5月17日、楽天生命パークで行われた楽天と福岡ソフトバンクのカード最終戦。初戦と昨日の2戦目は、力の差を見せ付けた福岡ソフトバンクが連勝した。同一カード3連勝を目指す今日のマウンドには、中田投手を送る。対して、連敗を止めたい楽天の先発は岸投手である。
試合は初回から激しく動く。まずは福岡ソフトバンクが先頭の中村晃選手の安打、続く今宮選手の犠打、3番・柳田選手の適時打で先制。なお、柳田選手はこれで自己最多タイの21試合連続安打となった。しかし直後の1回裏、楽天は先頭の茂木選手の安打、続く銀次選手の犠打と3番・ウィーラー選手の四球で好機を呼び込むと、4番・今江選手が同点適時打。
スコアは初回から同点の1対1となり、試合は昨日の序盤までと同じようにシーソーゲームの様相を呈した。
同点で迎えた3回表、福岡ソフトバンクの先頭・高田選手が中安打で出塁し、続く中村晃選手のゴロで1死2塁の得点機。2死となってから3番・柳田選手が勝ち越し適時打を放つが、4回裏に楽天の6番・内田選手が同点弾をかっ飛ばした。2対2となり、再び試合は振り出しに。
5回表、福岡ソフトバンクは試合を決めにかかる。1死から2番・今宮選手が二塁打を放つと、続く柳田選手が今日すでに3安打目となる右安打。これでこの時点でのシーズン打率を4割に乗せた柳田選手は、送球間の隙を突いて2塁を陥れ、1死2,3塁と絶好機を演出。
続くデスパイネ選手は遊ゴロに倒れるなどするが、5番・上林選手が冷静に四球を選んで2死満塁。そして今日誕生日の6番・松田選手が勝ち越し適時打を放ち、これでスコアは3対2に。試合開始前時点でリーグ2位の防御率を誇っていた岸投手を攻め立てた福岡ソフトバンクが、リードを奪い返すことに成功した。
ところが土壇場で楽天が意地を見せた。2対3と1点ビハインドで迎えた8回裏、先頭・岡島選手が四球を選んで出塁すると、続くオコエ選手がきっちりと犠打を決めて1死2塁のチャンスを作る。
そしてこの場面で打席に立った9番・嶋選手が、チーム全体が苦手としているモイネロ投手の2球目を捉えて、左中間に値千金の同点適時二塁打。今日2つの盗塁を刺すなど、守備でもチームを盛り立ててきたキャプテンは、2塁に到達する際には気持ちのこもったヘッドスライディングも見せた。
劇的な展開は3対3の同点で迎えた9回裏に待っていた。8回裏から、イニングをまたいでマウンドに上がった森投手から、先頭の今江選手が安打を放って出塁すると、続くペゲーロ選手のゴロが福岡ソフトバンクの高田選手の失策を誘って、無死1,2塁のチャンス。
この場面で6番・内田選手は三振に倒れるが、続く岡島選手がセンターの頭上を越える会心の一打を放ち、今江選手がサヨナラのホームを踏む。打撃不振に苦しんでいた選手会長の意地の一振りが、4時間を超える熱戦に終止符を打った。
試合は4対3で楽天がサヨナラ勝利を収め、同一カード3連敗を阻止した。先発の岸投手は先制を許しながらも6回3失点の粘投。その後を受けた高梨投手、青山投手、松井投手、ハーマン投手が無失点リレーを決めて最後まで望みをつないだ。敗れた福岡ソフトバンクは終始流れを渡さない盤石の試合運びだったが、楽天投手陣をあと一歩打ち崩すことができなかった。
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