3者連続本塁打が出た年の埼玉西武は優勝する? 縁起の良い“ジンクス”とは

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埼玉西武ライオンズ・森友哉選手(左)山川穂高選手(中央)呉念庭選手(右)(C)パーソル パ・リーグTV
埼玉西武ライオンズ・森友哉選手(左)山川穂高選手(中央)呉念庭選手(右)(C)パーソル パ・リーグTV

リーグ連覇を達成した2019年以来、3年ぶりの快挙となった

 2022年9月6日の千葉ロッテ戦で、埼玉西武の森友哉選手、山川穂高選手、呉念庭選手が次々とアーチを放ち、3者連続本塁打という離れ業を演じた。チームにとっても、2019年以来3年ぶりの快挙達成となっている。

 近年の埼玉西武では2018年と2019年に2年続けて3者連続本塁打が飛び出したが、これはチームのリーグ連覇と重なる時期となっている。さらに、チーム名が埼玉西武に変わる前の1997年と2004年にも、ライオンズは3者連続本塁打を記録。そして、この2シーズンにおいてもチームはリーグ優勝を成し遂げているという、興味深い事実が浮かび上がってきた。

 こうした歴史を振り返ってみても、ライオンズにとって、3者連続本塁打は非常に縁起の良い記録といえよう。今回は、先ほど紹介した4度の3者連続本塁打を放った選手たちと、各シーズンにおいてライオンズが見せた戦いぶりを、あらためて振り返っていきたい。

圧倒的な破壊力を誇った打線の中軸を担った2名と、頼れるベテランによる快挙

 まずは、2018年9月24日の楽天戦で3者連続本塁打を放った選手たちの顔ぶれと、同年の打撃成績を紹介しよう。

2018年 3者連続本塁打メンバー(C)PLM
2018年 3者連続本塁打メンバー(C)PLM

 2018年の埼玉西武は、打率、安打、得点、盗塁、四球、出塁率、長打率といった数字でリーグトップの数字を記録。圧倒的な打撃力と堅実な守備を誇った野手陣の活躍は目覚ましく、防御率がリーグワーストとやや安定感に欠けた投手陣をカバー。序盤から首位の座を譲ることなく、2008年以来10年ぶりとなるリーグ優勝を勝ち取っている。

 3番の浅村栄斗選手と4番の山川選手は、そんな強力打線の主軸として大活躍。浅村選手は打点王、山川選手は本塁打王・リーグMVPと、いずれも主要タイトルを獲得している。最後まで打点王を争った2名の強打者が連続して打席に入る打順のつながりは、対戦相手にとってはライオンズ打線の恐怖の象徴と呼べるものでもあった。

 また、栗山巧選手は6月ごろに一旦調子を落としたものの、シーズンが深まるにつれて調子を上げていき、随所で勝負強さを発揮して優勝に貢献。30本を超えるホームランを放った浅村選手と山川選手に加え、シーズン本塁打が8本だった栗山選手が、そのタイミングで本塁打を記録した点も、ベテランならではの勝負勘と言えるかもしれない。

2年連続の達成ながら、そのメンバーは前年とは全く異なるものに

 次に、2019年8月15日のオリックス戦で3者連続本塁打を放った選手たちと、同年の打撃成績を見ていきたい。

2019年 3者連続本塁打メンバー(C)PLM
2019年 3者連続本塁打メンバー(C)PLM

 このシーズンも前年に引き続き、埼玉西武打線がパ・リーグを席巻。打率、安打、得点、盗塁、四球、出塁率、長打率と、2018年から2年続けてリーグトップとなったカテゴリーも多かった。2年続けて防御率はリーグ最下位かつ、主力の浅村選手が前年オフに移籍したものの、抜群の得点力でそうした不安要素を跳ねのけ、見事にリーグ連覇を達成している。

 8月15日のオリックス戦では2年連続となる3者連続本塁打が飛び出したが、その顔ぶれが前年とは一人も被っていない点も興味深い。森選手は浅村選手が抜けた3番に座り、首位打者に加えてリーグMVPにも輝いた。中村剛也選手はシーズン途中に調子を崩した山川選手に代わって4番を務め、36歳にして自身4度目の打点王に輝く充実のシーズンを送った。

