森友哉~正捕手として見せた涙。再起を誓う希代の天才バッター~(埼玉西武ライオンズ)【インサイト的選手名鑑】

パ・リーグ インサイト

2019.11.12(火) 17:00

埼玉西武ライオンズ・森友哉選手(C)パーソル パ・リーグTV
埼玉西武ライオンズ・森友哉選手(C)パーソル パ・リーグTV

森友哉(もり・ともや)/捕手

#10/1995年8月8日生まれ
170cm・85kg/右投左打


 大阪桐蔭高校から2013年のドラフト1位で埼玉西武に入団。高校時代は1学年先輩の藤浪晋太郎投手(阪神)とバッテリーを組み、史上7校目となる甲子園春夏連覇を達成した。埼玉西武では、年上選手に対しても壁を作らず、タメ口で話して打ち解けるなど、チームからも愛されている若き正捕手だ。

 重心が低いバッティングフォームから、大きなフォロースルーを描いて快打を飛ばす森選手。その魅力的な打撃を武器に、1年目から41試合に出場すると、2年目には138試合に出場し、規定打席に到達。リーグ8位の打率.287をマークしてその名をとどろかせた。3年目は107試合で打率.292、4年目は故障の影響により38試合の出場にとどまったが、打率.339の好成績をマークし、順調にキャリアを重ねた。

 打撃を買われる一方で、多くが指名打者、外野手での出場だった森選手が捕手として本格的に活躍したのは2018年。捕手としてはチーム最多の81試合に出場、攻守に渡ってリーグ優勝に大きく貢献し、捕手のベストナインを受賞した。翌2019年は炭谷銀仁朗選手(現巨人)がFA移籍した影響もあり、捕手としての出場数は128試合に。打撃では打率.329、23本塁打105打点と主要3部門でキャリアハイの成績を残し、自身初の打撃タイトル「首位打者」、さらにパ・リーグMVPを獲得。強力打線の中核として、そして扇の要としてチームを引っ張り、リーグ連覇の立役者となった。

 しかし好成績を収め続けていた森選手にとって、2020年は苦しいシーズンとなった。チーム全体が打撃不調、打線の中核である森選手も例に漏れず.251と前年から大きく数字を落とした。守備でも精彩を欠く場面が多く見られ、森選手にとっては厳しい戦いだっただろう。それをうかがわせたのは8月27日の北海道日本ハム戦だ。途中出場でマスクを被り逆転を許してしまったが、兄同然に慕う山川穂高選手がサヨナラ勝ちを決めると、人目をはばからず号泣。責任感の強さが垣間見えるシーンだった。その涙を強さに変え、2021年シーズンは天才的な打撃を取り戻し、主軸として、そして正捕手として活躍したい。

【2020年一軍成績】
104試合 405打席90安打9本塁打38打点 打率.251 出塁率.325 OPS.705


(2021/1/12追記)

森友哉をもっとよく知るために。パ・リーグインサイトの過去の記事

受賞ラッシュの埼玉西武森が誓う来季の成長 「バッテリーで勝てる捕手になれれば」
2018年オフの契約更改時の記事。打撃の印象が強い一方で、投手陣をリードするキャッチャーとしての責任感がうかがえる。

埼玉西武辻監督、やんちゃな森友哉の涙に声を震わせたワケは?「俺も現役時代に…」
苦しんだ2020年シーズン、8月27日の試合後に涙を見せた森選手。めったに見られないその姿に辻監督も「この経験は今後に大きく生きてくる」とコメントした。

☆森友哉選手の動画はこちらから!

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