競争激化のセーブ王争いを制すのは? ベテラン守護神たちに注目

パ・リーグ インサイト 望月遼太

オリックス・平野佳寿投手、埼玉西武・増田達至投手(C)パーソル パ・リーグTV
オリックス・平野佳寿投手、埼玉西武・増田達至投手(C)パーソル パ・リーグTV

充実の投球を見せるベテラン2名を中心に、守護神たちがしのぎを削る

 順位争いと同様に、投手の主要タイトルを巡る戦いも大混戦。今季のパ・リーグは、さまざまな意味で先の読めない展開となりつつある。極めてハイレベルな争いの末にタイトルを掴むのは、はたしてどの投手になるのか。

 前回は、誰が獲得してもおかしくない状況の最多勝についてお伝えした。今回は、最多セーブ争いの状況についても見ていきたい。(成績は6月30日時点) 

2022年パ・リーグ投手のセーブ数ランキング(C)PLM
2022年パ・リーグ投手のセーブ数ランキング(C)PLM

 現在は増田達至投手がリーグトップを走り、平野佳寿投手がそこから2セーブ差。さらに、松井裕樹投手と益田直也投手も僅差で追っており、接戦の様相だ。増田投手は今季喫した失点はここまでわずかに1と、まさに圧倒的な投球を披露。その安定感を考えれば、ハイペースでセーブを積み上げているのも納得と言えよう。

 また、平野佳投手も28試合で4失点、防御率1.32と素晴らしい数字を記録し、6月2日には通算200セーブの大台にも到達。リーグ優勝に大きく貢献した前年以上の内容を示し、こちらも充実のシーズンを送っている。

 松井投手も交流戦終了時点で防御率1.13と、前年に負った故障の影響を感じさせないピッチングを展開していた。リーグ戦再開後はやや調子を崩しているが、離脱することなくフルシーズンを闘い抜くことができれば、タイトル獲得のチャンスは十二分にあるはずだ。

 益田投手は昨シーズンのセーブ王でもあるが、今季は安定感を欠く登板も散見される。しかし、失点を喫しながらもセーブを記録する試合が4度あるなど、持ち味の粘り強さをたびたび発揮。決して本調子ではない状況ながら、守護神としての意地を垣間見せている。

 北海道日本ハムはシーズン序盤から抑えを務めた北山亘基投手に疲労の色が見え、福岡ソフトバンクは森唯斗投手の不振により、主にリバン・モイネロ投手が代役を務めている。この2球団は守護神を固定しきれていないが、それ以外の4球団の守護神は、それぞれ一定以上のペースでセーブ数を積み上げていると言えよう。

 また、益田投手が2013年と2021年、平野佳投手が2014年、松井投手が2019年、増田投手が2020年と、ランキング上位にいる4投手は、全て過去に最多セーブの獲得経験を持っている。タイトル争いを勝ち抜いた経験を持つ投手たちによる競り合いという点でも、非常に興味深いものとなってきそうだ。

増田投手の埼玉西武は、環境としてもセーブが増えやすい状況にある?

 セーブはチームが勝利する時にしか記録されないため、チームの戦いぶりとも密接にかかわってくる。しかし、今季のパ・リーグは1位から5位までの勝利数に大きな差はない。そのため、チーム成績の影響で大きく有利となる投手がいるとは考えにくいところだ。

 しかし、埼玉西武は水上由伸投手、平良海馬投手がいずれも防御率0点台と、セットアッパーの質が非常に高い。その一方で、チーム打率と総得点はいずれもリーグ5位と、4点差以上に広げる追加点が入る可能性も高いとは言い難い。そのため、増田投手はセーブシチュエーションで9回を迎える機会が多くなりやすい。こうした環境の面からも、増田投手がやや優位に立っていると言えよう。

 その点、平野佳投手のオリックスと、松井投手の東北楽天は、ホールド数のトップ5に入っている投手が一人もいない。また、トップ10まで範囲を広げてもそれぞれ1名ずつと、勝ちパターンが定まりきらなかったことが示されている。とはいえ、いずれのチームもリリーフ陣の顔ぶれは揃いつつあるだけに、これから勝利の方程式が完全に固まりさえすれば、ひいては守護神のセーブ数も伸びていく可能性はあるだろう。

 益田投手の千葉ロッテでは、東條大樹投手、タイロン・ゲレーロ投手、小野郁投手、西野勇士投手と、10ホールド以上を記録している投手が4名存在する。比較的早い段階で複数の勝ちパターンを構築できているだけに、あとは益田投手自身が状態を向上させられるかにかかってきそうだ。

文・望月遼太

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