長年、日本のプロ野球界でドミニカ共和国出身の選手たちが活躍してきた。現在のパ・リーグでは、2025年に本塁打と打点の二冠に輝いたフランミル・レイエス選手や、2023年の最優秀中継ぎ投手であるルイス・ペルドモ投手、来日初年度から3年連続20本塁打のグレゴリー・ポランコ選手といった顔ぶれが並ぶ。
今年6月12日には、エスコンフィールドにて「ドミニカ共和国DAY(Dominican Republic Day)」が開催。ドミニカ共和国の文化を体感できる同イベントでファーストピッチを務めたのが、エドワード・アニバル・ペレス・レジェス駐日ドミニカ共和国大使だ。
今回は、そのペレス大使にインタビュー。ドミニカ共和国において、野球はどのような存在なのか。同じく野球大国である日本との交流、そして、日本で活躍するドミニカ共和国出身選手についてお話をうかがった。
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3月の「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」でも注目を集めたように、ドミニカ共和国は数多くのスター選手を輩出している。その地のカルチャーには、同国が世界有数の野球大国となった背景がある。
「ドミニカ共和国では『赤ちゃんは生まれるときに、バットとボールを握りながらお腹から出てくる』というフレーズがあるほど、野球は大切な要素です。子どもたちにとって日常の存在で、バットやボールといった道具があまり手に入らない環境でも、子どもたちはほうきの柄をバット代わりに、丸めた靴下をボール代わりにしてプレーします。また、野球は練習する習慣やチームプレーの心を身につけるための大事なスポーツでもありますね」

大洋を隔てた2国をつなぐ“野球”の存在
野球が文化や生活に結び付いているのは日本も同じだ。国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)や世界貿易機関(WTO)など、さまざまな国際機関で外交官としてキャリアを歩んできたペレス大使は、野球が日本とドミニカ共和国の2国間をつなぐ架け橋になっていると話す。
野球を通じてお互いの国を知り、魅力に触れる。北海道日本ハムファイターズと共同で行った「ドミニカ共和国DAY」は、まさにそれを体現するイベントだった。
球場では、レイエス選手、ロドルフォ・カストロ選手、サウリン・ラオ投手の母国での様子を収めた写真の展示のほか、ドミニカ共和国を代表するダンス「メレンゲ」「バチャータ」のパフォーマンス、カーニバルの衣装の披露などが実施され、野球以外の文化も体感できる機会に。
同日のファーストピッチのマウンドに上がったペレス大使は「会場の熱気が伝わってきて、本当に素晴らしい時間だったと思っています。準備していただいたチームに対しても、ファンのみなさんに対しても、感謝の気持ちでいっぱいでした。人と人との関わりが感じられるような瞬間でしたし、みなさんにハグをされているような、そんな感覚になりました。また、みなさんのドミニカ共和国に対する理解や思いも感じることができて、大変感動的な場面でした」と振り返る。
ファーストピッチでは、バッター役をレイエス選手、キャッチャー役をカストロ選手、アンパイア役を中日のミゲル・サノー選手が務め、和やかな雰囲気に包まれたことでも話題になった。
「3名もの日本で大活躍するドミニカ共和国の選手に囲まれて、本当に緊張もしましたし、素晴らしい時間でした。私が投げる直前に、レイエス選手が『ホームランを打ちますからね』と冗談を言って、みんなで笑い合いました。ファンのみなさんも、私たちと一緒に笑顔になってくれたと思いますし、その瞬間はとても幸せな時間だったなと思います」
イベントの熱気だけでなく、ペレス大使はエスコンフィールドという球場そのものにも魅了されたという。
「これまでに世界中のスタジアムを訪問したことがありますが、エスコンフィールドは特にレベルが高く、近代的な建物で本当に過ごしやすい場所でした。今、ドミニカ共和国の首都・サントドミンゴにもスタジアムを建築中ですが、エスコンフィールドのような素晴らしいスタジアムにしてもらいたいなと思いました。思わずどこの会社が建築を担当したのか聞いたほどです」と笑顔で明かした。
また同日の試合前には、ドミニカ共和国大使館からレイエス選手に功労賞が授与された。どのような経緯で同賞が贈られることになったのか。後編へ続く。
【後編はこちら】
インタビュー・文 高橋優奈
