松本航(まつもと・わたる)/投手
#17/1996年11月28日生まれ
176cm・84kg/右投右打
兵庫・明石商業から日本体育大学を経て2017年ドラフト1位で埼玉西武に入団。甲子園出場経験はないが、最速147km/h右腕としてプロから注目されていた存在である。プロ志望届を提出せずに進学した日体大では1年春から出場すると、それ以降中心選手として活躍して3年生で大学日本代表に選出される。最速155km/hに到達するキレのある直球と多彩な変化球を備える、即戦力の大学No.1投手としてプロの世界へ飛び込んだ。
1年目は春季キャンプからA班に内定し大きな期待を背負ってプロ生活をスタートさせた。アピールに成功して開幕ローテーション入りが確実になっていたが、開幕直前に軽度の肺炎を発症して戦線離脱を余儀なくされる。悔しいスタートとなったが5月19日に一軍復帰。先発で5回を投げきり、球団では松坂大輔投手以来、20年ぶりとなる初登板初先発初勝利をマークした。それから先発ローテの一角として、7勝をあげてリーグ優勝に貢献した。
開幕前に離脱した雪辱を果たすべく臨んだ2020年。シーズン序盤の6月は防御率8.68と思うような成績が残せなかった。4試合に登板して0勝2敗と白星が遠いなかで迎えた7月18日の楽天戦から西口コーチの助言でワインドアップからセットポジションにフォームを変更。その試合で2020年初白星をつかみ取ると、徐々に安定感を増し8月には防御率1.59、9月には3勝0敗と活躍した。終盤にやや失速したが20試合に登板、6勝7敗、防御率4.37と1年間通してチームを支えた。
一番の持ち味である直球を武器に組み立てる投球は大きな可能性を感じさせ、9月27日の試合で強打者・浅村栄斗選手(楽天)を3打席連続三振で完璧に抑え込んだ場面はエースとしての風格も漂わせた。リーグ優勝奪還と2008年以来の日本一へ、威力抜群の投球にさらなる磨きをかけて黄金時代を築くことができるか。
【2020年一軍成績】
20試合6勝7敗 103回 66奪三振、防御率4.37 WHIP1.41
文・岡絃哉
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