二木康太(ふたき・こうた)/投手
#18/1995年8月1日生まれ
190cm・85kg/右投右打
鹿児島情報高校から2013年のドラフト6位で千葉ロッテに入団。打者のタイミングをずらす独特なフォームから投げ下ろされる速球と鋭く落ちるフォークを軸に、スライダーとカーブを含めた4球種を制球よく投げ込んでいく。過去5年間で11度の完投を記録したタフネスさも大きな武器で、調子が良い時は手の付けられない投球を見せるエース候補だ。
二木投手はプロ3年目の2016年にローテーション入りを果たし、22試合で7勝9敗と存在感を示す。疲れもあってかシーズン終盤に調子を崩して防御率5.34に終わったものの、翌2017年は投球内容がさらに向上。勝敗こそ前年と同じ7勝9敗だったものの、防御率は3.39と約2点の改善を見せた。自身初の規定投球回にも到達し、最下位に沈んだチームの中で先発の軸として奮闘した。
2018年シーズンは自身初の2桁勝利にも期待がかかったが、春先から調子が上がらず約2カ月半の二軍調整も経験。7月半ばに一軍に戻ってからは好投を続けたものの、前年同様に打線の援護に恵まれず勝ち星は伸び悩んだ。シーズン最終登板で4回8失点と打ち込まれたことで防御率も4点台近くまで悪化し、なかなか波に乗り切れない難しいシーズンを送った。
2019年はローテーションの一角を務めたが、調子の良し悪しが出やすく、7勝を挙げた一方で10敗と負け越し。特に後半戦は失点が目立つ厳しい戦いとなった。しかし、持ち前のスタミナでチーム最多の22先発で128.2回の投球回を記録した。楽天に移籍したエース・涌井秀章投手の背番号「18」を受け継いだ2020年は、開幕直後の7月に不調で登録抹消されたが、8月8日に一軍へ復帰。8月下旬から10月中旬にかけて6連勝を飾るなど、先発の一角として活躍し、キャリアハイの9勝を挙げた。2021年は、目標に挙げた「規定投球回到達&10勝」達成へ、背番号「18」にふさわしい投球を続けていきたい。
【2020年一軍成績】
15試合9勝3敗 92.2回 79奪三振、防御率3.40 WHIP0.91
(2021/1/14追記)
文・望月遼太
二木康太投手をもっとよく知るために。パ・リーグ インサイトの過去の記事
・【注目選手】幕張の若きエース候補。千葉ロッテ・二木投手
2017年終了時点の記事。現時点でのキャリアハイとなっている2017年シーズンの投球内容について振り返りつつ、球団が「二木プロジェクト」と題して大きな期待と共に育成してきた、大器の成長ぶりを再確認している。
・打者は柳田、投手は二木…セイバー目線で選出する8月パ月間MVP
2018年シーズンの二木投手は最終的な防御率こそ3.93だったが、8月に見せた投球はとりわけ素晴らしいものだった。4試合で1勝3敗、防御率2.35という数字からくる印象以上に、セイバーメトリクス的観点から見た投球内容が優れていたことがこの記事にて示されている。
・「良いピッチングをすることが…」。後半戦でエース級の働きを見せる幕張の5年目右腕
ひとつ上の記事で取り上げた時期となる、2018年8月の投球を二木投手本人が振り返った記事。先述の通り投球の結果は素晴らしいものだったが、若き右腕はそんな中でもボールの質に関しては決して納得がいっていない様子であり、右腕が持つ高い向上心の一端がうかがえる内容となっている。
・上林誠知、島内宏明、二木康太……指名順位もなんのその。「ドラフト最下位」からの逆襲
2013年ドラフト6位で指名された二木投手は、その年の最後の指名だった。入団から徐々に実力をつけて頭角を現し、今や千葉ロッテには欠かせない選手へと出世を果たした二木投手。さらにエースとなるべく進化していく。
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