「すごく悔しいという思いは強い。それは結果を残して一軍に上がって、一軍でいいピッチングをするということでしか、ストレス発散じゃないですけど、できないと思うので、全てに向けて頑張ります」。
ファーム調整中の7月初頭、このように悔しさを滲ませていた千葉ロッテ・二木康太投手は、2カ月半のファーム生活を経て、前半戦の鬱憤を晴らすような投球を見せている。
4月30日以来となる一軍登板となった7月18日の東北楽天戦で、6.1回を投げて被安打5、2失点。続く7月26日の福岡ソフトバンク戦では7.2回を投げて1失点、自己最多となる12奪三振をマークした。
8月に入ってからはカードの初戦を任され、17日の東北楽天戦では9回を1人で投げ抜き、2安打、無失点に抑えプロ入り初の完封勝利を挙げた。一軍復帰後は7試合に登板して、1勝3敗と黒星が先行するが、そのうちの6試合でQS(6回自責点3以内)をクリア。52.1回を投げて防御率は2.24と抜群の安定感を誇る。
「(一軍復帰後は)結果だけ見ればしっかりとゲームは作れているので、悪いピッチングではないかなと思います」と、一軍復帰後のここまでの投球を振り返った。
課題にしていたストレートについては「悪くはないと思います」と話しながらも、「後半戦は結果が良いですけど、投げている感じでばらつきもありますし、まだ強い球が投げられると思う」と納得していない様子。
ただ投球成績をみれば、勝ち頭のボルシンガー投手、石川歩投手、さらにはエース・涌井秀章投手(今日復帰)が一軍不在の中、後半戦はまさにエース級の働きだ。
残り30試合を切り、クライマックスシリーズ進出に向けて、負けられない試合が続いていく。二木投手は「自分が良いピッチングをするということは、チームにとって一番良いことだと思います。しっかりとチームの勝ちに貢献できるようにやっていきたいです」と意気込む。
後半戦に入り、本来の姿を取り戻した背番号「64」から目が離せない。
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