5月25日に開幕した「日本生命セ・パ交流戦 2021」が、6月16日の試合をもって全日程が終了した。2年ぶりの交流戦もあっという間に終わり、今季のパ・リーグは12年ぶりにセ・リーグに負け越し。パ・リーグを応援する身としては悔しさもありながら、まずは両リーグの選手たちの健闘をたたえたい。
オリックスが11年ぶりの交流戦優勝。パの戦いを振り返る
パ・リーグ全体では48勝49敗11分で負け越しも、オリックスが12勝5敗1分、勝率.706で11年ぶりの交流戦優勝。後半には6連勝で一気に上位を追い上げ、見事差し切った。3戦3勝、防御率1.23のエース・山本由伸投手が交流戦MVPを受賞、打線も主に1番を務めた福田周平選手が打率.391と投打ともに好調ぶりがうかがえた。気づけばチームは3位に浮上。リーグ戦再開後もパを大いに盛り上げてくれるだろう。
初めての交流戦を迎えた若手たちも躍動した。埼玉西武・平良海馬投手は、6月13日の中日戦で開幕から32試合連続無失点のプロ野球新記録を達成。翌日の広島戦でも快投し、記録を33試合に伸ばしている。また、北海道日本ハムのルーキー・伊藤大海投手は5月28日の中日戦でうれしい本拠地初勝利。その後も堂々たる投球を続けて3勝、防御率0.90の好成績を収め、投手2冠に輝いた。
交流戦といえば、別リーグへ移籍した選手が古巣と対戦する場でもある。昨季から福岡ソフトバンクに移籍したバレンティン選手は、古巣・東京ヤクルトと初対戦。6月13日の試合でホームランを放ち、12球団本塁打とともに、NPB通算300号と1000安打を同時に達成するメモリアルアーチとなった。ほかにも千葉ロッテ・鳥谷敬選手、オリックス・能見篤史投手も阪神との試合に出場。それぞれに思うところがあっただろう。
ファンにとっても特別な交流戦。来年こそは大きな声援を……
無観客で開催された試合もあったが、制限もある中で多くのファンが球場に足を運んだ。かくいう筆者も、その一人である。セ・リーグの本拠地ではパ・リーグではなかなか見られない投手の打席もあり、応援スタイルなど文化の違いも楽しいものだ。この交流戦が来年も無事に開催され、そしてスタンドからも選手に大きな声援を送れるようにと願う。
そして、18日からはリーグ戦が再開。パ・リーグは現在、楽天が首位を走っているが、2ゲーム差で福岡ソフトバンク、オリックスが迫る。もちろん、他チームもまだ巻き返すチャンスもありそうだ。今季は7月中旬から1カ月程度の休止期間を挟むが、まずは残る前半戦で各チームがどのような戦いを見せるのか、注目していきたい。
◆交流戦振り返り動画はこちらから!
文・丹羽海凪
関連リンク
記事提供: