2年連続の最下位に沈んだ北海道日本ハム。巻き返しを図る上で、1つのポイントとなっているのは先発投手陣の強化である。
オフシーズンには上沢直之投手がレイズへ移籍したが、オリックスからFA権を行使した山崎福也投手を獲得し、チームの左腕エースである加藤貴之投手も残留を表明した。そこで新戦力が加わった2024シーズンの北海道日本ハムの先発ローテーション候補を紹介しよう。
伊藤大海が開幕投手に内定。加藤貴之は残留し、山崎福也が新加入
先発陣の柱として期待されるのは、3月29日の開幕戦先発が内定している伊藤大海投手である。WBC日本代表にも選出された2023年は、24試合に登板して7勝10敗、防御率3.46。プロ1年目から2年連続で続いていた2桁勝利には届かなかったものの、ローテーションの一角としてフル回転。今季はエースとしてどのような活躍を見せてくれるか。
加藤貴之投手は国内FA権を行使せず、北海道日本ハムに残留。エスコンフィールド初年度の開幕投手を務めた2023年は24試合に登板し、7勝9敗、防御率2.87。2022年に与四球最少記録を更新した加藤投手だが、2023年も与えた四球はわずか「16」で精密機械ぶりを存分に発揮。今季は自身初となる2桁勝利となるか。
先発3本柱として伊藤投手、加藤投手とともにチームをけん引した上沢投手が退団し、昨年10試合に先発したポンセ投手も東北楽天へ移籍した。その空いた枠を埋める存在として期待されているのが、このオフに移籍した山崎福也投手だ。
山崎投手は2023年、自身初の2桁勝利となる11勝5敗、防御率3.25でオリックス3連覇の原動力になった。背番号「18」で迎える新天地での初戦は、4月2日の本拠地開幕戦。伏見寅威選手とバッテリーを組む予定だ。2年連続の2桁勝利を達成し、投手王国の一員として躍動したい。
新外国人投手ではマーフィー投手、ザバラ投手、バーヘイゲン投手の入団が決定。注目は2021年以来、3年ぶりに北海道日本ハムに復帰するバーヘイゲン投手。NPBでは通算2シーズンで38試合、13勝14敗、防御率3.51の成績を残していたが、昨年はメジャーで60試合、5勝1敗、防御率3.98、WHIP1.28、奪三振率8.85の好成績だった。
道産子サウスポーに2年目右腕も 飛躍の予感が高まる投手
ここからは今季、飛躍を予感させる先発投手陣を紹介。まずは昨季先発ローテーションに定着した上原健太投手。19試合のうち、先発18試合はキャリアハイとなり、投球回や奪三振数もこれまでより数字を伸ばした。この活躍を足がかりに今季も好投を見せてほしい一人だ。
根本悠楓投手はプロ3年目の昨季3勝を挙げた。「アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」日本代表にも選出され、登板した計5イニングを無失点に抑えて日本代表の優勝に貢献。2024年はシーズンを通して一軍でローテーションの座を守りたい。
昨季はルーキーながら、先発登板した全試合でクオリティスタートを達成した金村尚真投手。怪我の影響もあったため、わずか4登板にとどまったが、一軍復帰戦となった9月22日の東北楽天戦では、7回途中を無失点で抑える力投を披露。新人王資格も残す右腕から目が離せない。
2022年に史上14人目の新人開幕投手を務めた北山亘基投手。昨年の序盤は抑え候補の1人として期待を受けていたが、なかなか制球が定まらないこともあり、先発に転向。そこから一気にローテーションへ定着すると、7月までに6勝をマークしている。
鈴木健矢投手は、前半戦で最多勝争いにも加わるなど、昨季24試合に登板。自己最多となる6勝を挙げ、対右打者では被打率.144を記録した。先発とリリーフ、どちらもこなす北のサブマリンは今季もチームにとって貴重な戦力となるはず。
ドラフトでは最速158km/hを誇る左腕・細野晴希投手を獲得し、投手王国へ歩みを進めている。新庄剛志監督にとっても勝負となる2024シーズン。タレント揃いの先発陣を武器に「守り勝つ野球」を体現したい。
文・輿水佑一郎
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