新監督として新庄剛志(BIGBOSS)監督を迎えた2022シーズン。「BIGBOSSトライアウト」と位置付けられたこのシーズンは、支配下登録の日本人選手全員が一軍で起用された。最下位に沈んだものの、若手主体のチームであり伸びしろは十分。今回は、本拠地をエスコンフィールドに移して迎える2023シーズンに、さらなるブレイクが期待される選手たちを紹介する。
甲子園を沸かせたドラ1が初の50試合登板達成
2018年夏の甲子園で「金農旋風」を巻き起こしたドラフト1位が覚醒の兆しをみせた。
吉田輝星投手は昨季、主に中継ぎとして51試合に登板。2021年までプロ通算10試合登板だったが、春季キャンプ中にレジェンド・藤川球児氏からアドバイスをもらい意識改革。シーズン中も頻繁に連絡を取り合い、藤川氏直伝の「火の玉ストレート」を武器にチームを支えた。先発に挑戦する今季は、どのような活躍を見せるか。
2桁勝利なるか。道産子サウスポー
2020年のドラフト5位で入団した根本悠楓投手。2年目の昨季にプロ初登板を果たし、初勝利を挙げるなど、主に先発として13試合に登板。60.2回を投げて3勝3敗、防御率2.52と安定した成績を残した。
また、オリックスから北海道日本ハムへFA移籍、正捕手として期待される伏見寅威選手が、期待の投手として名を挙げている。宮城大弥投手、山崎福也投手、田嶋大樹投手といった左腕と組んできた伏見選手が、根本投手覚醒のきっかけとなるか。
ノーヒットノーランをリード。正捕手奪取へ
古川裕大選手は2020年のドラフト3位で入団。昨季は念願の一軍デビューを果たし、8月27日の福岡ソフトバンク戦ではポンセ投手を好リード。ノーヒットノーラン達成の立役者となった。また、捕手だけでなく外野手としても出場し、自慢の強肩を披露。
今季は捕手に伏見選手とアリエル・マルティネス選手が加入する。激化する正捕手争いの中で、存在感を示せるか。
“神川畑” がチームを救う
2021年のドラフト会議で全体最後に指名を受け、9位で入団した上川畑大悟選手。ルーキーイヤーの昨季は5月末から一軍に帯同、最終的にはチーム最多の71試合に出場し守備率.993、規定打席未到達ながら打率.291をマークした。
社会人時代から評価が高かった守備のみならず打撃でも結果を残し、“神川畑”の愛称で親しまれた昨季。その名にふさわしい活躍を続け、1年間遊撃手のポジションを守りきれるか。
6球団競合ドラ1が遂に覚醒か
高校通算111本塁打の歴代最多記録を引っ提げ、2017年のドラフト会議で6球団から1位指名を受けて北海道日本ハムに入団した清宮幸太郎選手。1年目から3年目までは毎年7本塁打を放ち、潜在能力を見せていたが、2021年は一軍出場なしに終わった。
しかし5年目の昨季、新庄監督に指摘されたことをきっかけに減量に取り組むと、その才能が開花し、129試合の出場で自身初の規定打席に到達。打率こそ.219に終わったが、チーム最多・リーグ5位の18本塁打を記録した。新球場1年目での優勝を目標に掲げた今季は、さらに成長した姿を見せたい。
開幕戦で4番が目標。新球場で初本塁打を
2年生ながら4番として夏の甲子園優勝を果たし、2018年のドラフト2位で入団した野村佑希選手。昨季は93試合に出場して打率.279、6本塁打をマーク、チーム最多の52試合で4番に座った。背番号を「24」から「5」に変えて臨む今季は、開幕4番、新球場初本塁打の目標をまず達成し、4番・三塁手としてシーズンを通した活躍を見せたい。
北海道が生んだ長距離砲
2020年のドラフト6位で地元の球団・北海道日本ハムに入団した今川優馬選手。2021年に記念すべきプロ初安打・初本塁打を地元北海道で記録した。昨季は、出場機会を大幅に増やし、97試合で打率.227、10本塁打39打点をマーク。プロ入り後もファイターズのファンクラブ会員を継続していることから、「最強ファンクラブ会員」とも称されるチームの元気印は、目標とする20本塁打達成へキャンプからアピールなるか。
抜群の身体能力でし烈な外野手争いへ
2018年のドラフト4位で入団、抜群の身体能力が武器の万波中正選手。昨季は一軍で100試合に出場し、自己最多の14本塁打を放った。打率.203で112三振と確実性に課題は残るが伸びしろは十分。
今季は、阪神から江越大賀選手、ドラフト1位指名で二刀流・矢澤宏太選手が入団。し烈な外野手争いを勝ち取り、飛躍の1年にしたい。
2023シーズンは「優勝しか目指さない」
「今年は優勝しか目指さない」と語った新庄監督。チームは近年稀にみる大補強を行っており、FAで伏見選手、トレードで齋藤友貴哉投手、江越大賀選手、山田遥楓選手を獲得している。
しかし、優勝するには生え抜き選手たちの活躍は必須。プロスペクトが多い北海道日本ハムから今シーズンはどの選手がブレイクするのか。新球場で迎える2023シーズンに期待が高まる。
文・輿水佑一郎
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