千葉ロッテは「佐々木朗希、そこですね」
25日に開幕するプロ野球。オープン戦では、楽天が球団初の1位(11勝2敗3分け)になった他、パ・リーグ6球団のうち千葉ロッテを除く5球団が勝率5割以上と、順調な仕上がりをうかがわせた。東京ヤクルト、福岡ソフトバンク、メジャーで救援投手として活躍し、解説者として2年目を迎える五十嵐亮太氏が2022年のパ・リーグの行方を占った。
五十嵐氏が1位に挙げたのは千葉ロッテ。「優勝します」と力強く断言する。「佐々木朗希、そこですね。ルーキーの松川虎生も見ていて面白い。勝負面で話題を持っていける強さがありますね」と説明。さらに「中継ぎ、抑えがしっかりしていますし、そんなにヒットが出なくても得点に繋がる野球の巧さがある」と指摘する。2018年に就任した井口資仁監督の下、順位は5→4→2→2位と推移。五十嵐氏は「井口監督が作り上げてきた野球が、集大成に近づいていると感じる。井口野球の完成、見たいですよね」と期待を寄せる。
2位は古巣の福岡ソフトバンク。昨季はチームの打率がリーグ2位、防御率がリーグ1位だったが、4位に終わった。「勝てないのはなぜか。そこを追究して開幕を迎える藤本(博史)新監督の采配が楽しみ」と話す。注目するのは二塁、三塁、遊撃のレギュラー争い。特に遊撃には新外国人のガルビスが加入。名手ながら打撃に課題がある今宮健太と争うが「ついに動いたな、と僕の中では衝撃」と五十嵐氏は語る。レギュラー争いの激化により、チームが活性化されるかがポイントとなりそうだ。
昨季優勝のオリックスは3位とした。山本由伸、宮城大弥ら先発ローテは安定しているが「不安要素は中継ぎ、抑えですよね」。同時に昨季大ブレークして本塁打王を手にした杉本裕太郎の打撃が「(活躍後の)2年目はどうか。計算が難しい」と指摘する。連覇のカギは中嶋聡監督の采配の妙と「外国人選手の活躍次第かな」と占った。
オープン戦1位の楽天は「上位に行く可能性はあります」
オープン戦1位の楽天は4位と予想。先発陣は則本昂大、岸孝之、田中将大、早川隆久ら屈指の顔ぶれだが「シーズンを通じて投げられていないので未知数の部分がある」。昨季は田中将がチームトップの防御率(3.01)だったが、4勝止まりだったことに触れ「課題は打線ですよね。北海道日本ハムから走れる西川(遥輝)が来たのはいい傾向。先制点を取れるような野球ができたら、上位に行く可能性はあります」と占った。
「BIGBOSS(ビッグボス)」こと新庄剛志監督が率いる北海道日本ハムは5位に。「新庄監督が話題を提供することで、メディアからもファンからも注目されている。選手の刺激にもなっているでしょうから、結果にどう結びつくか」と期待を寄せる。戦力的には苦戦が予想されるが、就任会見で「優勝は目指しません」と宣言した指揮官の下、伸び伸びとプレーする若手選手たちが大きなうねりを巻き起こす可能性は否定できない。
今季も面白そうなペナントレースが予想されるパ・リーグにおいて「再建期になっていると思う」という埼玉西武を最下位に予想。「先発で計算できるのは高橋光成くらい。なにせ数が足りないのが痛いですね」と話す。期待の今井達也が負傷のため開幕に間に合わず、ドラフト1位の隅田知一郎と同2位の佐藤隼輔がローテ入りする。「新人頼みになっている。誰かがポンと出てくる可能性はあるけれど、シーズンを通しての計算はできませんよね。辻(発彦)監督が頭を抱えるところだと思います」と話す。
五十嵐氏は、セ・リーグでは東京ヤクルトの連覇を予想。日本シリーズは「千葉ロッテ対東京ヤクルトの可能性が高いと思います」とし、「東京ヤクルトは1992年、93年の連覇から30年。千葉ロッテは千葉移転30周年。しかも高津監督と井口監督は元ホワイトソックスというシカゴ対決。ストーリーはできましたね」と大きく頷く。五十嵐氏が予想した通りの展開となるのか。今季のプロ野球から目が離せない。
(佐藤直子 / Naoko Sato)
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