記録達成まであと少しも…… 2022年の「惜しかった」シーン振り返り

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左から椋木蓮投手、万波中正選手、宮森智志投手(C)パーソル パ・リーグTV
左から椋木蓮投手、万波中正選手、宮森智志投手(C)パーソル パ・リーグTV

 2022年は記録ずくめだった。千葉ロッテの佐々木朗希投手が、28年ぶりかつ史上最年少となる完全試合を達成。それに続くかのように、東浜巨投手が5月、山本由伸投手が6月、ポンセ投手が8月にノーヒットノーランを達成した。

 その一方で、記録をあと一歩で逃した選手たちも。記録よりも記憶に残る「惜しい」プレーを紹介したい。

椋木蓮が9回2死までノーヒットノーラン

 オリックスのドラフト1位ルーキーが圧巻の投球を見せた。7月7日の埼玉西武戦で初登板初先発、6回7奪三振無失点でプロ初勝利を手にすると、7月20日のプロ2試合目も快投を披露。立ち上がりからギア全開で、2回表には3者連続三振を記録。8回表に2者連続三振を奪い、奪三振数を2桁にのせ、勢いそのまま9回表を迎えた。

 先頭打者を1球で打ち取り、代打・万波中正選手を空振り三振に。ノーヒットノーランまであと1人としたが、代打・佐藤龍世選手に2-2からの変化球をセンター前へ弾き返された。椋木蓮投手はここで降板。ノーノー達成とはならなかったものの、8.2回116球1安打11奪三振3四球の投球内容で、球団史上初となる新人のプロ初登板初先発から2戦連続勝利を記録した。

万波中正は4度のサイクル安打未遂

 北海道日本ハムの万波中正選手は、昨季4度もサイクル安打に王手をかけた。なかでも最も惜しかったのが、5月15日の対福岡ソフトバンク戦。

 この試合で第2打席に内野安打を放った万波選手。第3打席では2点適時三塁打、第4打席にはレフトスタンドへ特大の5号2ランをたたき込んだ。そして8回裏、2死で第4打席が回ると、モイネロ投手相手に初球からフルスイングで果敢に攻める。しかし結果は惜しくも空振り三振。

 狙うのが難しい三塁打が出ず、サイクル安打を逃すのが常だが、二塁打を残して達成はなかった。

【万波選手がサイクル安打に王手をかけた試合】
・5月15日(対福岡ソフトバンク)
遊ゴロ、遊安右中3左本、空三振
・5月26日(対東京ヤクルト)
空三振、左安、一ゴロ、左中本左線2
・6月1日(対広島)
中本右2左安、右飛、空三振
・6月3日(対阪神)
左中2左中本二安、見三振、右飛

宮森智志、新人連続無失点記録更新ならずも一軍の舞台で堂々の投球

 育成ドラフト1位で加入したルーキー・宮森智志投手が躍動した。ファームではシーズン開幕当初から守護神に抜擢。3、4月度のファーム月間MVPを受賞するなど好投を続け、フレッシュオールスターにも選出された。

 7月に支配下登録を結ぶと、8月2日の対千葉ロッテ戦で初登板。ビハインドの展開ながら1回を2奪三振無失点に抑える好投を見せる。3試合目の登板となった8月7日の福岡ソフトバンク戦では、1回無失点でプロ初勝利をマーク。

 そのまま好調を維持し、9月10日には18試合連続無失点を達成し、パ・リーグのデビューからの連続無失点記録を更新。22試合目の登板となった9月19日の埼玉西武戦では、2点リードの11回裏に登板。相手上位打線を3者凡退に抑え、プロ初セーブを記録した。この時点で、広島・栗林良吏投手が持っているデビューからの連続無失点記録に並ぶ。

 記録更新の機会が訪れたのは、9月23日の北海道日本ハム戦。期待を背負ってマウンドに上がったが、連打を浴びて4失点を喫し、連続無失点記録更新とはならなかった。

文・谷島弘紀

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