「Monday パ」では、一軍公式戦が行われないことの多い月曜日でも、皆さまにパ・リーグを楽しんでもらえるよう、パ・リーグの旬な情報を配信しています。毎月第○月曜日の数字にちなんでピックアップした情報をお届けします。各週毎のテーマは以下の通り。
第1月曜日・・・「初」記録特集
第2月曜日・・・「二」軍のネクストブレイク選手を特集
第3月曜日・・・気分爽快! 奪「三」振特集
第4月曜日・・・豪快な一撃! ホームラン特集
第5月曜日・・・ 5、8、10月限定の番外編! 内容はお楽しみに
9月第3月曜日の今日は、奪三振を特集します。いよいよシーズンも残すところわずか。今回は今最も勢いがあるとも言える、あのチームから若きリリーバーをピックアップします!
奪三振率は松井裕樹を上回る。首位争いを繰り広げるチームの勝ちパターンとしてフル稼働
7月末に支配下登録を受け、彗星のごとく一軍の舞台に現れたオリックス・宇田川優希投手。8月3日にプロ初登板を果たすと、9月8日にはプロ初勝利もマーク。ここまで16試合に登板し、防御率1.04の好成績を残している。
宇田川投手は高い奪三振能力も魅力の一つ。9イニング平均で奪う三振数を表す“奪三振率”も驚異の“14.54”を示し、これは東北楽天の守護神・松井裕樹投手の“14.50”をわずかに上回る数字だ。
もちろん、イニング数や投げる場面でのプレッシャーは、松井裕投手と同じ土俵では比べられない。しかし、今季中盤までは背番号が3桁だった若き投手が、優勝争いを繰り広げるチームの勝ちパターンの一角として残している数字だとすれば、その凄さは伝わるはずだろう。
ウイニングショットは「2」つ。“勝利を呼び込む”宇田川優希の投球術
そんな宇田川投手の投球をデータで見ていこう。まず持ち球は主に「ストレート」「フォーク」「スライダー」の3つ。特に最速150キロ台後半の直球は、投球の半数以上を占めており、いわゆる“本格派右腕”と言えるだろう。
さらに三振を奪った“ウイニングショット”に絞って見ると、球種はストレートとフォークのわずか2種類になる。中でもここまで奪った28三振の内、6割に迫る16個はフォークボール。力強い速球に振りおくれまいとすると、ストンと落ちるフォークボールに空振りしてしまうのだ。
その投球は球界を代表する打者にも通用する。プロ初勝利を挙げた9月8日の埼玉西武戦では、森友哉選手、山川穂高選手ら主軸から3者連続三振。打者8人に対して5奪三振をマークするなど、その名を一気に轟かせた。
挙げた勝利はこの1勝のみだが、チームも宇田川投手が登板するようになった8月以降、一気に首位争いへ名乗りを挙げ、いまや首位と「0」差で連覇も現実味を帯びた立ち位置まで上がってきた。宇田川投手の“勝利を呼び込む”力強い投球にも、ぜひ注目していただきたい。
今週のパ・リーグ見どころ
シーズンもいよいよ大詰めの今週は、月曜日の今日もパ主催3試合が行われた。首位の可能性がある4チームによる、オリックス対福岡ソフトバンク、埼玉西武対東北楽天の対戦はともに最終回に試合が動き延長戦に突入する大熱戦。それぞれ2連勝中のオリックスと東北楽天が試合を決め、3連勝を飾った。
これでプレーオフに向けた順位争いにも変化が。東北楽天に2連勝を飾りマジックが点灯した福岡ソフトバンクだったが、2位オリックスとのゲーム差は「0」と肉薄。3位・東北楽天は7連敗で4位に転落した埼玉西武に「2」ゲーム差を付けた。
明日は埼玉西武と東北楽天が4連戦最終対決。首位・福岡ソフトバンクは北海道日本ハムとの今季カード最終戦を迎える。オリックスは千葉ロッテと本拠地を入れ替えながら二戦。週末には福岡ソフトバンクと千葉ロッテとの三連戦、東北楽天とオリックスの直接対決も控えるなど、1試合ごとに一喜一憂してしまいそうな戦いが控える。今週もパ・リーグに要注目だ。
文・小野寺穂高
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