横浜DeNA東克樹は2桁勝利の大活躍、北海道日本ハム清宮幸太郎は7発… 2017年12球団ドラ1たちの1年目

Full-Count

2018.10.19(金) 11:47

横浜DeNA・東克樹※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
横浜DeNA・東克樹※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

巨人鍬原、阪神馬場、東北楽天近藤の大卒投手は苦戦

 2018年のプロ野球はレギュラーシーズンの全日程が終了し、現在はポストシーズンの熱い戦いの真っ只中だ。クライマックスシリーズ進出を逃した球団はすでに来季に向けて動き出している。

 球界は17日からスタートするクライマックスシリーズのファイナルステージが終わると、25日にはドラフト会議が行われ、27日から日本シリーズへと突入していく。10月26日に行われた2017年のドラフト会議から、1年弱が経過。ここでは各球団の今季のドラフト1位選手の今季の成績、現在地を見ていきたい。

◯広島
中村奨成(広陵高)
1軍:出場なし
2軍:83試合214打数43安打4本塁打16打点 .201 出塁率.257

 甲子園で一躍スターダムを駆け上がり、中日との競合の末に地元の広島へ入団した捕手。将来の正妻候補、さらには強打の捕手と期待され、高卒1年目の今季はファームでじっくりと育てられた。1軍出場はなし。2軍では打率.201、4本塁打に終わったが、これからの成長が楽しみな選手だ。

◯東京ヤクルト
村上宗隆(九州学院高)
1軍:6試合12打数1安打1本塁打2打点 .083 出塁率.214
2軍:98試合365打数105安打17本塁打70打点 .288 出塁率.389

 清宮を入札で外した東京ヤクルト、巨人、東北楽天が外れ1位で競合し、抽選の末に東京ヤクルトに入団。高校時代は通算52本塁打の捕手だったが、プロ入り後は内野手に。9月16日の広島戦(神宮)で初先発初出場し、1打席目にプロ初打席初本塁打の離れ業をやってのけた。1軍出場は6試合だけ、安打もこの本塁打の1本だけだったが、イースタン・リーグではリーグ2位の17本塁打、リーグトップの出塁率をマークしており、ポテンシャルの高さを感じさせている。

◯巨人
鍬原拓也(北陸高→中央大)
1軍:6試合1勝2敗0セーブ0ホールド 27.2回 防御率6.83
2軍:9試合4勝3敗0セーブ 44.2回 防御率3.43

 清宮、村上を競合で逃した巨人に“外れ外れ1位”で入団。上半身のコンディション不良で出遅れたものの、5月31日の北海道日本ハム戦で初登板初先発。6月14日の福岡ソフトバンク戦ではプロ初勝利をマークした。ただ、不調によってファームに降格すると、その後、左脇腹痛を発症し、後半戦での1軍登板はなかった。1軍でも通用するボールの力はあるだけに、来季以降はローテの一角に入ってもらいたい投手だ。

◯横浜DeNA
東克樹(愛工大名電高→立命館大)
1軍:24試合11勝5敗0セーブ0ホールド 154回 防御率2.45
2軍:1試合1勝0敗0セーブ 7回 防御率2.57

 2017年のドラフト1位組で最も活躍したのが、この東だろう。横浜DeNAらしく一本釣りで単独指名に成功すると、開幕からローテ入り。4月5日の阪神戦(横浜)で初登板初先発、同12日の巨人戦(東京D)でプロ初勝利をマークした。ほぼ1年を通してローテを守り抜き、24試合で11勝をあげ、新人王の最有力候補だ。

◯中日
鈴木博志(磐田東高→ヤマハ)
1軍:53試合4勝6敗4セーブ12ホールド 49回 防御率4.41
2軍:10試合1勝1敗1セーブ 9.1回 防御率1.93

 中村奨成を競合で外し、外れ1位で中日が指名した鈴木。開幕から勝利の方程式の一角を担うと、4月21日の広島戦(ナゴヤD)では初勝利をマーク。田島の不振によりシーズン途中には守護神も任されたが、その後不調に陥ってファーム降格の悔しさも味わった。ただ、1年目から53試合登板は立派。来季はシーズンを通して勝利の方程式を担いたいところ。

◯阪神
馬場皐輔(仙台育英高→仙台大)
1軍:2試合0勝1敗0セーブ0ホールド 12回 防御率5.19
2軍:12試合6勝3敗0セーブ 60回 防御率3.30

 清宮、安田を抽選で外した阪神、福岡ソフトバンクが“外れ外れ1位”で競合し、阪神に入団。故障で出遅れたこともあって、プロ初登板初先発は6月21日のオリックス戦(甲子園)。1年目の1軍登板はわずか2試合で、プロ初勝利はならなかった。それでも、ウエスタンリーグでは6勝をマークし、ウエスタン・リーグ優勝、ファーム日本一に貢献。力強い真っ直ぐを武器に、矢野燿大2軍監督が1軍監督に昇格する来季は1軍の戦力となりたい。

