則本昂大が8度目の2桁勝利。防御率最下位脱出へ先発の奮起が急務か【東北楽天2022シーズンレビュー:投手編】

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EAGLES Season Review 2022(C)PLM
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 実績ある顔ぶれが並び、満を持してチーム史上初となる「2年連続Aクラス」に挑んだ東北楽天ゴールデンイーグルス。序盤は最大「18」の勝ち越しをつくったものの、中盤以降に失速し4位に終わった。

 本記事では投手編、野手編に分け、東北楽天の2022シーズンを振り返っていく。

則本昂大はチーム唯一の2桁勝利

 2年ぶりに開幕投手を託されたのは則本昂大投手。開幕戦で黒星を喫すると、新型コロナウイルス感染で戦線を離れた春先だった。それでも復帰後は自身4連勝も飾るなど調子を上げ、6月12日には「通算100勝」「1500投球回」という快挙も達成。6月終了時点で6勝をマークしていた。

 しかし7、8月でチームの勢いと重なるように低迷し、9月の重要な時期にローテーションも外れた。最終盤は何とか立て直し、自身3連勝、さらにはシーズン最終登板を完投勝利で締めくくる粘りを発揮したが、プレーオフ進出には及ばず。白星の数はチーム唯一の2桁(自身8度目)に到達したものの、悔しさの残るシーズンとなった。10年目の来季、さらなる進化に期待。

規定投球回到達、NPB復帰後初完封も…… NPB復帰2年目の田中将大

 日本球界2年目を迎えた田中将大投手は、幸先の良いスタート。自身開幕2連勝を飾ると、5月3日にはNPB通算1500投球回を達成する。翌週の10日にはNPB復帰後初完封を本拠地で挙げ、球団史上最多の「11」連勝を呼び込んだ。この試合でチームの貯金は「18」。9年ぶりの日本一への希望が最高潮に達した。しかし、ここが文字通り“ピーク”となってしまう。

 チームから勝ちが遠ざかると同時に、田中将投手自身も自身ワーストタイに並ぶ6連敗。ローテーションは守り続け、チームでは唯一の規定投球回に到達したものの、終わってみれば9勝12敗と借金をつくって終わってしまった。日米通算200勝にあと「10」勝と迫る来季、大台到達に加え10年ぶりの胴上げ投手となれるか。

先発ローテで借金。若手の奮起が急務

 則本投手、田中将投手の他に、今季10試合以上に先発登板した投手陣にフォーカスする。シーズン通して勝ち越しを決めたのは、涌井秀章投手と辛島航投手のみという結果に。NPB史上19人目となる全12球団に勝利した岸孝之投手(8勝10敗)も、昨季を下回る8勝止まり。実績ある先発陣を擁しながら、期待された成績を残せずに終わってしまった。

 特に若手の早川隆久投手(5勝9敗)と瀧中瞭太投手(2勝9敗)は、大きく黒星が上回る悔しいシーズンに。20代の先発ローテーション投手が2人という以上に、多くの負け越しをつくってしまったことは目下の課題か。来季からは涌井投手が中日へ移籍するため、先発ローテーションの枠が一つ空く。彼ら2人を筆頭とした若手の台頭に期待したい。

プロ野球記録にセーブ王と安定感を示したリリーフ陣

 一方でリーグの中でも上位の成績を残したのは中継ぎ陣だ。守護神・松井裕樹投手は3年ぶりに30S到達で最多セーブ(32S)のタイトルを獲得。防御率も1.92と抜群の安定感を発揮した。昨季にブレイクを果たした西口直人投手も、チーム最多の61登板を記録。チームに欠かせない存在となるだけでなく、リーグ3位タイの34ホールドと一躍球界を代表するまでに進化した。

 勝利の方程式に新たな顔ぶれも。7月末に支配下登録を受けた宮森智志投手は、キレのある直球と、高身長から繰り出すフォークボールが武器の新人右腕。ファーム最多の17セーブを挙げた強心臓ぶりは一軍のマウンドでも健在し、プロ野球最多記録に並ぶ“デビューから22試合連続無失点”という快挙も成し遂げた。

 安樂智大投手は防御率こそ4点台と落としながらも、52登板で西口投手とともに地位を確立させた印象。助っ人の支えも大きく、来日6年目を迎えた宋投手はチーム2位の54登板とフル回転した(ブセニッツ投手は今季限りで退団)。

来季へ期待

 しかし終わってみればチーム防御率はリーグワースト。若手先発陣の台頭により、チーム内で競争を生み出していきたい。ファームで投手3冠を獲得した高田孝一投手や、プロ初勝利を記録した藤井聖投手などその候補は多く、先発陣の活性化に期待だ。

 他にも明るいニュースは多い。18年ドラフト8位で入団した鈴木翔天投手は、ケガを乗り越え8月にプロ初勝利を挙げるなど、ついに努力が結実した。1年目の西垣雅矢投手も24試合に登板。小峯新陸投手や吉川雄大投手など一軍を経験した若手の有望株も控えている。10月のドラフト会議では、4位までを大卒・社会人出身の投手を指名するなど即戦力確保に力を入れており、投手王国の再建が期待される。

 一方で、若手の台頭のカギを握るのは輝かしい実績を持つ先輩投手陣だろう。シーズンの戦い方や投球術など、これだけ間近で学べる環境は球界トップクラス。お互いに刺激を与えながら、10年ぶりの日本一をつかみとりたい。

文・小野寺穂高

東北楽天2022シーズンレビュー:野手編
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