15年以来3年ぶり首位打者と4年連続最高出塁率
福岡ソフトバンクの柳田悠岐外野手が、今季2つの個人タイトルを手にした。1つは2015年以来となる自身2度目の首位打者(.352)、もう1つは4年連続となる最高出塁率(.431)だ。
打率に関しては、埼玉西武の秋山翔吾外野手、北海道日本ハムの近藤健介捕手と競い合っていた時期もあった。しかし、終わってみれば、2人に2分9厘の差をつけて3年ぶりの首位打者に輝いた。月間打率が3割を切ったのが6月(.289)だけ。開幕から安定して打率を残してきた。積み上げた安打数はリーグ3位の167本に及ぶ。本塁打と打点もキャリアハイを記録し、初めての3割30本100打点を達成。柳田は「オフからやってきたことが結果につながったのかなと思います」と胸を張った。
首位打者のタイトルについては「3割は打ちたいなと思っていましたが、あまり意識はしてなかったです。自主トレでバッティングの量を増やしたんで、投げてくれた濱涯(泰司)さんと松本輝さんのおかげかなと思います」と、まずは2人の打撃投手の名前を挙げて感謝の気持ちを示した。今シーズンも代名詞であるフルスイングを貫いたが、それでもきちんと打率を残した。その極意について「しっかり振って、バットに当たったらどっかに飛んでいくかなと思います」と、独特の表現で語った。
2015年以来の打撃主要タイトル獲得だが、柳田は「いやもう何でも」とタイトルの内容にはこだわらない。「タイトルなら何でもいいです。何か1つ獲ることを目標にしています。今年は2つ獲れたので、また来年何か獲れるようにと思っています」と、目標を掲げる。
4年連続の最高出塁率「今年はあまり我慢してない」
4年連続となる最高出塁率に関しては「たまたまじゃないですかね」と素っ気なく答えた。安打数だけでなく四球の数も大きく関係するだけに、打ちたい気持ちをどれだけ我慢してボールを見極めるかがポイントになる。「今年はあまり我慢してないですけど」と柳田が語るように、今シーズンの四球数は62と2014年以降で最少だ。それでも「打てる球をしっかり打って、打てない球は振らないということを一番目標にしていますし、打席でいつも考えていることなんで。その結果がたまたまこういう数字になったのかなと思います」という。
柳田は最後に今シーズンの自身の成績を振り返るとともに、来季への意気込みをこう語った。
「そんなにめちゃくちゃいい時って正直なかったんですけど、うまく修正できて結果がすぐに出たというのは運が良かったかなと思います。ただ『もっともっといい状態にできたんじゃないかな』と反省するところも多いので、それをまた来年に活かしたいですね。ミスショットもたくさんありましたし、それを1本でも多くいい結果に結びつけていければと思います。いろいろやりたいこともあるので、それをオフにしっかりやりたいです」
2度目のトリプルスリー、40×40(40本塁打40盗塁)、そして新元号初の3冠王。ホークスファンは来季も柳田に多くの夢を描いていくことだろう。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)
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