新たなる「エースキラー」へ。福岡ソフトバンク・東浜投手

パ・リーグ インサイト

2016.6.15(水) 00:00

PayPayドーム(C)PLM
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両リーグ最速の40勝、貯金も24。破竹の勢いで勝ち進み、早くも優勝マジック点灯がいつになるか取り沙汰されている福岡ソフトバンク。最短で8月中の優勝という、前代未聞のフレーズが飛び交うようになってきた。

2年連続で日本一の栄冠を手にし、球界随一と呼べる巨大戦力は、投打ともに今年も変わらずに充実。特に最多勝争いリーグトップタイの7勝を挙げている和田毅投手、武田翔太投手、そして6勝のバンデンハーク投手の三本柱がしっかりと機能し、続いて千賀投手も5勝負けなしとこちらも期待通りの結果を残している。

この三本柱ならぬ、四本柱とも言える彼らの陰には隠れているものの、彼らに負けない働きぶりでチームを支えているのが、シーズン途中からローテーションに加わった東浜巨投手だ。東浜投手は、登板するたびにことごとく対戦することになっている相手チームのエース級投手との投げ合いで、今季ここまで一回も負けていない。エース級の投手攻略を得意とする野手版の「エースキラー」ならぬ、エース級投手との投げ合いで負けない、投手版の「エースキラー」を襲名しつつある。

【東浜投手のエース級投手との今季の対戦一覧】
4/15 対楽天・則本投手 5回2失点
5/12 対千葉ロッテ・涌井投手 8回2失点
5/27 対千葉ロッテ・涌井投手 8回無失点
6/3 対広島・黒田投手 6.2回1失点
6/10 対巨人・菅野投手 6.0回1失点

そもそも、東浜投手自身も沖縄尚学高、そして亜細亜大で、各世代を代表する「エース」そのものであった。しかしプロ入り後はチームの分厚い投手陣の枠に割って入れず、年間登板数が7試合を超えることは、過去3年間一度もなかった。

ドラフト1位入団ながら、勝負の年とも言える2016年。東浜投手はシーズン開幕当初こそファームで迎えたが、計4試合で20イニングを投げて失点・自責点わずか2、防御率0.90、さらに与四球5という安定感を見せるなど、着実に結果を残して一軍へ。ここでことごとくエース級の相手先発とぶつかりながらも、それをしっかりと跳ね除けて白星を着実に重ねている。

もちろん「エースキラー」だけにとどまることなく、目指すはチームの「エース」。12球団屈指の選手層を誇るチームでのし上がるのは容易なことではないが、勝利を重ねることで、信頼は得つつある。「エース」の条件とはさまざまではあるものの、やはり勝ってほしい試合で勝てることではないか。東浜投手は次世代の「エース」襲名を目指し、これからも腕を振り続ける。

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