「素晴らしい投手陣、もっと褒めていただきたい」福岡ソフトバンク優勝記者会見全文

パ・リーグ インサイト

2020.10.27(火) 23:00

(C)SoftBank HAWKS
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 工藤公康監督、選手会長の中村晃選手、今年の開幕投手の東浜巨投手の3名で行われた、優勝記者会見。難しいシーズンの中でパ・リーグを制した喜びと、パーソルCSパ、日本シリーズに向けた意気込みをそれぞれが語った。

「ゲーム差がなくなった時でも元気に声を出している姿を見て、頼もしくなったな、と」工藤公康監督

ーー3年ぶりのリーグ優勝となりました。今の気持ちからあらためてお聞かせください。

「選手たちによくやってくれたという思いと、3年ぶりのリーグ優勝というところで、勝った瞬間は自分でもガッツポーズするくらい、今年は何がなんでも勝ちたいという気持ちもありましたので、うれしい気持ちと、ほっとした気持ちです」

ーーこの2年、リーグ優勝できなかった悔しさがこみ上げてくる部分もあったのでしょうか

「首位に立ちながら逆転負けというのが、頭の中から離れることはなかったです。千葉ロッテとゲーム差なしとなったところから、選手たちが100%の力を出して一気に引き離してくれた時には、選手が頼もしく見えました。今年のコロナ禍で、最後の最後に死力を尽くして戦ってくれた選手たちに感謝の思いでいっぱいです」

ーー難しい、特別なシーズンの戦いという中で工藤監督は1番何に気を使われたのか、あるいは気を配られたのか、どんなところでしたか

「シーズンに入るまでにしっかりとした準備、というところを選手にも伝えてきましたし、その準備を100で開幕を迎えるのは難しいだろうとも思いました。ですので、トレーナーさん、コーチのみなさんともミーティングをしながら、『選手の状態、コンディショニングをどういう風にしていくのがベストか』というところを常に話をしながらやってきたことで、大きなけが人もなく、この難しいシーズンを乗り切ることができたと思います」

ーーただこの難しいシーズンを乗り切る中で、同一カード6連戦があったり、移動日ゲームがあったりという難しさがあったと思います。

「全てが初体験というなかではありましたが、なるべくコーチと話をし、グランドでは選手の状態を聞いたりしながら、少しでもけが人が出ないように、そしてなるべく良いコンディショニングで試合に望んでもらうように、というのを常に考えてやってきたと思います」

ーーそんな中で、今年はどの辺りで、今年の戦い方、手ごたえというのを感じられていたのでしょうか。

「追いつかれてゲーム差がなくなった時でも、選手たちがベンチで元気に声を出している姿を見て、安心する部分と、頼もしくなったな、と。平常心で自分たちの野球をやってくれていたのを見て、いけるんじゃないかなと思いました」

ーー今シーズンのホークスの強さはどういったところにありますか?

「一番は、チームが一つになり勝つことを目指してやっていけたのが、本当に強かったと思います。2年連続リーグ優勝していないなかで、選手たちも自然に気合が入っていた。そのなかで絶対勝つぞというところを、心に秘めてやってくれたので、そういう思いが12連勝という形で一気に出たと思いますし、僕らが何か言わなくても、選手自身が自分たちのやるべきことをやってくれたシーズンではないかなと思います」

ーー投手陣についておうかがいします。今年のチーム防御率はここにきて3点台を割り、2点台にまできました。先発そしてリリーフ陣も含めて素晴らしい投手陣でしたね。

「もっとほめていただきたいくらい、先発も中継ぎ陣もよくやってくれたと思います。やはり投手がしっかり抑えるといことが何よりも勝利に近づくな、というところを感じたシーズンです」

ーーなかでも開幕投手を務めた東浜巨投手の活躍も大きかったですね。

「上を求め続ける探求心というか、そういうものがコロナの状況のなかで、自主トレの段階でもさらに上を目指すんだと調整してくれた。僕自身もそういう姿を見て開幕投手にしたいと思いましたし、開幕してからも自分の責任を果たしてくれた。何よりも開幕投手という責任感を優勝するまで保ち続け、高いモチベーションの中でシーズンを過ごしてくれたと思います」

ーー野手についておうかがいします。今シーズンは打順が100通り以上ありましたが、工夫をしながらの戦いでしたね。

「打撃コーチのみなさん、トレーナーのみなさんと、選手の状況を把握したなかで打順を組んできました。どの打順でいくか、みんなから意見をもらいながら決めていきました。一定した打順ではなかったですけど、そんななかでも選手たちが自分の仕事をやってくれたと思います」

ーー後半には周東佑京選手が1番に定着して活躍を見せてくれました。チームに勢いも付けてくれましたね。

「彼の脚がチームの勢いになったことは間違いないですし、今隣にいる中村(晃)くんがしっかりと周東君がセカンドに走るまで我慢してくれたり、そんななかでタイムリーやヒットを打って次へつなぐ、という仕事が非常に大きかったと思います」

