事前に想定も「まず無いだろう」レアな“振り逃げ”を元NPB審判員と振り返る

パ・リーグ インサイト

2025.12.30(火) 08:01

振り逃げのシーンを元NPB審判員・坂井遼太郎さんと振り返る©パーソル パ・リーグTV
振り逃げのシーンを元NPB審判員・坂井遼太郎さんと振り返る©パーソル パ・リーグTV

 パーソル パ・リーグTV公式YouTubeにて、野球界の常識をアップデートする番組『P's UPDATE』を公開中だ。12月29日(月)配信のテーマは『振り逃げの正体』。中日OBの荒木雅博さん、千葉ロッテコーチの西岡剛さん、元NPB審判員の坂井遼太郎さんをゲストに迎え、「振り逃げ」のルールを動画とともに確認した。

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 動画内では、よく見られる場面から、“振らない”振り逃げなどさまざまなシチュエーションでの振り逃げを動画でチェック。その中でもレアな2つの振り逃げを紹介する。

 1つ目は2014年5月6日、福岡ソフトバンク対北海道日本ハムの試合で起きたもの。1対1の9回裏、1死2、3塁の場面で、松田宣浩選手が三振に倒れるも、ボールを捕手が逸らし、振り逃げでサヨナラとなったシーンだ。

 ここで気になるのが松田選手が1塁へ走り出していないこと。実際に現場にいたという坂井さんは、1死なので打者がアウトになったとしてもサヨナラは成立するため、問題は起きなかったというが、「2アウトだったらどうする?」と審判同士で議論になったようだ。2死ならば一塁に投げてアウトでチェンジとなるが、「(その場合)多分揉めるんですよ」と語った。

 2つ目は2015年5月19日、北九州市民球場で行われた福岡ソフトバンク対オリックス、7回裏の後藤駿太選手の打席でさらにレアなケースが起こった。ベース付近でワンバウンドした球が看板の上に乗り、捕手・高谷裕亮選手が見失ったボールを探している間に3塁まで進塁したのだ。

 西岡さんは「(ボールデッドで)プレーストップでしょ?」と確認。しかし事前に坂井さん含む審判団がローカルルールとして看板に乗った場合はインプレーと定め、両監督にも説明していたため、プレーは続行されたという。「まず無いだろう」と思っていたことが起きた、非常に印象的な出来事だったようだ。

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