松本航の強みは「自分のペースを崩さず、努力を積み重ねられる」
■埼玉西武 9-3 オリックス(19日・京セラドーム)
19日のオリックス戦(京セラD)でプロ初先発初勝利をマークした埼玉西武のドラフト1位ルーキー松本航投手。念願のプロ初勝利をマークした右腕に向けて、明石商高時代の恩師である狭間善徳監督も祝福の声を寄せた。
明石商高OBで初めてプロ野球選手となった松本航。進学先の日体大ではエースとして活躍し、大学No1右腕としてドラフト1位で埼玉西武に入団した。開幕ローテーション入りが確実だったが、開幕直前に軽度の肺炎を患い無念のリタイア。しかし、明石商で松本航の指導にあたった狭間監督は、療養中の松本航にメールでこう言葉をかけたという。
「ダメでも命を取られるワケじゃない。慌てることはない」
狭間監督の温かい言葉にも励まされ、初登板の日を迎えた松本航。プロ入りし、初勝利するまでに数々の言葉を支えにしてきた。中学時代の恩師からは「飛翔」という言葉を贈られた。どこまでも飛んでいく強靭な身体に、エサを見つけるための鋭い瞳を併せ持つ鳥のような力強い存在になってほしいと期待を込められ、今でもその言葉を大切に胸に刻んでいる。
さらに、日体大の辻孟彦投手コーチからは「ストレートが軸になる。ストレートをしっかり投げ込んでから変化球を磨け」と指導を受けた。そうして4年時に経験した大学日本代表の選考合宿で計測したストレートの回転数は、他の候補選手を凌駕した。ストレートを磨くことで、多彩な変化球が活きる。意識を高く持ち続け、常に進化し続けてきた。
明石商の狭間監督は松本航の性格について「航の強みは自分のペースを崩さず、努力を積み重ねられるところ。その性格は、プロの世界に向いているのではないかと思います」と太鼓判を押す。悔しかった療養期間も、あくまで「ポジティブに」と振り返った松本航。堂々と立ち振る舞うその姿は、これからの活躍を十分に予感させていた。
(安藤かなみ / Kanami Ando)
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