10月20日、接戦を制した福岡ソフトバンクが対戦成績を4勝3敗(アドバンテージ1勝含む)とし、「2025 パーソル クライマックスシリーズ パ」優勝を飾った。試合後に行われた優勝記者会見には、小久保裕紀監督、柳町達選手、モイネロ投手が登壇。以下、小久保監督の一問一答。
ーーパーソル CS パを乗り越えた今の気持ち
「正直ホッとしていますね。2連勝でその後3連敗、その負け方が昨年の日本シリーズに似ている形で、何とか違う手を打とうと考えて、今日本当にモイネロがよく投げてくれた。今日勝つ負けるでは天と地の差がありますので、正直ホッとしています」
ーー勝利の瞬間に大きく息を吐いた。この勝利はこれまでとは違うものがあったか
「後がなくなり、今日はベンチも絶対負けられないというような雰囲気のなかでゲームがスタートして、1点をしっかり守り切った。北海道日本ハム打線の状態が1戦目から良く、2戦目も有原がマウンドに上がって0でしたが、ほとんど塁をにぎわしたのは北海道日本ハムだった。ほぼほぼ押されっぱなしのシリーズという感じだったので、その打線を食い止めたモイネロはすごいなとあらためて思いました」
ーー試合前に選手に何か言葉をかけたか
「今日はかけましたね。今日でどっちか決まるというなかで、我々首脳陣は選手を信じ切って送り出すことしかできない。それは100%信じ切って送り出す。ファンの方々も選手たちを信じ切ってあれだけの声援を送ってくれる。一番大事なのは自分自身が100%信じ切ってるかということ。
それをあと30分で、1%、2%でも不安・疑念・迷いがあるなら頭から消し去れと。100%信じ切った状態で18時を迎えて、試合が始まった後は今年1年間言っていた『play happy』。楽しむ。自分が持っているものを出し切る、それしかないので。試合に入るまでに自分自身を100%信じてくれと話しました」
ーーオーダーを決めるうえで悩んだこと・狙いは
「だいたいバッティングコーチに打順を提案してもらうのですが、今日に関しては僕が決めると。昨日家に帰って最初に書いたオーダーで。その後、迷って2通り出ましたが、それは消しました。(消したオーダーは)柳田(悠岐)1番も考えましたし、いろいろ考えましたけど、だいたい迷って出した答えは当たらないので、最初に書いたものに決めて選手たちに伝えました」
ーー2番に起用した川瀬晃選手の決勝タイムリー
「今年はケガ人が多く、そのなかで彼はいろいろな役割で1年間一軍に居続けた選手ですからね。そういう選手が最後いい場面で打ったというのは。彼の今年5月2日のサヨナラヒットもありましたけど、節目節目でいい活躍が目立ったシーズンだったんじゃないですか。ホークスになくてはならない存在になりましたね。替えの効かない、スーパーサブ以上の存在になりました」
ーー第6戦を任せたモイネロ投手は7回1失点
「後から本人が話すでしょうが、1戦目よりは状態が良かったと思います。中4日で心配しましたが、初回のボールを見たときに今日はある程度いけると感じましたね」
ーー「手がつけられない」とも言っていたレイエス選手を完璧に抑えた
「それが勝因だったと思いますし、海野(隆司)がモイネロのいいところを引き出しながら、また松本(裕樹)、杉山(一樹)とね。最後の杉山のレイエスに対する攻めと郡司(裕也)に対する攻めは、海野の成長も感じた配球でしたね」
ーーシリーズ前には「心を揺さぶられるような試合をしたい」と話をしていた
「昨年はそういうふうに感じる間もなくストレートでファイナルステージを通過することができましたが、今年は流れ的には北海道日本ハム、という苦しい流れだったのでね。僕自身もですが、ファンの方も『なんとか勝ってくれ』という思いが伝わってきた声援でした。本当に感謝しています」
ーー短期決戦で特に大事にしてきた采配
「塁上をにぎわすという機会があまりなかったのですが、継投でいうと今日に関してはいいピッチャーから順番に使っていくという準備をしていました。モイネロが(7回まで)投げてくれて、8回松本でしたけど、シーズン中には絶対ない3回からでもいける準備もしていました。結果的にそういうふうに使うことはなかったですが、負けたら終わりの試合なので、それくらいの準備はしましたね」
ーー北海道日本ハムと五分の戦い。“新庄ファイターズ”はどういう存在か
「来年以降かなり強いと感じましたね。若い先発、パワーピッチャーの先発陣が充実していますし、選手たちも感じたと思いますが、打線の怖さ、層の厚さ。我々は日本シリーズに向けて頭を切り替えなければいけませんが、来シーズンに向けてという話になると、しっかりした対策を練らないと厳しい戦いになるなとすでに思います」
ーー新庄剛志監督にかける言葉
「試合前にもかけましたけど、本当に1年間ありがとうと。プロ野球全体、パ・リーグをしっかり盛り上げていこうという思い、根底は一緒だったと思うので。本当に五分の戦いで、楽しいシーズンだったということでお礼を言いました」
ーー日本シリーズで対戦する阪神のイメージ
「交流戦の戦いのイメージしかないので。後半戦はどういう戦いをしたかわからないんですけれども、ある程度レギュラー陣が固定。6番くらいまでは打順が変わらないというようなチームかなというイメージは持っている。後半戦はほとんど観ていないので。これからしっかり阪神も研究していきたいと思います」
ーー昨年とれなかった日本一をとりにいく日本シリーズ。どういう戦いをしたいか
「今年はパ・リーグの本拠地、みずほPayPayドームから始まるので、まずは初戦、2戦目と地の利を生かした戦いをして、いいスタートを切りたいですね」
ーーファンへのメッセージ
「今回のファイナルステージ、今日で決まるという6戦目までもつれたなかで、6試合本当に大きな声援をいただいて。選手たちも本当に力になるというのを感じたシリーズになったと思います。日本シリーズも引き続きそういう声を出してもらえるような戦いをしますので、またよろしくお願いします」
【会見一問一答】「不安・疑念・迷いがあるなら……」 小久保裕紀監督が試合前に選手にかけた言葉
パ・リーグ インサイト
2025.10.20(月) 23:00
