杉本裕太郎が驚異の好相性ぶり、レアードは大阪が得意? オリックスと千葉ロッテの今季対戦を振り返る

パ・リーグ インサイト

2021.11.9(火) 16:00

杉本裕太郎選手(左)、レアード選手(右)(C)パーソル パ・リーグTV
杉本裕太郎選手(左)、レアード選手(右)(C)パーソル パ・リーグTV

 11月10日から行われる「パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージ。東北楽天とのファーストステージを1勝1分で勝ち上がった千葉ロッテと、首位・オリックスが対戦する。優勝をかけて最終盤まで戦い続けた両チームの今季対戦を振り返るとともに、注目選手を紹介したい。

互角の戦いを繰り広げた両者。京セラドーム大阪での今季対戦は?

 オリックスと千葉ロッテの今季対戦は10勝10敗5分、得点、失点はそれぞれ100と互角の戦い。京セラドーム大阪での試合に絞ると千葉ロッテが5勝2敗3分で勝ち越している。

 京セラドーム大阪での戦いを振り返ろう。今季最初の対戦となる4月16日から始まった3連戦は、千葉ロッテがオリックスのリリーフ陣を捉えて終盤に得点し、2勝1分で終えた。5月18日からの2連戦は、18日にオリックスが接戦を制したが、19日は山本由伸投手が6回6失点と試合をつくれず敗戦。これが山本投手と千葉ロッテの最後の対戦となっている。

 オリックスが交流戦優勝を果たし、次の対戦は6月29日からの2連戦。29日は序盤に5点差をつけられるも、杉本選手が2打席連続のホームランを放つなど好調のオリックス打線が追い付いて引き分け。30日は先発・田嶋大樹投手の好投もあって完封リレーで勝利、今季初のカード勝ち越しとなった。

 9月のオリックス主催試合はほっともっとフィールド神戸で開催されたため、後半戦の京セラドーム大阪での戦いは10月12日からの首位攻防3連戦のみ。その初戦は宗佑磨選手の同点2ランで引き分けに終わるも、2戦目は千葉ロッテ打線が8得点と爆発し、先発・石川歩投手が完投勝利。3戦目は宮城大弥投手と佐々木朗希投手の同年代対決を、佐々木朗投手が制して千葉ロッテの2勝1分で今季対戦が終わった。

杉本裕太郎が対戦打率.430と圧倒。山本由伸、田嶋大樹での勝利に期待

 ここからは個別の対戦成績を見ていこう。

 オリックスの先発では、田嶋大樹投手が7試合で防御率2.37、3勝1敗と好成績だ。特に直近3試合では8回まで投げ抜くなど、7試合中6試合でQSを達成している。エース・山本投手は対戦防御率3.46というのが不安材料だが、実際に対戦したのは5月までの2試合のみ。特に調子の良かった後半戦を考えれば、勝利を期待できそうだ。

 今季先発数が多い投手の中でも相性が悪いのが宮城投手(5試合、防御率4.88)と山崎福也投手(4試合、防御率5.68)。特に宮城投手は前回対戦で5回8安打5失点と苦戦したが、リベンジを果たせるか。一方リリーフでは、平野佳寿投手が10試合で1失点のみと好投している。9回までつなげられれば、勝利が見えてくるだろう。

 打線は杉本裕太郎選手が対戦打率が驚異の.430。今季放ったリーグトップとなる32本塁打のうち、13本は千葉ロッテからとまさに“お得意様”だ。2番を務める宗佑磨選手が打率.188と苦手にしているのは気になるところだが、杉本選手の前にランナーをためて得点に結びつけたい。

レアードは京セラドーム大阪で打率.324。“ラッキーボーイ”も出現中?

 千葉ロッテはアドバンテージがない分、早い段階で勝ちを積み重ねたいところ。打線は初戦に先発する山本投手が第一の関門となるだろう。レアード選手は今季2度の山本投手との対戦でいずれもホームランを放っており、京セラドーム大阪での打率も.324。ファーストステージでは1安打のみに終わったが、持ち前の勝負強い打撃に期待したい。

 ほかにも荻野貴司選手(打率.370)、中村奨吾選手(.342)と京セラドーム大阪を得意とする打者がいるが、ファーストステージで躍動した選手たちにも要注目だ。エチェバリア選手は初戦に途中出場から同点弾、2戦目はスタメン起用に応え3打数2安打と当たっている。また、3年目の山口選手も2戦目で1本塁打含む3打数3安打と貢献した。短期決戦の“ラッキーボーイ”として、ファイナルステージでも活躍なるか。

 先発陣は初戦に先発する石川投手が対戦防御率3.86と不安も見えるが、10月中は防御率0.78と好調。オリックスに対しても10月13日に2失点で完投勝利を収めており、この調子でチームにまず1勝をもたらしたい。また、岩下大輝投手は3試合で2勝0敗、防御率2.45、被打率.136と好相性。打線の調子は悪くなさそうなだけに、投手陣がしっかりと試合をつくりたいところだ。

 今季のパ・リーグを盛り上げた両チーム。オリックスの25年ぶり日本シリーズ出場か、千葉ロッテの“下克上”か。ファイナルステージは10日からスタートする。

文・丹羽海凪

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