長年の課題を解決する存在に。桑原将志の特徴と埼玉西武で期待される役割とは?

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2026.1.8(木) 15:30

桑原将志選手 ©パーソル パ・リーグTV
桑原将志選手 ©パーソル パ・リーグTV

豊富な経験と大舞台での勝負強さを併せ持つ頼もしい新戦力

 今オフ、積極的な補強を決行した埼玉西武。なかでも今回はFA権を行使し入団した桑原将志選手に注目していきたい。

 桑原選手は実働14年間で通算1239試合に出場した豊富な経験と、2024年の日本シリーズでMVPに輝いた大舞台での強さを併せ持つだけに、若手の多い新天地における存在意義は大きいと考えられる。

 その桑原選手が記録してきた各種の成績や指標を参照しながら、桑原選手が持つ特徴や強みについて紹介。走攻守にわたってハイレベルなプレーを見せてきた名手の活躍を振り返るとともに、桑原選手の加入がもたらすチームへの好影響についても考察していきたい。

打者としての生産性と高い守備力を兼ね備え、主力として横浜DeNAを支えてきた

 桑原選手がこれまで記録してきた、年度別の各種指標は下記の通り。

桑原将志選手 年度別指標 ©PLM
桑原将志選手 年度別指標 ©PLM

 2021年には135試合に出場して打率.310と好成績を収め、直近の2025年にも規定打席に到達して打率.284を記録。好打に加えてシーズン2桁本塁打を3度達成したパンチ力も兼ね備えており、得点力不足に悩まされてきた埼玉西武にとっては貴重な存在となりそうだ。

 打者としての生産性に関しても、キャリア通算のOPSは.722と一定以上の水準にある。レギュラー定着直後の2016年から3年連続でOPS.740以上を記録し、2021年にはOPS.843と優秀な数字を残した。2022年以降は3年連続でOPS.600台とやや成績を落としていたが、2025年はOPS.730とキャリア平均を上回る数字を記録し、復調を印象付けている。

 打撃面の実績に加えて、2017年と2023年には三井ゴールデン・グラブ賞を受賞した外野守備に定評がある点も大きな強みだ。攻守にわたって高い能力を持つ桑原選手の加入は、新天地においてもさまざまな面で大きなプラスをもたらす可能性が高いと考えられる。

さらなる進化を求められる打撃と盗塁

 三振数を打席数で割って求める「三振率」についても、キャリア通算の数字は.158と一定以上の数字を記録。さらに、直近5年間のうち4シーズンで三振率.130台以下と優れた成績を残しており、三振が少なく、コンタクト力に長けているという特徴が見て取れる。

 その一方で、四球数を打席数で割って求める「四球率」に関しては、キャリア通算で.069と決して高いとは言えない数字となっている。そして、出塁率と打率の差を示す、選球眼を表す指標の一つである「IsoD」もキャリア通算で.062と、優秀とされる水準には届いていない。

 三振と四球がどちらも少ないという桑原選手の傾向は、積極的な打撃スタイルを持ち味とすることを示している。その結果として、三振を四球で割って求める、IsoDと同じく選球眼に関する指標である「BB/K」については、キャリア通算で.437と、概ね平均的な値とされる水準に位置している。

 また、2021年以降の5年間のうち4度にわたってキャリア平均を上回るBB/Kを記録し、2021年にキャリア最高の.587、2025年にそれに次ぐ.508という数字を残した点も興味深い。若手時代に比べてストライクゾーンの管理能力が高まっていることを示すBB/Kの推移を見るに、近年に入ってから打者としてより洗練されつつあるという見方もできそうだ。

 桑原選手は俊足を武器に通算99盗塁を記録しているが、盗塁成功率に関してキャリア平均が.664と際立って高いわけではない。しかし、2024年は8盗塁、2025年は10盗塁を決めて失敗はいずれもなしと、直近2年間は大きく精度が改善されている。30代に差し掛かってから選手としてさらなる進化を遂げていることが、これらの数字からも読み取れよう。

外野陣が長年の課題だった埼玉西武を大きく変える存在に

 埼玉西武は強力打線を最大の武器として2018年からリーグ2連覇を成し遂げたが、2019年オフに不動の中軸だった秋山翔吾選手が退団。翌年以降は秋山選手が抜けたセンターの穴を埋めることができず、長きにわたって外野陣がチームのウィークポイントとなっていた。

 しかし、2025年には西川愛也選手が124試合に出場して打率.264、10本塁打、25盗塁とトップバッターとして活躍を見せ、守備面でも幾度となく好プレーを披露。西川選手がセンターのレギュラーをつかみつつあることに加えて、渡部聖弥選手と長谷川信哉選手も規定打席に到達を果たしており、前年までに比べて若手外野手の台頭が目立つシーズンとなった。

 明るい兆しが見えつつある状況にあって、さらに攻守にわたって豊富な実績を備えた桑原選手が加わることは、長年の課題を解消するうえで大きな意味を持ちうる。渡部聖弥選手が秋季練習で三塁の守備に就いていたことを鑑みても、実績十分の桑原選手が外野の一角に加わることによって、来季以降は選手起用の柔軟性の向上と、競争の激化が見込まれそうだ。

ベイスターズ時代と同様に、新天地でもチームを上位進出に導く原動力となるか

 桑原選手がレギュラーに定着する前にあたる2015年以前のベイスターズは、8年連続でシーズン5位以下と低迷期の真っただ中にあった。しかし、桑原選手が主力の座をつかんだ2016年以降の横浜DeNAは、10年間で7度のAクラス入りと強豪へと成長。こうしたチーム成績の推移からも、躍進を遂げたチームにおける桑原選手の重要性がうかがい知れる。

 チームの切り込み隊長を務めて「ガッツマン」と称された俊足好打の外野手は、新天地においてもポジティブなエネルギーをもたらし、チームの上位浮上に貢献できるか。プロ生活15年目にして臨んだ桑原選手の新たな挑戦が実を結び、本人にとっても、チームにとっても良い結果を生み出すことを願いたいところだ。

文・望月遼太

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