ第2戦では、7.1回でキャリアハイの10奪三振を記録。大舞台で大きな存在感を放った。
金村尚真は開幕完封も、シーズン中盤からリリーフに転向
金村尚真投手は、自身初の開幕投手に抜てき。9回105球6安打1四球4奪三振無失点で初完投初完封を記録し、起用に応えた。以降も11試合に先発として登板し、4完投3完封と力投。しかし、6月、7月は月間防御率6点台と状態が上がらず。二軍調整を経て、8月5日の埼玉西武戦からリリーフに転向すると、月間防御率1.64、3ホールドをマーク。来季はどのような起用になるのか注目だ。
上原健太、齋藤友貴哉らリリーフ陣も活躍
上原健太投手は今季リリーフとして27試合に登板し、3勝1敗、防御率1.11、13ホールド、1セーブの好成績を残した。9月2日の千葉ロッテ戦では、8回裏2死1、2塁のピンチをしのぐと、9回裏も無失点に抑え、プロ初セーブをマーク。昨季は一軍で7登板にとどまっていたが、リリーフとして再ブレイクを果たした。
齋藤友貴哉投手はキャリアハイの47登板で、防御率1.35をマーク。7月、8月は計18試合に登板し、防御率0.00と尻上がりに状態を上げていった。また、9月13日の埼玉西武戦では、自己最速の161km/hを記録するなど、来季の好投にも期待がかかる。
柳川大晟投手も、キャリアハイの37試合に登板し、2勝1敗、防御率1.02、7ホールド11セーブの好成績を残した。7月19日から21日にかけての東北楽天3連戦では、自身初の3連投で3日連続3者凡退。3試合連続セーブをマーク。9月に腰の違和感で登録抹消となったが、チームの勝利に大きく貢献した。
期待のかかる2026シーズン。さらなる飛躍なるか
2年連続最下位から、2年連続2位と今季も健闘した北海道日本ハム。先発では山崎福也投手や加藤貴之投手、リリーフ陣では田中正義投手や玉井大翔投手の活躍も光った。新庄剛志監督は来季で監督就任5年目に突入する。2016年以来のリーグ優勝へ、来季はどのような戦いを繰り広げるか。
文・薗田陽和