 そんな中で、源田壮亮選手は25個の犠打という数字が示す通り、主に2番打者としてつなぎ役を担っていた。シーズン本塁打もわずか2本、2022年現在でも通算14本塁打と、前年の栗山選手以上に本塁打自体が貴重な選手といえる。そんな源田選手がこの年に放った2本塁打のうちの1本が、3者連続弾につながる一打となった、という点も面白いところだ。

達成者はいずれも打率.300超え。当時のチームカラーが色濃く出ていた

 続いて、1997年9月29日の日本ハム戦で記録された3者連続本塁打のメンバーと、同年の打撃成績を見ていきたい。

1997年 3者連続本塁打メンバー(C)PLM
1997年 3者連続本塁打メンバー(C)PLM

 この年の西武は1980年代から90年代にかけて続いた黄金時代のカラーが色濃く残っており、機動力野球を標榜。ダントツ1位の200盗塁という数字に加え、打率.281もリーグトップ。本塁打数はリーグ5位ながら得点数はリーグ1位という堅実な攻めと、リーグ2位の防御率を記録した投手陣が合わさった、投打にバランスの取れた戦いぶりを見せていた。

 鈴木健氏はチームの4番打者を務め、規定打席未満の年も含めると1994年からの4シーズンで3度の打率3割を記録。この1997年には自身唯一の打撃タイトルとなる、最高出塁率にも輝いている。ドミンゴ・マルティネス氏は1997年から2年続けて30本塁打をクリア。独特の風貌と高い打撃技術も相まって、「マルちゃん」の相性で親しまれた人気選手だった。

 佐々木誠氏はダイエー時代の1992年に首位打者を獲得した好打者で、1993年オフの大型トレードで移籍後も主力として活躍。この1997年は、西武時代では唯一となる打率.300超えを果たしている。3者連続本塁打を記録した3名はいずれもシーズン打率.300を超えており、機動力と好打を軸にしたこの年のライオンズらしいメンバーでもあった。

リーグ戦2位ながら、プレーオフを勝ち抜き栄冠を手にした2004年

 最後に、2004年4月3日の北海道日本ハム戦で記録された、3者連続本塁打を放ったメンバーの同年成績を確認しよう。

2004年 3者連続本塁打メンバー(C)PLM
2004年 3者連続本塁打メンバー(C)PLM

 2004年のライオンズはレギュラーシーズンを2位で終えたものの、この年から導入されたパ・リーグのプレーオフで優勝し、当時の規定によりリーグ優勝を勝ち取った。リーグトップタイの183本塁打に加えて、リーグトップの97盗塁を記録。重量打線と機動力のバランスが取れた、近年のライオンズに通ずる野球を展開していたといえよう。

 大島裕行氏は高卒4年目の2003年に、96試合で打率.307、OPS.809と活躍。2004年は打率こそ落としたが自己最多の8本塁打を記録し、3者連続本塁打が記録された試合では、2番打者として最初の一発を放っている。ホセ・フェルナンデス氏は千葉ロッテからの移籍1年目で2年連続の30本塁打超えを達成し、期待通りの活躍でチームの日本一に貢献した。

 和田一浩氏は大卒社会人でプロ入りし、2002年に30歳にして初の規定打席に到達。そこから14年間にわたって第一線で活躍し、通算打率.303、2050安打、1081打点というすばらしい数字を残した。この2004年は3年連続となる打率3割・30本塁打を達成。OPSは首位打者と最多安打の2冠に輝いた2005年を上回る数字で、強打者として大いに存在感を示した。

今季の埼玉西武は果たして……?

 埼玉西武は1997年以降では7度のリーグ優勝を達成しているが、そのうちの4シーズンにおいて3打席連続本塁打が記録されていた。また、源田選手のように本塁打数が少ないタイプの選手も含めて、今回取り上げた選手の大半がチームの主力として活躍を見せた選手たちだった、という点も興味深いポイントといえる。

 2018年と2019年のリーグ連覇時も主力を務めた森選手と山川選手に加え、勝負強い打撃とユーティリティ性を活かしてマルチな活躍を見せる呉選手もまた、チームに欠かせない存在だ。はたして、今季の3者連続本塁打も、優勝に向けた「号砲」となるのだろうか。熾烈な優勝争いの行方と、先述した3選手の残るシーズンでの活躍に注目だ。

文・望月遼太

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