【Monday パ】東北勢初優勝の快挙!「仙台育英出身」パ選手の現在地 〜Aug. 5th week〜

パ・リーグ インサイト

2022.8.29(月) 22:09

左から、上林誠知選手、平沢大河選手、西巻賢二選手、入江大樹選手(C)パーソル パ・リーグTV
左から、上林誠知選手、平沢大河選手、西巻賢二選手、入江大樹選手(C)パーソル パ・リーグTV

「Monday パ」では、一軍公式戦が行われないことの多い月曜日でも、皆さまにパ・リーグを楽しんでもらえるよう、パ・リーグの旬な情報を配信しています。毎月第○月曜日の数字にちなんでピックアップした情報をお届けします。各週毎のテーマは以下の通り。

第1月曜日・・・「初」記録特集
第2月曜日・・・「二」軍のネクストブレイク選手を特集
第3月曜日・・・気分爽快! 奪「三」振特集
第4月曜日・・・豪快な一撃! ホームラン特集
第5月曜日・・・ 5、8、10月限定の番外編! 内容はお楽しみに

 8月第5月曜日の今日は、番外編です。22日に行われた第104回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)。仙台育英学園高校野球部は決勝戦で見事勝利し、東北勢として初めて真紅の大優勝旗を手にしました。そこで今回は現在パ・リーグの舞台で活躍する、4名の“先輩”をピックアップします(成績は8月29日時点)。

浦和学院・小島和哉との熱闘。4番としてチームをけん引の上林誠知

 2013年、第95回大会にも出場を果たした上林誠知選手。チームメイトには、ともに現阪神の馬場皐輔投手や熊谷敬宥選手らがおり、上林選手が4番に座る強力打線で宮城大会を勝ち上がった。夏の甲子園初戦では現千葉ロッテの小島和哉投手擁する、浦和学院高校と対戦。3時間に迫る熱闘の末、11対10のサヨナラ勝ちでこの年の選抜覇者を撃破した。

 上林選手は、同年のドラフト会議で福岡ソフトバンクに4位入団。18年には全143試合に出場し、22本塁打を放つなど持ち前の打撃力で躍動した。しかし、その後は怪我に悩まされる。19年から21年にかけては出場試合数も減少し、打率も1割台と低迷。再起を誓い望んだ今季は、4月の月間打率が.327と好スタートを切る。しかし5月18日の試合前練習で右アキレス腱断裂。今季の復帰は絶望的となった。若鷹の台頭も著しいなか、再び花を咲かせたい。

真紅の大優勝旗まであと一歩。平沢大河、内野の要として準優勝へ導く

 仙台育英学園高校は2015年にも、甲子園の頂点に王手をかけていた。佐藤世那投手(元オリックス)、郡司裕也選手(現中日)がバッテリーを組み、内野の要・遊撃は平沢大河選手が守る。盤石のセンターラインで全国の強豪を次々と撃破。第97回大会は決勝まで勝ち上がり、小笠原慎之介投手(現中日)や吉田凌投手(現オリックス)ら好投手を多数揃える東海大学付属相模高校と対戦した。最大4点ビハインドを追いつく粘りを見せたが、最終回に小笠原選手から勝ち越しの一発を浴び、初優勝の夢はついえた。

 攻守にわたる高い技術力を評価され、平沢選手は同年のドラフトで千葉ロッテに1位入団。入団初年度から一軍デビューを果たすも、キャリアハイは18年の112試合、打率.213と思うような結果を残せていない。今季もここまでわずか13試合の出場。ファームでは61安打5本塁打、打率.276と結果を残しているだけに、一軍の舞台でその実力を発揮できるか。

◇平沢大河選手コメント
「優勝おめでとうございます。長い歴史の中で東北に初めて優勝旗を持ち帰ってくれた後輩たちを誇りに思いますし、自分のことのようにうれしく思います。これから3年生の皆さんは別々の道を歩むことになると思いますが、今回の優勝という経験を活かし、自信をもって、より成長をしてほしいと思います。感動をありがとうございました。そして本当におめでとうございます」

大阪桐蔭との語り継がれる名勝負。1年時から甲子園を知る西巻賢二

 平沢選手らが激闘を演じた2015年の甲子園決勝。当時1年生ながら途中出場で安打を放つなど可能性を見せたのは、こちらも現千葉ロッテの西巻賢二選手だ。身長は167cmと小柄ながら、シャープな打撃と抜群の守備力でチームをけん引。3年時には第99回大会に出場した。当時2年生の根尾昂選手(現中日)や藤原恭大選手(現千葉ロッテ)らを擁する大阪桐蔭高校に対し、最終回に逆転サヨナラ勝ちを収めた試合は、今なお語り継がれる。

 準々決勝では、中村奨成選手(現広島)率いる広陵高校に敗れたものの、西巻選手はドラフト6位で地元・東北楽天に入団。しかしプロの壁は厚く、19年には2試合の出場にとどまる。同年オフには戦力外通告を受け、入団テストを経て千葉ロッテ入り。西巻選手も現在はファームでの出場が中心だが、ここまでは78試合で打率.255の成績。守備でも存在感を示しており、千葉ロッテの内野スタメン争いに名乗りを上げたい。

◇西巻賢二選手コメント
「優勝おめでとうございます。深紅の大優勝旗が白河の関を越えるのは僕たち東北の人たちの悲願でしたが、そんなこれまで誰もが成しとげられなかった夢を後輩たちが実現させてくれたことに感動をしています。先輩としてうれしいです。本当におめでとうございます。そしてお疲れ様でした」

優勝メンバーが1年時の3年生、入江大樹。コロナ禍で最後の大会中止の無念晴らす

 2019年には、2年生ながらチームの主軸として第101回大会に出場し、チームのベスト8入りに貢献した現東北楽天の入江大樹選手。甲子園の空気を知り悲願の初優勝を狙ったが、新型コロナウイルスまん延により、20年の夏の甲子園は中止に。宮城大会で優勝を果たすも、夢の舞台に上がることが叶わなかった。

 それでも同年ドラフトでは、東北楽天に5位指名を受け入団。まだ一軍出場は果たしていないものの、ファームでは今季ここまで65試合に出場し、打率.231の成績を残している。今回の優勝メンバーは、入江選手が3年生のときの1年生。自分たちの無念を背負い、大業を成し遂げた後輩たちの活躍に刺激を受け、さらなる進化を遂げることを期待しよう。

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今週のパ・リーグ見どころ

 夏の甲子園の余韻に浸りながらも、いよいよ9月に突入。今季は通常通り日程が消化されているため、シーズンも最終盤に差しかかる。離脱者多数のなか若手が躍動する福岡ソフトバンクが首位に復帰。29日終了時点では、埼玉西武と並んで首位を争う。Aクラス争いもシーズン終了間際までもつれそうな予感だ。

 東北楽天とオリックスは直接対決が控えており、上位進出へカギを握るカードとなる。週末には、現在ゲーム差「0」で並ぶ埼玉西武と福岡ソフトバンクの首位攻防のマッチアップ。逆転を狙う千葉ロッテは、大型連勝が必須か。北海道日本ハムは伊藤大海投手が2年連続の2桁勝利へ向けて登板する。

文・小野寺穂高

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