9月5日から行われている「WBSC U-18ベースボールワールドカップ」スーパーラウンド。甲子園を沸かせたスター達はもちろん、将来有望な高校生に注目する野球ファンも多いのではないだろうか。そこで今回は4年前の第27回大会の選出メンバーに注目し、現在パ・リーグで活躍する選手を取り上げたい。
第27回大会は過去最高となる準優勝の好成績
4年前の大会では、過去最高の準優勝という成績を残しており、優秀な選手が多く揃った結果と言えるだろう。さらに、この大会に高校3年生で選出された選手は、今年で大学4年生となっており、今年のドラフト候補。短い期間であったが、ともに「世界一」を目指して戦ったメンバーが、プロの舞台で再び同じチームになる可能性もある。
第27回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ メンバー
【投手】
佐藤世那(仙台育英)
成田翔(秋田商業)
高橋樹也(花巻東)
小笠原慎之介(東海大相模)
上野翔太郎(中京大中京)
高橋純平(県岐阜商業)
森下暢仁(大分商業)
勝俣翔貴(東海大菅生)
【捕手】
伊藤寛士(中京大中京)
郡司裕也(仙台育英)
堀内謙伍(静岡)
【内野手】
平沢大河(仙台育英)
津田翔貴(浦和学院)
宇草孔基(常総学院)
杉崎成輝(東海大相模)
篠原涼(敦賀気比)
清宮幸太郎(早稲田実業)
【外野手】
豊田寛(東海大相模)
オコエ瑠偉(関東一)
舩曳海(天理)
投手陣には既にトップチーム経験者も
まずは投手陣。現千葉ロッテの成田翔投手が秋田商業高校より選出され、背番号12を背負って戦った。準決勝のキューバ戦では、高橋樹也(現・広島)、小笠原慎之介(現・中日)らとともに、相手打線をわずか3安打に抑える完封リレーを完成させる活躍を見せた。2015年ドラフト3位で千葉ロッテに入団すると、18年オフにはU-23ワールドカップに選出され、同年の日米野球で早くもトップチームに選出されるなど、順調にスターへの階段を上っている。
今季は、9月6日現在で一軍登板がない状況ながらも、ファームで自己最多の46試合に登板。2勝2敗、防御率2.38の好成績を残している。プロ5年目の来季は、左腕に悩むチームの柱として、表舞台に立つ日も近いはずだ。
福岡ソフトバンクの高橋純平投手も、成田投手と同じく準決勝に登板している。侍ジャパンでの背番号は18だ。県岐阜商高からドラフト1位でプロ入りを果たすと、今季は自己最多を大幅に更新する36試合に登板。防御率も2.61と安定し、福岡ソフトバンクのブルペンには欠かせない存在となった。今後のさらなる飛躍に注目したいところ。
野手陣にはドラフト1位が3人
一方の野手陣では、まず北海道日本ハムの清宮幸太郎選手を取り上げたい。当時、早稲田実業高の1年生ながらも選出され、チームの中軸として活躍すると、続く第27回大会では主将としてチームを牽引。さらに、今年はトップチームにも選出されるなど、将来の「日本の4番」として期待の高さがうかがえる。今季は開幕直後の怪我で出遅れながらも、一時期は4番も務めるなど選手として一回り大きくなった。
仙台育英高から侍ジャパンに選出された千葉ロッテの平沢大河選手は、主軸として活躍し、遊撃手のベストナインも獲得。ただ、今季は昨季の112試合を大きく下回る47試合出場にとどまっており、持ち味である打撃も打率2割台前半から1割台を記録するなど、苦しいシーズンとなっている。ポテンシャルの高さは誰もが認めているだけに、試合出場のチャンスをつかみたいところだ。
静岡高校から選出された堀内謙伍選手は、現在楽天でプレー。侍ジャパンでは正捕手も務めた逸材で、ベストナインにも選出された。プロ4年目の今季は昨季を大幅に上回る53試合に出場している。一方で、打率は.162と打撃面では課題を残す。もう一皮むけて、プロの舞台でも正捕手奪取を狙ってほしい。
最後は、関東一高から選出されたオコエ瑠偉選手。打線では1番と6番を務めたが、守備での貢献が大きく評価され、最優秀守備選手に選出されている。楽天ではここまで41試合出場ながらも、守備では美技を見せ、大衆を沸かせている。ファームでは44試合で打率.294と結果を残しているだけに、一軍の投手に対応できれば一気にブレイクしそうな予感。
文・吉田貴
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