ニューヒーロー誕生なるか。タイトルホルダー候補、開幕1カ月の成績を比較

パ・リーグ インサイト 吉田貴

2018.5.4(金) 16:49

埼玉西武ライオンズ・山川穂高選手(C)PLM
埼玉西武ライオンズ・山川穂高選手(C)PLM

開幕から約1カ月が過ぎ、ゴールデンウイーク9連戦の終わりも見えてきた。5月、オフの調整がピタリとハマったのか、スタートダッシュに成功した選手もいる一方で、いまだに本調子を思い出せない選手もいるだろう。パ・リーグでは埼玉西武の山川選手の大活躍が印象深く、タイトル争いは早くもニューヒーローの登場を予感させている。

そこで今回は、昨季のパ・リーグタイトルホルダーと、今季のタイトルホルダー候補の3,4月成績を比較してみたい。

最多本塁打、最多打点

・昨季最多本塁打、最多打点
デスパイネ選手(福岡ソフトバンク)
2017年3,4月成績:26試合5本塁打、18打点

・今季4月終了時点の最多本塁打、最多打点
山川選手(埼玉西武)
2018年3,4月成績:24試合11本塁打、33打点

現在、本塁打と打点でパ・リーグトップを独走しているのは、埼玉西武の山川選手だ。昨季の前半戦は不振に苦しみ、後半戦からの活躍が印象に残っているが、今季は序盤から大爆発。4月25日の福岡ソフトバンク戦では2本塁打7打点と驚異的な打棒を見せ付けた。

それにしても昨季のデスパイネ選手の2倍のアーチを描いているのは圧巻だ。打率も昨季同時期のデスパイネ選手は.250だったが、山川選手は4月終了時点でリーグ4位の.337と、豪快さと確実性を両立していた。球界屈指の強打者が名を連ねてきた「獅子の4番」に、名実ともにその名を刻むシーズンとなるか。

最多安打

・昨季最多安打
秋山選手(埼玉西武)
2017年3,4月成績:23試合30安打

・今季4月終了時点の最多安打
秋山選手(埼玉西武)
2017年3,4月成績:24試合33安打

今季も秋山選手が最多安打争いで一歩抜けている。5月に入り、その後を柳田選手とチームメイトの源田選手が猛追している状況。昨季秋山選手は185安打でタイトルを手にした。キャリアハイはもちろん日本記録を塗り替えた2015年の216本であるが、強力・獅子打線の不動の1番としてさらなる頂を目指してほしい。

首位打者

・昨季首位打者
秋山選手(埼玉西武)
2017年3,4月成績:23試合、打率.330

・今季4月終了時点の首位打者
近藤選手(北海道日本ハム)
2018年3,4月成績:23試合、打率.392

2位・柳田選手(福岡ソフトバンク)
2018年3,4月成績:23試合、打率.353

現時点、2位に大きく差をつけて首位打者に君臨しているのは近藤選手。しかし4月28日の千葉ロッテ戦で負傷し「右腓腹筋の軽度の筋挫傷」と診断された。5月1日に登録を抹消されている。「幻の4割」に最も近い天才打者として大きな期待をかけられ、それに値するだけの結果を残してきたが、今季もケガで離脱ということに。早期の復帰を祈念したい。

4月終了時点で近藤選手に次ぐ高打率を記録していた柳田選手だが、5月に入ってから秋山選手が抜き去った。その差はわずかなもので、今後もデッドヒートが繰り広げられるだろう。この2人が熾烈な首位打者争いを繰り広げ、最終的に柳田選手が打率.363という驚異的な数字で競り勝った2015年が思い出される。

最多盗塁

・昨季最多盗塁
西川選手(北海道日本ハム)
2017年3,4月成績:25試合3盗塁

・今季4月終了時点の最多盗塁
中村選手(千葉ロッテ)
2017年3,4月成績:24試合11盗塁

中村選手が盗塁王というのは少し意外な展開だ。というのも、昨季の中村選手の盗塁が11で、それがキャリアハイだったからだ。今季は開幕1カ月で4年間のキャリアハイに並び、5月に入ってすぐに自己最高を更新したことになる。(5月3日試合終了時点で12盗塁)

2位につけている埼玉西武の金子侑選手も10盗塁、昨季盗塁王の西川選手もそれに次ぐ9盗塁と、パ・リーグは全体的にシーズン序盤から積極的にスタートを切っている傾向がある。パ・リーグを代表する韋駄天たちは、まだまだその数字を伸ばしていってくれるだろう。

最高出塁率

・昨季の最高出塁率
柳田選手(福岡ソフトバンク)
2017年3,4月成績:24試合、出塁率.476

・今季4月終了時点の最高出塁率
近藤選手(北海道日本ハム)
2018年3,4月成績:23試合、出塁率.520

2位・山川選手(埼玉西武)
2017年3,4月成績:24試合、出塁率.481

今季現時点の最高出塁率も近藤選手だが、前述の通り登録を抹消されている。2位は本塁打王・打点王の山川選手だ。山川選手は4月終了時点でリーグトップの22四球を選んでおり、打率も高い。長距離砲でありながら、出塁する、チャンスを演出するなど、打「線」の一員としても隙がない打者であることがうかがえる。

4月終了時点で大活躍を見せた選手にとっては、これからのシーズンでいかに不振の時期を乗り切るか、相手チームの対策にどう対応するかが大きな課題になってくるだろう。昨季のタイトルホルダーが2年連続の栄冠を手にするか、新たなスターが誕生するか、これからさらにプロ野球が面白くなる。

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パ・リーグ インサイト 吉田貴

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