143試合の激闘を経て、日本シリーズ進出をかけた戦いが新たに始まる
10月8日、「2022 パーソル クライマックスシリーズ パ」が開幕する。シーズン最終戦で劇的な逆転優勝を飾ったオリックス、優勝目前で涙をのんだ悲劇からの逆襲を期す福岡ソフトバンク、3位からの下克上を虎視眈々と狙う埼玉西武の3チームが、日本シリーズ進出をかけて火花を散らす。
今回は、この3チームにおいて今季ブレイクを果たした選手たちを、投打に1名ずつ紹介。“いいはたらき”をしたと思う選手へのファン投票で選出される「パーソル賞」受賞の期待もかかる俊英たちの活躍にエールを!
宇田川優希投手(オリックス)
宇田川優希投手は今年7月に育成から支配下に昇格したばかりだが、8月16日に失点を喫して以降、レギュラーシーズン終了まで13試合・17イニング連続無失点を継続。150km/h台後半に達する快速球と鋭く落ちるフォークを生かした豪快な投球で、防御率0.81、奪三振率12.90という抜群の成績を残した。
チームが優勝を決めた10月2日の試合では、2点を先制されてなお無死1,2塁という状況で登板し、そこから2イニングを無失点と好投して相手打線の流れを止めた。ロングリリーフと火消しの双方をこなせる宇田川投手の重要性は、短期決戦ではこれまで以上に高まってくるはずだ。
2020年に支配下ではなく育成でのドラフト指名を受け、悩み抜いた末にプロ入りを選択してから2年。今や奇跡の逆転優勝の立役者の一人となった若き剛腕はポストシーズンでも輝きを放ち、シンデレラストーリーを最高のかたちで締めくくることができるか。
中川圭太選手(オリックス)
2019年に新人としては史上初となる交流戦の首位打者に輝いた中川圭太選手だが、2020年からの2年間は打撃不振にあえいだ。しかし、今季は交流戦直前から安打を量産し、その勢いのままクリーンアップの一角へと定着。持ち味のシュアな打撃を存分に披露し、自身初の規定打席到達を果たした。
終盤に調子を落として惜しくも打率.300には届かなかったが、リーグ5位の打率.283とシーズンを通して奮闘。守備面でも本職は内野手ながら、一塁に加えて外野の3ポジション全てをこなし、離脱者が続出したチームを攻守両面で支えてリーグ優勝に貢献した。
中嶋聡監督は2020年途中に監督代行へと就任した直後に中川圭選手をクリーンアップに据えるなど、非常に大きな期待をかけてきた。ついにその期待に応えて主力打者へと成長した「最後のPL戦士」が、ポストシーズンでも躍動を見せ、日本シリーズの舞台に再び恩師を連れていけるかに注目だ。
藤井皓哉投手(福岡ソフトバンク)
藤井皓哉投手は2020年オフに広島を戦力外となり、独立リーグを経て2021年オフに育成選手として福岡ソフトバンクに入団した。開幕前の実戦で好投して支配下登録を勝ち取ると、その勢いのまま大ブレイク。9月末の時点で防御率0.81と、リリーフとして驚異的な安定感を示した。
150km/hを優に超す直球に加えて、どちらも空振りを奪えるフォークとスライダーという2つの変化球を持つ藤井投手。奪三振率12.94という圧巻の数字が示す通り、その投球はNPB復帰1年目にして、数多の好打者たちを沈黙させるほどの高い完成度を誇っている。
激しさを増す優勝争いの中でも安定した投球を続けてきた藤井投手だが、引き分け以上で優勝だった10月1日の埼玉西武戦で、延長11回に痛恨のサヨナラ2ランを被弾。責任を感じ、人目もはばからずに涙を流したセットアッパーは、早速訪れた埼玉西武へのリベンジの機会に燃えているはずだ。
柳町達選手(福岡ソフトバンク)
柳町達選手はプロ3年目の今季に大きく飛躍し、外野の一角として107試合に出場して打率.277を記録。出塁率.357という数字は100打席以上に立った選手の中ではチーム最高で、積極的な打者が多いホークスにあって、優れた選球眼で打線にアクセントを加えている。
打撃のみならず、柳町選手は守備面でも柔軟性を発揮。レフトを守るグラシアル選手、ポジションをライトに移した柳田悠岐選手、外野で起用される際にはセンターを守るユーティリティの牧原大成選手との兼ね合いもあり、チーム事情に応じて外野の全ポジションをこなしてきた。
終盤戦では相手先発が右投手の時にスタメン出場し、下位から上位につなぐ役割を担ってきた柳町選手。埼玉西武は先発、リリーフともに若手の右投手が主軸を担うだけに、選球眼の良い左打者である柳町選手の活躍が、関門突破のカギを握ってきそうだ。
水上由伸投手(埼玉西武)
水上由伸投手は昨季5月に支配下登録を勝ち取ると、一軍デビューから17試合連続無失点、29試合で防御率2.33と大いに存在感を発揮。そして、今季も開幕から一軍のブルペンに加わると、昨年を上回る抜群の投球内容を披露し、リリーフ陣の柱の一人となった。
3月から7月までの5か月間は全て月間防御率が1点台以下で、7月には11試合を無失点という完璧な投球を見せて「大樹生命月間MVP」を初受賞。最終的に60試合に登板して防御率1.77、リーグトップの35ホールドポイントを記録。同僚の平良海馬投手と並んで、自身初タイトルとなる最優秀中継ぎに輝いた。
スライダー、カットボール、シュート、フォークといった多彩な変化球を制球よく投げ分け、打たせて取る投球が持ち味。1イニングごとに出した走者を示す「WHIP」は0.91と、ランナーを溜めない点も頼もしい。自身初のポストシーズンでも、打者を手玉に取る投球術を存分に見せてほしいところだ。
平沼翔太選手(埼玉西武)
北海道日本ハムからの移籍後もなかなか結果を残せなかったが、今年9月に外崎修汰選手の故障によって一軍に再昇格。そして、9月の月間打率.313、OPS.861と奮闘を見せてこのチャンスを活かし、スタメンの座を確保。CS進出をかけた直接対決、9月28日の東北楽天戦で値千金の決勝本塁打を放ち、チームのAクラス入りにも貢献した。
平沼選手と同じく甲子園の優勝投手である高橋光成投手と今井達也投手は、それぞれ投手陣の主力として活躍している。野手としてプロの舞台で勝負する平沼選手は、若き右腕2名とはまた違ったかたちで主力に定着できるか。Aクラス争いの大一番で見せた勝負強さをポストシーズンでも発揮できれば、その可能性はぐっと高まることだろう。
シーズンの勢いそのままに、「シリーズ男」となる選手は現れるか
ポストシーズンでは思いきった継投が行われることも多く、リリーフ陣の活躍がシリーズ全体の成否を分けた例は過去にも多く存在する。また、短期決戦における好調な打者、いわゆる「シリーズ男」の存在が、チームに勢いをもたらした例も枚挙にいとまがない。
今回紹介した選手たちは、いずれもレギュラーシーズンで活躍した勢いをもってCSに臨む。それだけに、好調なパフォーマンスを見せてチームに勢いをもたらす可能性も十分といえよう。間もなく始まるCSにおいても、6名の若き逸材たちのプレーに、とりわけ注目してみてはいかがだろうか。
文・望月遼太
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