ーーまだ大きな仕事は残っていると思いますが、まずはリーグ優勝ということでファンのみなさんにメッセージをお願いします。

「3年ぶりのリーグ優勝を成し遂げることができました。ここまで応援していただき、ありがとうございます。我々はあくまでも日本一を目指してやっているチームですので、これからクライマックスシリーズ、日本シリーズと勝てるように残りのシーズンも戦い、みなさまにまた良い報告ができるよう、これからも頑張っていきたいと思います。これからも応援よろしくお願いします」

「川村さんが望むことは僕たちが前を向いて元気にプレーすること。チームがより一つになった」中村晃選手

ーー今の率直な感想を聞かせてください。

「途中、千葉ロッテとゲーム差なしまでいきましたし、どのチームも強かったので、とりあえずほっとしました」

ーー特別なシーズンの中で、選手会長として一番気を付けていたこと、気にしていたことは何だったでしょう。

「プレーは選手個々が自分の役割をしっかりやってくれていましたので、僕はやりやすい環境をなるべく作れればなと思って、話はいろいろ聞いたりはしていました」

ーー選手会長の中村さんから見た今年のホークスの強さはどんなところに感じられましたか。

「本当に素晴らしいピッチャーがたくさんいますので、守りからリズムを作る野球が良かったです」

ーー若い選手に刺激を受けたのではないですか?

「周東(佑京)もそうですし、栗原(陵矢)とは自主トレも一緒にやっていますし、彼の活躍が僕に刺激を与えてくれてここまで来られたと思います」


ーー少し調整が遅れて7月11日からのスタートとなりましたが、そのあたりはいかがでしたか。

「開幕に間に合わなかったのは自分でも反省していますし、それでも一軍に復帰できてまたプレーができたということで、リハビリのトレーナーさんであったりとか、二軍、三軍のスタッフの方たちのおかげで一軍に復帰することができたので本当に皆さんに感謝しています」

ーー開幕から6試合目でプロ初の4番で、その後は20試合ほどプレーされましたが、「4番バッター・中村晃」についてはいかがでしたが。

「高校以来の4番バッターだったので、最初は大丈夫かなと思いましたけど、なんとかこなせたかなと思うので、チームも勝っていましたし良かったです」

ーー9月17日には通算1000安打という節目の記録もありました。

「順調にきた部分とそうでない部分があったんですけど、これからもチームのために、チームの勝利に貢献できるようなヒットをたくさん打っていければなと思います」

ーー川村さんのためにという思いがありましたよね。

「明るい方だったので、亡くなった時にはロッカーでみんなで泣きましたし、本当に信じられなかったですけど、川村さんが望むことは僕たちが前を向いて元気に野球をプレーすることだと思ったので、そこでまたチームがより一つになったのかなと思います」

ーー全国のホークスファンの皆さんに意気込みを含めたメッセージをお願いします。

「まだまだ戦いは続きますので、4年連続日本一になれるように、またチーム一丸となって頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」

「自粛期間も高いモチベーションで過ごし、自分の中で特別な1年に」東浜巨投手

ーーあらためて今の気持ちを聞かせてください。

「正直、いつ開幕するかわからないスタートで始まった今シーズン、どうなるんだろうという思いを常に持ちながらシーズンを過ごしてきて、そのなかでこうやって最後優勝できてほっとしていますし、嬉しく思います」

ーー初めての開幕投手はいかがでしたか?

「本来なら3月で開幕ということで、一度そこに向けて作っていたんですが、そこで延期になって、でもその3月に開幕投手を言い渡されてモチベーションがさらに上がって、自粛期間も高いモチベーションで過ごすことができたので、そういった意味では自分の中では特別な1年になったと思います」

ーー9月に入ってからここまで現在6連勝中と抜群の安定感の要因はどのようなところでしょうか。

「開幕してから毎試合毎試合しっかり集中して、チームが勝つことを最優先に考えて、同じように投げてきて、なかなか序盤、中盤とうまくいかないことの方が多かったんですけど、そこでなんとか耐えて投げてきたその経験が、最後にきて生きているのかなと思います」

ーー後ろには鉄壁のリリーフ陣が控えているというのは、東浜さんを含めた先発の皆さんに大きな勇気を与えてくれることになりましたか?

「本当にリリーフの方たちには助けてもらいっぱなしで、情けない気持ちと、本当に頼もしいリリーフ陣だな、という信頼感と両方持ちながら今年は過ごしてきたので、最後の最後に少しでもリリーフを楽にしてあげられるように、という思いで投げてきたのが良かったと思いますし、本当に先発、中継ぎそれぞれしっかり仕事を全うしているなと思います」

ーー援護してくれた野手陣の存在はいかがでしたか?

「僕の時もよく点を取っていただきましたし、それ以上に記録に残らない良いプレーだったり、守備の方でも助けられてるので、本当に頼もしいです」

ーー全国のホークスファンに最後にメッセージをお願いします。

「CS、日本シリーズとまだまだ続くので、最後まで頑張っていきたいと思いますし、4年連続日本一になれるように頑張っていきますので、まだまだこれからも応援よろしくお願いします」

優勝監督インタビュー全文はこちら

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