侍ジャパン同様、CPBLも来年3月のWBCに向け動き始めている。WBC台湾代表の林岳平監督と、高志綱ヘッドコーチは11月初旬に訪日、侍ジャパンとオーストラリア代表の強化試合を観戦後、埼玉西武の呉念庭、オリックスの張奕(編集部注:張奕は人的補償で埼玉西武へ移籍)と面会し、大会への出場意思を確認した。
11月17日、50人リストが確定、メンバーの詳細は発表されなかったが、出場を打診していた台湾系アメリカ人、コービン・キャロル(ダイヤモンドバックス)とスチュアート・フェアチャイルド(レッズ)は来季開幕に全力で備えたいという理由により、代表入りを辞退したことが明らかになった。また、今季、台湾人選手で唯一、メジャーでプレーした張育成はリスト入りしたものの、その後、ノンテンダーFAとなった為、出場は不透明となっている。ただ、元メジャーリーガーの林子偉は、出場を明言している。
台湾メディアによると、呉念庭や張奕に加え、東北楽天の宋家豪や、北海道日本ハムと育成契約を結んだ王柏融も代表合宿参加が決定しているといい、合宿への参加時期は所属球団との話し合いになるという。WBC台湾代表は台湾プロ野球の主力選手を主体とし、そこにNPBや米マイナーリーグでプレーする選手らが加わるかたちとなりそうだ。
台湾中部、台中市のインターコンチネンタル球場で行われるプールAは、台湾のほか、キューバ、イタリア、オランダ、そして予選勝ち上がりのパナマが入った。ライバル4チームはいずれも現役メジャーリーガーの参加が有力視されており、厳しい戦いになりそうだ。
なお、この台中ラウンドには、CPBL一軍5球団から人気のチアガールも計21名参加する。チアガールが盛り上げ、地元ファンの熱狂的な声援を力にかえて強敵を打ち負かし、東京ドームで行われる準々決勝進出をめざしたい。呉念庭の期待通り、日本との対戦が実現すれば、台湾の選手、ファンにとっては最高のシナリオといえる。
2023年WBC台湾代表は、元NPB選手を含め、日本とゆかりのある選手が最も多い外国チームになることだろう。NPB、パ・リーグファンの皆さんには、ぜひ、台湾代表の動向も気にかけていただきたい。(情報は12/12時点)
文・駒田英
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