2025年オフに積極的な補強を行った埼玉西武ライオンズ。その新戦力の1人が、横浜DeNAベイスターズからフリーエージェントで加入した桑原将志選手だ。「今まで培ってきたものを試したい」と移籍を決断し、新天地でも切り込み隊長としてチームに欠かせない存在になりつつある。今回は同選手の横浜DeNA時代の成績を振り返りつつ、今季の注目ポイントを紹介していく。
走塁能力に長けるリードオフマン

横浜DeNA時代に多くの試合でリードオフマンを務めた桑原選手。その強みの1つが走塁能力の高さだ。積極果敢なベースランニングに加え、近年は盗塁技術も向上。盗塁数こそ多くはないものの、24年以降は盗塁失敗が一度もない。今年3月29日の千葉ロッテ戦では初回にヒットで出塁後、すかさず二盗を決めて通算100盗塁を達成している。NPBでは今季から従来と比べてサイズの大きい統一ベースを導入したことで、実質的に塁間の距離が短くなった。スピードが武器の桑原選手にとっては追い風で、自慢の脚力をより生かせるようになったといえるだろう。
対パ・リーグ投手でカギとなる速球への対応


次に、リーグ間移籍による環境の変化に注目する。両リーグの違いとしてよく語られるのが「パ・リーグはセ・リーグよりもパワーピッチャーが多い」というもので、実際ストレートの平均球速は21年以降すべての年度でパ・リーグが上回っている。
さらに表で示したように、昨季のストレートを球速帯別の割合で見ると、パ・リーグはセ・リーグと比較して150km/h以上の割合が大きいことが分かる。この違いは主にリリーフ投手によるもので、セ・リーグのそれが37.4%なのに対し、パ・リーグのリリーフ投手は50.6%とストレートの約半数が150キロ以上になっている。
もう1つの表に示したのは昨季の桑原選手の球速帯別のストレート打率だ。これを見ると、150km/h未満のストレートに対しては好成績を残しているが、150km/h以上の打率はリーグ平均程度にとどまっていることが分かる。ここ数年は似たような成績が続いており、パ・リーグでプレーする今季は、特に相手リリーバーが投じる剛速球を安定して打ち返せるかどうかが、好成績を残す上でのカギとなりそうだ。
変化球では落ちるボールに対する打撃に注目


続いて変化球のデータも見ていこう。昨季の両リーグの球種別投球割合を並べると、パ・リーグはセ・リーグと比べてフォーク系球種の割合が高くなっている。この傾向は23年から変わっておらず、今季も同様だと仮定すると、横浜DeNA時代よりもフォークに対する打撃の重要度が少しばかり増すことになる。
実のところ、桑原選手は落ちる系球種の成績が良くないシーズンが多い。とりわけフォークには苦戦しており、17年から24年までの期間は打率0割台や1割台というシーズンも珍しくなかった。
しかし、昨季はそんなフォークに対して打率.286をマークし、7年ぶりに本塁打も記録。それもあって落ちる系球種の打率も3割超えの好成績を残している。ただしこれはあくまで単年の結果であり、今季の成績がどうなるかは不透明。苦手としていた縦の変化を本当に克服できたのかどうかも、パ・リーグで活躍する上で大事な要素になるかもしれない。
交流戦で好相性だったチームは?

最後に、パ・リーグ各チームの投手陣との対戦成績を紹介したい。横浜DeNA時代のセ・パ交流戦では、北海道日本ハム戦で打率.363の大活躍を見せていた。特に相性が良かった相手とその成績は、加藤貴之投手から9打数4安打(二塁打1、本塁打1)、上原健太投手から8打数6安打(二塁打3)、伊藤大海投手から4打数2安打(二塁打1、三塁打1)などとなっている。数多く対戦を重ねることになる今季も“ハムキラー”ぶりは発揮されるだろうか。
4月17日からエスコンフィールドで行われた今季最初の3連戦では、13打数4安打で5打点をマーク。初戦では決勝の逆転2ランを放っている。
※文章、表中の数字はすべて2026年4月19日終了時点
文・データスタジアム
