2年連続最下位からの巻き返しを狙う北海道日本ハム。このオフには積極的な戦力補強を敢行し、上位進出に向けてファンの期待も高まっている。今回は、昨季チームが抱えていた投打の課題を振り返り、その克服に貢献できる注目選手を紹介していく。
速球派投手が少なかった昨シーズン
昨季の北海道日本ハム投手陣は、ストレートの平均球速が先発・救援ともにリーグで最も低かった。これは加藤貴之投手や鈴木健矢投手など、球の速さよりも巧みな投球術を持ち味とする主力投手が多いことが関係しているだろう。球速が遅いことが必ずしもマイナスというわけではないが、他球団と比べて速球派の頭数が少なかったことは確かだ。
3年ぶり復帰の右腕や、新加入のパワーピッチャーたちに注目
そこで注目したいのが、3年ぶりにチームへ復帰したバーヘイゲン投手だ。150km/h台の力強い速球を武器に、2020年からの2シーズンで計13勝をマークした右腕。特にストレートは被打率1割台と優秀な成績を残していた。昨季はメジャーでリリーフを務めたが、今季は再び先発として調整しており、ローテーション入りが期待される。
また、新外国人のザバラ投手は春季キャンプの紅白戦でいきなり161km/hを計測。同じく新加入のマーフィー投手もメジャーで最速159km/hを記録した実績がある。そして速球派といえば、最速158km/hを誇るドラフト1位左腕・細野晴希投手の名前も挙がる。パワーピッチャーが続々と加わった今季の投手陣は、昨季までとはひと味違う印象を与えるだろう。
打線の課題は1・2番打者の出塁率
一方の打者陣では、上位打線の出塁能力が課題だった。昨季の北海道日本ハムは1・2番打者の出塁率が.285にとどまり、前年よりもリーグ平均との差が開いてしまった。1・2番合わせてチーム最多の63試合にスタメン出場した松本剛選手は出塁率.332をマークしたが、松本選手に続くバッターの台頭が待たれるところだ。
ボールゾーンスイング率で見る1・2番候補
昨季までは打順がなかなか定まらず、模索を続けてきた北海道日本ハム打線。八木裕打撃コーチは今季の打順について「ある程度固定する」方針を示している。ここでは上位打線の候補として、ボール球の見極めができる打者に注目したい。
昨季のボールゾーンスイング率のリーグ平均は31.1%で、チームでは石井一成選手や加藤豪将選手などが平均よりも優れた数字を残した。出塁率が目立たなかったのは、打率が1割台~2割台前半と低迷したためだ。彼らが打撃の安定感を高めて上位打線に定着できれば、好機で万波中正選手や清宮幸太郎選手といった中軸につなぐ流れをつくりやすくなる。
ほぼ全ての選手が一軍の舞台に立ってアピールを見せた22年、新球場でさまざまな経験を積んだ23年を経て、勝負をかける今シーズン。新庄剛志監督の胴上げを目指して、成長著しい若手と多数の新戦力が見せる活躍に期待したい。
※文章、表中の数字はすべて2023年シーズン終了時点
文・データスタジアム
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