福岡ソフトバンクの吉住はドラ1の中でただ1人、2軍でも出場なし

◯埼玉西武
齊藤大将(桐蔭学園高→明治大)
1軍:16試合1勝3敗0セーブ1ホールド 16.2回 防御率7.02
2軍:22試合0勝5敗1セーブ 49.2回 防御率4.71

 オリックスと競合した田嶋の“外れ1位”で入団。1軍では16試合に投げ、夏場の台所事情が苦しい時にチームの助けとなった。7月29日の千葉ロッテ戦(ZOZOマリン)でプロ初勝利をマーク。10月6日の福岡ソフトバンク戦ではプロ初先発を果たした。左サイド気味の変則左腕だが、制球には課題が残る。そこを克服すれば、先発、中継ぎ問わず、面白い存在になれる。

◯福岡ソフトバンク
吉住晴斗(鶴岡東高)
1軍:出場なし
2軍:出場なし

 清宮、安田、馬場と立て続けに競合し、抽選はまさかの3連敗。“外れ外れ外れ1位”で将来性重視の指名となった。高卒新人には徹底した体作りを課す球団方針もあり、今季の12球団ドラ1ルーキーでただ1人、1軍どころか2軍での出場もなかった。3軍で23試合に投げているものの、まだまだ育成段階。3年後、5年後の台頭を期待したい。

◯北海道日本ハム
清宮幸太郎(早実)
1軍:53試合160打数32安打7本塁打18打点 .200 出塁率.283
2軍:45試合160打数39安打17本塁打42打点 .244 出塁率.324

 千葉ロッテ、東京ヤクルト、北海道日本ハム、巨人、東北楽天、阪神、福岡ソフトバンクの7球団が競合した高校通算111本塁打の大砲。抽選の末に、北海道日本ハムに入団した。オープン戦期間中に限局性腹膜炎を発症して入院し、開幕1軍はならず。5月2日の東北楽天戦(札幌D)で先発で1軍デビューすると、いきなり安打。5月9日のオリックス戦(京セラD)ではプロ初本塁打を放つなど、デビューから7試合連続安打の新記録を作った。ただ、プロの壁は高く、1年目は7本塁打を放つも、打率.200に終わった。

◯オリックス
田嶋大樹(佐野日大高→JR東日本)
1軍:12試合6勝3敗0セーブ0ホールド 68.2回 防御率4.06
2軍:1試合0勝0敗0セーブ 3回 防御率0.00

 埼玉西武との競合の末に、オリックスに入団。即戦力の前評判通り、開幕ローテ入りを果たすと、3月31日の福岡ソフトバンク戦でプロ初登板初先発初勝利。その後も順調に勝ち星を増やして12試合で6勝をマークし、新人王の最有力候補に名前が挙がっていた。だが、左肘の張りなどで登録を抹消され、その後は今季の1軍登板はなかった。その能力は申し分なかっただけに、来季は大黒柱としての活躍が期待される。

◯千葉ロッテ
安田尚憲(履正社高)
1軍:17試合53打数8安打1本塁打7打点 .151 出塁率.250
2軍:106試合398打数108安打12本塁打67打点 .271 出塁率.322

 清宮の“外れ1位”で千葉ロッテ、阪神、福岡ソフトバンクが競合し、抽選の末に千葉ロッテ入り。育成のためにファームで順調に出場機会を重ね、イースタン・リーグで106試合に出場し、12本塁打を放った。8月10日のオリックス戦で1軍デビュー。10月2日の福岡ソフトバンク戦では待望のプロ初アーチを放った。来季以降、千葉ロッテ打線の中核を担うべき存在だ。

◯東北楽天
近藤弘樹(岡山商科大)
1軍:9試合0勝2敗0セーブ0ホールド 29回 防御率6.83
2軍:16試合5勝6敗0セーブ 81.1回 防御率3.10

 清宮、村上を競合の末の抽選で外し“外れ外れ1位”で東北楽天入り。6月6日の巨人戦で初登板初先発して1軍デビューを果たしたが、5回途中で降板して敗戦投手に。その後は、リリーフを中心に1軍で9試合に登板したものの、初勝利はならず、防御率6.83だった。来季は1軍の戦力として活躍してもらいたいところだ。

 シーズンを通して1軍で活躍したのは横浜DeNAの東だけ。中日の鈴木も53試合に投げているものの、一時、ファームで再調整の期間があった。北海道日本ハム清宮、千葉ロッテ安田、東京ヤクルト村上という高卒のスラッガー3人は、それぞれプロ初本塁打を放ち、大器の片鱗を見せつけている。彼らが来季以降、どんな活躍を見せてくれるだろうか。

(Full-Count編集部)

記事提供:Full-Count

記事提供:

Full-Count

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE